- 阪神競馬場芝1200mがどんなコースか分かる!
- 8つの傾向データを紹介
- 阪神競馬場芝1200mで買うべき馬・消すべき馬が分かる!
今回紹介するのは、阪神競馬場芝1200mの特徴と傾向です。
GIスプリンターズSの前哨戦でああるGⅡセントウルSの舞台として、これまで多くの快速王を輩出してきた阪神競馬場芝1200m。新馬戦や条件戦も数多く組まれるので、是が非でも攻略したいコースです。過去5年間にわたる数多くのデータを分析したので、馬券検討の材料にしてください。
阪神競馬場芝1200mの概要・特徴
阪神競馬場芝1200mのコース概要や特徴は以下の通りです。
コース概要
阪神競馬場は内、外回りがあり、芝1200mは内回りコースを使用。2コーナー出口付近からスタートします。最初のコーナーとなる3コーナーまでの直線は243m。スタートからは緩やかな下り坂で、3、4コーナーの中間からは高低差1.5mほどの勾配を下っていきます。
最後の直線はAコース使用時が356mで、Bコースは359m。ゴールまでのラスト200mはそれまで続いていた下りが一転して、高低差1.8mの急坂となっています。スタートからの下り坂でスピードに乗っていたはずの馬がゴール前で失速するケースも多発。レースの面白さに拍車をかけています。
レコードタイム
阪神競馬場芝1200mのレコードタイムを見てみましょう。
阪神競馬場芝1200m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
2歳レコード | 1;08.2 | 牡2 | ミルトクレイモー | 2022年12月4日 |
3歳以上レコード | 1;06.7 | 牡4 | タワーオブロンドン | 2019年9月8日 |
2歳レコードは2022年12月にミルトクレイモーが、さざんか賞(1勝クラス)でマークしました。その翌月にはオープンの中京2歳Sで3着。3歳となってからは3月のGⅢファルコンSで4着に入るなど、レコード勝ち後も高い能力を示しています。
3歳以上のレコードホルダーはタワーオブロンドン。2019年9月に行われたGⅡセントウルSでの激走でした。その反動もなく、次走のGIスプリンターズSも快勝。翌年の海外GI香港スプリント13着を最後に引退して種牡馬入りしています。
平均タイムとラップ
次に示すのは阪神競馬場芝1200mの過去5年間の平均タイムです。
格 | R数 | タイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 20 | 1;10.8 | 35.7 | 35.1 | 98 |
2歳未勝利 | 18 | 1:09.4 | 34.6 | 34.9 | 101 |
2歳1勝 | 5 | 1;09.0 | 34.1 | 34.8 | 102 |
3歳未勝利 | 4 | 1;09.6 | 34.5 | 35.1 | 102 |
3歳1勝 | 10 | 1;09.3 | 34.5 | 34.8 | 101 |
3歳OP | 5 | 1;08.7 | 33.8 | 34.9 | 103 |
1勝 | 10 | 1;09.3 | 34.4 | 34.9 | 101 |
2勝 | 26 | 1;08.7 | 34.1 | 34.6 | 101 |
3勝 | 17 | 1;08.6 | 34.1 | 34.5 | 101 |
重賞・OP | 13 | 1;08.1 | 33.7 | 34.4 | 102 |
短距離でラスト200mまでは下り坂が続くコース。おおむね前半の入りの方が速いのは当然でしょう。新馬戦のみテンのペースが緩やか。レース未経験の馬をゴール前の急坂に向かわせることになりますし、騎手も余力を残してのレースを意識しているのかもしれません。
阪神競馬場芝1200mで行われる重賞レース一覧
阪神競馬場芝1200mでは例年9月にGⅡのセントウルSが行われます。夏のスプリント王を決めるサマースプリントシリーズの最終戦で、GIスプリンターズの前哨戦としても注目される一戦。記憶に新しいところでは2017年のファインニードル、そしてレコードタイムの項目でも触れた2018年のタワーオブロンドンが、セントウルSを勝った勢いを生かし、大一番のスプリンターズSも制しています。
レース名(グレード) | 1着賞金 | 開催時期 |
セントウルS(GⅡ) | 5900万円 | 9月(サマースプリントシリーズ最終戦) |
2020年11月から2023年3月までの京都競馬場改修工事によるJRAの日程調整で、2020年のGⅢCBC賞と、2020~22年のGⅢ京阪杯が阪神競馬場芝1200mで行われました。2024年は阪神競馬場のリニューアル工事でセントウルSは中京競馬場で開催されます。
阪神競馬場芝1200mの傾向データ(2019年〜2023年の過去5年)
ここからは阪神競馬場芝1200m過去5年間のデータを紹介します。8項目にわたって分析していきますので、馬券の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 26.2 | 50.8 | 61.5 | 62 | 81 |
2 | 20.8 | 30.0 | 38.5 | 90 | 61 |
3 | 13.8 | 35.4 | 47.7 | 83 | 92 |
4 | 11.5 | 23.1 | 33.8 | 93 | 78 |
5 | 8.5 | 18.5 | 34.6 | 86 | 93 |
6 | 1.5 | 4.6 | 18.5 | 14 | 66 |
7 | 4.7 | 5.4 | 16.3 | 87 | 68 |
8 | 6.2 | 7.8 | 13.2 | 176 | 73 |
9 | 1.7 | 7.5 | 8.3 | 39 | 57 |
10~ | 1.3 | 4.1 | 6.8 | 110 | 86 |
1番人気はまずまずの信頼度。2番人気の勝率の高さも注目に値するところです。また、4番人気、8番人気の単勝回収率が100%を超えており、阪神競馬場芝1200mは荒れる要素も強い環境と言えます。
枠順別
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9.6 | 19.7 | 27.0 | 84 | 87 |
2 | 11.2 | 17.6 | 26.2 | 145 | 82 |
3 | 9.3 | 22.2 | 32.0 | 224 | 139 |
4 | 7.1 | 11.8 | 21.8 | 62 | 74 |
5 | 8.9 | 19.6 | 27.2 | 103 | 76 |
6 | 4.7 | 12.4 | 18.0 | 71 | 71 |
7 | 7.5 | 10.8 | 19.1 | 40 | 53 |
8 | 4.0 | 10.1 | 14.9 | 31 | 58 |
全体的に内枠が強め。特に2枠は勝率が高く、3枠は連対、複勝率が優秀です。6枠から外側の数字がいまひとつ。短距離戦だけに外枠のコースロスが影響しているのかもしれません。
脚質別
脚質 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 43 | 33.1 | 47.7 | 60.0 | 552 | 218 |
先行 | 45 | 9.4 | 23.4 | 35.4 | 96 | 117 |
差し | 31 | 5.4 | 11.0 | 17.6 | 47 | 63 |
追込 | 11 | 2.1 | 4.3 | 8.1 | 21 | 25 |
買うなら逃げ馬しかない、と言えるくらいのデータとなっています。勝ち星の数こそ先行勢に譲っているものの、勝率、連対率、複勝率の数値は抜群。単勝回収率も500%を超えています。ダッシュ良く飛び出した馬が、スタートから続く下り坂でスピードに乗って、そのまま押し切るパターンが多いのでしょう。逃げ馬は人気薄でも狙ってみたいところ。相手は番手を進む先行馬と差し馬から選び、追い込み馬は押さえで十分と言えます。
種牡馬別
種牡馬 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロードカナロア | 20 | 12.7 | 25.9 | 34.2 | 100 | 100 |
ダイワメジャー | 11 | 13.8 | 20.0 | 23.8 | 322 | 99 |
ビッグアーサー | 5 | 13.5 | 21.6 | 35.1 | 74 | 80 |
メイショウボーラー | 4 | 16.0 | 16.0 | 16.0 | 82 | 26 |
キンシャサノキセキ | 3 | 4.1 | 12.2 | 23.0 | 187 | 114 |
キズナ | 3 | 5.0 | 15.0 | 21.7 | 26 | 93 |
ブラックタイド | 3 | 9.4 | 21.9 | 37.5 | 160 | 162 |
アドマイヤムーン | 3 | 10.0 | 16.7 | 30.0 | 148 | 149 |
ショウナンカンプ | 3 | 20.0 | 33.3 | 33.3 | 820 | 192 |
モーリス | 3 | 7.9 | 10.5 | 18.4 | 18 | 28 |
ロードカナロアは2020~23年まで4年連続で総合サイアーランキング2位と、高いレベルで安定した成績を残しています。現役時代にスプリンターズS、高松宮記念とGIで2回レコード勝ちしているので、産駒の芝1200mとの相性の良さは当然かもしれません。
父系統別
系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ナスルーラ系 | 10.9 | 20.0 | 28.2 | 159 | 91 |
ニアークティック系 | 9.2 | 14.7 | 22.3 | 92 | 89 |
ネイティヴダンサー系 | 8.7 | 17.6 | 26.3 | 80 | 78 |
ロイヤルチャージャー系 | 6.3 | 13.3 | 21.1 | 91 | 77 |
ナスルーラ系が活躍しています。種牡馬別の表で紹介している中ではビッグアーサー、ショウナンカンブがナスルーラ系なので、覚えておいてください。
騎手別
騎手名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
武豊 | 9 | 20.0 | 33.3 | 44.4 | 91 | 83 |
岩田望来 | 8 | 13.6 | 22.0 | 39.0 | 53 | 106 |
松山弘平 | 7 | 9.5 | 21.6 | 28.4 | 64 | 76 |
坂井瑠星 | 7 | 18.9 | 27.0 | 40.5 | 314 | 142 |
北村友一 | 7 | 28.0 | 40.0 | 40.0 | 391 | 186 |
藤岡康太 | 6 | 10.3 | 22.4 | 24.1 | 106 | 79 |
和田竜二 | 5 | 6.1 | 14.6 | 29.3 | 68 | 87 |
岩田康誠 | 5 | 15.6 | 31.3 | 31.3 | 120 | 66 |
幸英明 | 5 | 6.8 | 12.2 | 21.6 | 37 | 74 |
福永祐一 | 4 | 8.0 | 22.0 | 34.0 | 18 | 76 |
武豊騎手が安定した成績を残しています。よく「長距離は騎手で買え」などと言いますが、レジェンドクラスになれば短距離も目が離せません。坂井瑠星、北村友一騎手の単勝回収率も優秀。高配当を狙うなら、この2人を追ってみるのもいいでしょう。
調教師別
調教師名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
森秀行 | 7 | 15.6 | 22.2 | 26.7 | 343 | 129 |
藤岡健一 | 5 | 16.7 | 26.7 | 26.7 | 69 | 83 |
斉藤崇史 | 4 | 25.0 | 31.3 | 37.5 | 191 | 76 |
矢作芳人 | 4 | 25.0 | 25.0 | 37.5 | 627 | 146 |
石橋守 | 3 | 9.4 | 21.9 | 25.0 | 37 | 62 |
加用正 | 3 | 7.3 | 14.6 | 26.8 | 89 | 111 |
高野友和 | 3 | 10.0 | 20.0 | 23.3 | 68 | 48 |
音無秀孝 | 3 | 8.3 | 13.9 | 25.0 | 91 | 96 |
今野貞一 | 3 | 16.7 | 27.8 | 38.9 | 72 | 149 |
武幸四郎 | 3 | 13.0 | 21.7 | 26.1 | 111 | 50 |
森秀行調教師は勝ち星の数もさることながら、単勝回収率が300%超え。名前を見つけたらマークは必至です。そして、矢作芳人調教師の単勝回収率452%も魅力。リーディングトレーナーの上位常連で信頼を置きやすく、当コースで追い続ける価値は十分てす。
東西別
所属トレセン | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 4.6 | 10.9 | 18.9 | 27 | 81 |
栗東 | 7.9 | 15.7 | 23.3 | 98 | 78 |
勝率、連対率など各数値で栗東組が美浦組に差をつけています。軸は基本的に関西馬から選ぶのがいいでしょう。ただ、関東馬も連対、複勝率を見ると食い込みは現実的なので、軽視は禁物です。
阪神競馬場芝1200mの傾向・データまとめ
ここまでデータを使って阪神競馬場芝1200mの傾向を紹介してきました。
特に重要だと感じたポイントは以下の通りです。
- 2番人気の勝率が優秀。4、8番人気の単勝回収率は100%超え
- 内枠が強い。特に2枠の良績が目立つ
- 外枠の数字が物足りない
- 脚質別では逃げ馬の成績が突出
- 追い込み馬は押さえまで
- 種牡馬ではロードカナロアに注目
- 武豊騎手の成績が安定。回収率なら坂井瑠星、北村友一騎手
- 厩舎で買うなら森秀行、矢作芳人調教師
- 関西馬が優勢
阪神競馬場芝1200mの攻略方法
ここから阪神競馬場芝1200mの傾向とデータを深堀りし、買うべき馬、割り引きが必要な馬のタイプを紹介していきます。
データから見るここが買い
阪神競馬場芝1200mでプラス収支を計上するには、逃げ馬を外せません。スタート直後からずっと下り坂が続くので、ダッシュ良く飛び出して勢いをつければ、簡単には止まらないのでしょう。勝率は33.1%は他の脚質と比べても群を抜いています。
そして、特筆すべきは単勝回収率の500%超え。阪神競馬場はゴール前に急坂があるので、差し馬、追い込み馬の出番が多いイメージがある分、人気になりづらいのかもしれません。人気薄であればあるほど、おいしいと言える阪神競馬場芝1200mでの逃げ馬。迷わず軸に指名していいでしょう。
データから見るここが割引
阪神競馬場芝1200mでは外枠の成績が物足りません。1枠~3枠までの勝率9~11%台に対して、6枠~8枠は4~7%。連対、複勝率も芳しくありません。
理由については、短距離戦であるがゆえに外枠スタートの距離ロスが簡単に埋まらない、と考えるのが妥当でしょう。阪神競馬場芝1200mでは外枠の馬を疑ってかかった方がよさそうです。ただ、雨で馬場が湿ったりすると様相が変わります。「開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬」の項目も参照してください。
データの裏を狙う
阪神競馬場芝1200mのデータを父系統別で見た場合、ナスルーラ系の数値が優秀です。着別成績で上位に入っているのはビッグアーサーとショウナンカンプだけ。もともと流れを引く種牡馬の数が少ないのもあり、ナスルーラ系を狙おうと思っても、出馬表を見ると1頭もいない、というケースも多いでしょう。
現在の日本のサイアーラインの主流を形成しているロイヤルチャージャー系は当コースでの数値が物足りません。ただ、着別成績上位10頭を見ると6頭はロイヤルチャージャー系。これは数が多いゆえに結果を出せない種牡馬も相当数いる分、全体の数値を落としてしまう数字のマジックかと思われます。系統別の数字が物足りなくても、個別で実績を残しているロイヤルチャージャー系種牡馬の信頼は落とさない方が賢明でしょう。過去5年で当コースで3勝以上をマークしているロイヤルチャージャー系を挙げておきます。
- ダイワメジャー、メイショウボーラー、キンシャサノキセキ、キズナ、ブラックタイド、モーリス、ミッキーアイル、ジャスタウェイ
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
「データから見るここが割引」で外枠の物足りなさに触れましたが、馬場が湿っている時はその傾向にこだわらない方がよさそうです。阪神競馬場芝1200mの稍重~不良馬場時の過去5年枠順別成績を見てください。
阪神競馬場芝1200m稍重~不良馬場の枠順別成績(過去5年間)
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5.0 | 12.5 | 27.5 | 28 | 136 |
2 | 14.3 | 21.4 | 31.0 | 258 | 87 |
3 | 11.6 | 27.9 | 34.9 | 85 | 122 |
4 | 8.3 | 14.6 | 31.3 | 137 | 116 |
5 | 6.1 | 22.4 | 28.6 | 36 | 59 |
6 | 3.8 | 5.8 | 9.6 | 25 | 25 |
7 | 9.3 | 11.1 | 18.5 | 54 | 36 |
8 | 7.1 | 16.1 | 19.6 | 80 | 114 |
全体的には内枠強め、外枠弱めは変わらないのですが、1枠が大きく数字を落とし、逆に8枠が数字を伸ばしています。悪天候で馬場が悪化すると最内の馬は走りづらくなり、大外枠はレースがしやすくなる特性があるかもしれません。阪神競馬場芝1200mで稍重~不良馬場の際は、内枠強め、外枠弱めの傾向に加え、1、8枠の評価を再考してください。
阪神競馬場芝1200mまとめ
阪神競馬場芝1200mの攻略ポイントのまとめは以下の通りです。
- 2番人気の勝率が優秀。4、8番人気の単勝回収率は100%超え
- 内枠が強い。特に2枠の良績が目立つ
- 馬場悪化に限り1枠を割り引き
- 外枠の数字が物足りない
- 馬場悪化に限り8枠が浮上
- 脚質別では逃げ馬の成績が突出
- 追い込み馬は押さえまで
- 種牡馬ではロードカナロアに注目
- ナスルーラ系優勢も、安定しているのはロイヤルチャージャー系
- 武豊騎手の成績が安定。回収率なら坂井瑠星、北村友一騎手
- 厩舎で買うなら森秀行、矢作芳人調教師
- 関西馬が優勢
この記事が馬券検討の材料になればうれしいです。
それでは、よき競馬ライフを!
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