今回ご紹介するコースは、福島芝1700mについてです。
「ん、芝1700?ダートじゃなくて?」そう、芝です。もしかすると芝コースに1700mのレースがあることを、初めて知る方もいらっしゃるかもしれません。それもそのはず、過去10年で1度しか使用されていないコースですからね。
今回は、この珍しい福島競馬場芝1700mの概要や特徴と併せ、過去のデータをもとにした攻略法をまとめました。次回いつ芝1700mのレースが行われてもいいように、この記事で予習しておきましょう!
福島競馬場芝1700mの概要と特徴
まずはじめにコースの概要と特徴をレコードタイムや平均タイムと併せ解説していきます。
福島競馬場芝1700m|コース概要
正面スタンド前からスタートするこのコース。なんとゴール前の上り坂の途中からスタートします。スタートしてから第1コーナーまでの距離が約205mと短く、スタート直後から激しい位置取り争いが行われます。傾斜のないほぼ平坦な第1〜2コーナーを抜けて向こう正面の直線へ。直線に入りまもなくすると緩い上り坂が始まり、第3コーナーまで駆け上がります。緩い上り坂の第3コーナーを抜けると、残り約400m地点から下り坂が始まり、第4コーナー、そして最後の直線へと向かっていきます。最後の直線距離は約292m。途中約150m付近から再び上り坂になり、登り切ってやや進んだところでゴールです。コース全体の高低差は1.9m、第3〜4カーブにかけてスパイラルカーブが採用されています。
コーナーの入り口から出口にかけて半径が短くなるコーナーのこと。
福島芝1700m|レコードタイム
福島芝1700m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
2歳レコード | 1:41.1 | 牡2 | コンドルクエスト | 2003.10.25 |
3歳以上レコード | 1:40.4 | 牝5 | スパークトウショウ | 1998.7.4 |
このコースで2歳レコードを持っているコンドルクエストはデビュー3戦目の「きんもくせい特別」を1番人気の期待に応えレコード勝ち、3歳以上レコードを持っているスパークトウショウは「栗子特別」を道中5〜6番手でレースを進め、6番人気ながらもレコード勝ちを収めております。
福島競馬場芝1700m平均タイムとラップタイム
レコードタイムを紹介した次は、平均タイムをラップタイムを見ていきましょう。
100 | 300 | 500 | 700 | 900 | 1100 | 1300 | 1500 | 1700 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
タイム | 6.9 | 11.1 | 12.2 | 12.2 | 12.3 | 12.3 | 12.0 | 11.7 | 12.0 |
過去10年で1度しか行われていないため平均タイムはなく、ラップタイムのみの記載となります。
やはり、スタート直後から第1コーナーまでの間に激しい位置取り争いが繰り広げられているのが、ラップタイムから読み取れますね。
福島競馬場芝1700mで開催されている重賞レース一覧
当該コースで重賞レースは開催されていません。
福島競馬場芝1700mの傾向データ
ここからは各項目別に過去のデータをまとめました。
直近でこのコースを使用したレースが1度しかなかったので、傾向を見るデータとして確かなものではないことをご了承ください。
福島競馬場芝1700m|人気順別
人気 | 着順 |
---|---|
1 | 3着 |
2 | 4着 |
3 | 5着 |
4 | 2着 |
5 | 8着 |
6 | 6着 |
7 | 競走中止 |
8 | 1着 |
9 | 7着 |
10 | 9着 |
直近10年まで遡ってレースを見てみると、表を見ていただくとわかるように、2012年6月12日に1度しか当該コースを使用してのレースが行われていません。結果を見ると8番人気→4番人気→1番人気の決着で、このレースの三連単の配当は99,130円と高配当になっています。
ただ、この結果だけで荒れやすいコースとは決め難いです。
福島競馬場芝1700m|枠順別
枠番 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 0.0 | 100.0 | 100.0 | 0.0 | 250.0 |
2 | 100 | 100.0 | 100.0 | 2540.0 | 530.0 |
3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 0.0 | 0.0 | 100.0 | 0.0 | 150.0 |
5 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
6 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
7 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
8 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
たった1レースだけではありますが、1・2・4枠に入った馬が入着をしており、この表だけをみると内枠に入った馬が有利なのではないかと感じさせます。
最初のコーナーまで激しい位置取り争いが行われることから、やはり外枠に入った馬はそこで有利に競馬を進めることが難しくなるということを表しているのでしょうか?
福島競馬場芝1700m|脚質別
脚質 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 2540.0 | 530.0 |
先行 | 0.0 | 33.3 | 33.3 | 0.0 | 83.3 |
差し | 0.0 | 0.0 | 33.3 | 0.0 | 50.0 |
追込 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
直近の10年間で1度しか行われていない福島芝1700mですが、このレースでは逃げ・先行馬のワンツーフィニッシュという結果になりました。
3着に差し馬が入着しておりますが、これは第3〜4コーナーにかけてスパイラルカーブが採用されており、第4コーナー出口付近から最後の直線で馬群がバラけるため、いい脚を使った差し馬もこのように馬券に絡んできます。
それでも、福島競馬場全体のレースを見ても、逃げ・先行馬が有利なのは変わりません、
福島競馬場芝1700m|血統別
順位 | 種牡馬 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | スターリングローズ | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 2540.0 | 530.0 |
2 | エアエミネム | 0.0 | 100.0 | 100.0 | 0.0 | 250.0 |
3 | フジキセキ | 0.0 | 0.0 | 100.0 | 0.0 | 150.0 |
4 | オペラハウス | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
5 | マーベラスサンデー | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
6 | クロフネ | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
7 | マンハッタンカフェ | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
8 | ムーンバラッド | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
9 | アドマイヤマックス | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
10 | ケイムホーム | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
こちらも同じく直近10年のデータとなります。現役時代は芝・ダート問わず、さらに言えばJRA・地方競馬問わず活躍したスターリングローズ産駒が勝利しています。そのスターリングローズが好成績を残したのは1400〜1800m。距離的にちょうど当てはまっていることから、これも血統の表れでしょうか。
続いてはエアエミネム産駒です。エアエミネムが得意としたのは2000〜2400m。菊花賞にも出走し3着に入着していることから、その血が受け継がれていれば、1700mの距離はおそらく問題なく走り切れる距離でしょう。また、函館や札幌競馬場でも複数回勝利を挙げていることもあり、産駒も小回りは得意なのかもしれません。
3着に入着したのはフジキセキ産駒です。高松宮記念を2連覇したキンシャサノキセキや、マイルCSを制したサダムパテック、ジャパンCダートの2連覇やドバイワールドカップにも出走したカネヒキリなどが代表的な産駒にいるフジキセキ。フジキセキ自身の出走回数は全4戦と少ないですが、例をあげた産駒を見ていただくとわかるように、距離や芝・ダートに関係なく活躍する産駒を輩出しているため、福島芝1700mで馬券に絡んでも不思議ではありません。
福島競馬場芝1700m|騎手別
順位 | 騎手名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 北村 宏司 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 2540.0 | 530.0 |
2 | 田中 勝春 | 0.0 | 100.0 | 100.0 | 0.0 | 250.0 |
3 | 戸崎 圭太 | 0.0 | 0.0 | 100.0 | 0.0 | 150.0 |
4 | 嘉藤 貴行 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 柴田 大知 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 中舘 英二 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 二本柳 壮 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 武士沢 友治 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 松岡 正海 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 吉田 豊 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
北村騎手と田中騎手、戸崎騎手の決着となった当該レース。
直近10年間で1度きりのレースなので一概に上記3名の騎手がこのコースを得意にしているとは言い難いですが、北村騎手はこの年のリーディング8位。田中騎手は21位。戸崎騎手は51位でしたが翌年は5位、翌々年から3連続1位を獲得しています。
福島競馬場芝1700m|調教師別
順位 | 調教師名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 高市 圭二 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 2540.0 | 530.0 |
2 | 笹田 和秀 | 0.0 | 100.0 | 100.0 | 0.0 | 250.0 |
3 | 梅田 智之 | 0.0 | 0.0 | 100.0 | 0.0 | 150.0 |
4 | 相沢 郁 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 粕谷 昌央 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 高橋 義博 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 天間 昭一 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 中野 栄治 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 二本柳 俊一 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 松山 将樹 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
調教師別においても、このコースをどの調教師が得意としているのか判別がつかないため、2012年の調教師勝利数ランキングを紹介します。
高市調教師は163位、笹田調教師は23位、梅田調教師は70位でした。
福島競馬場芝1700mの傾向・データまとめ
ここまで、各項目別に表を使って解説してきました。
改めて各項目別に一言ずつまとめます。
- 直近で行われたレースだと8番人気馬が勝利。三連単は10万円弱の高配当に!
- 枠順は1枠2枠4枠が馬券に絡む結果に。内枠が有利の可能性!
- 脚質は逃げ・先行が有利。これは福島競馬場の多くのコースでも同様!
- 血統は現役時代1400〜1800mで活躍したスターリングローズ産駒が勝利したが、データが少なく傾向とは言えない。
- 騎手は北村騎手、田中騎手、戸崎騎手と経験豊富なジョッキーが馬券に絡んだものの、こちらもデータが少ない。
- 調教師別に関しても材料となるデータが少ないため、傾向とは言えない。
これまで解説してきた内容を改めてまとめてみましたが、何度も言うように直近のデータが少なく、上記が正しいとは言えませんし、傾向としてまとめることが難しい項目もありました。
過去に福島芝1800mの傾向・データをまとめた記事を書いているので、もしかすると参考になるかもしれません。気になる方はぜひ読んでみてください。
福島競馬場芝1800mの特徴と傾向まとめ|攻略法も一挙公開!
【2022年版】福島競馬場芝1700mの攻略法
次からは福島競馬場芝1700mの攻略法を解説していきます。
福島競馬場芝1700m|データから見るココが買い
過去のデータが少ないため、100m延長した福島芝1800mのデータから見る考察を交えながら解説していきます。
この馬が買い
逃げ・先行馬は買い。
血統を見る時は、父の距離適正や、小回りの得意・不得意を注目して馬券を組み立てるのがオススメです。
ちなみに福島芝1800mではゴールドシップ・ディープインパクト・ルーラーシップが好成績を収めています。
この騎手が買い
直近10年で1度しか行われていないコースのため、どの騎手がこのコースを得意にしているかは分かりません。
ですが、当該コースで3着に入着している戸崎騎手は、福島芝1800mにおいて過去3年で一番勝利数を挙げています。
もし今後当該コースでレースが行われ、戸崎騎手が鞍上した場合は、十分に狙える可能性があります。
この調教師が買い
高市調教師、笹田調教師、梅田調教師が馬券に絡む結果になりましたが、参考にできるデータが少なく、調教師全体における得意・不得意を判別し、「この調教師が買い」と言えるような調教師はおりません。
今後このコースを使用したレースが行われた場合は、その馬の脚質や血統を予想のメインとして馬券を買うのが良さそうです。
福島競馬場芝1700m|データから見るココが割引き
ズバリ、脚質が追込の馬は割引です。
ここまで何度も、直近のデータが少なく傾向としてまとめるのが難しいとしてきましたが、唯一この部分だけは自信を持って割引と言えるでしょう。
脚質が差しの馬は、当日の馬場状態や開催時期によって馬券に絡むことはありますが、追込の馬にとっては中々難しい福島競馬場。
それを十分承知しているのは馬主や調教師のはずですので、そもそも追込の馬をこのレースに出走させるかどうかさえなんとも言えませんが…。
データ以外の割引材料を探してみると…
いわゆるゲート難と言われ、スタートが上手ではない馬です。
先ほどのコース概要の部分でも解説したとおり、福島芝1700mのスタート地点は、上り坂の途中にあります。
さらに最初のコーナーまでの距離が短く、スタート直後から激しい位置取り争いが行われます。
と言うことは、「坂道スタートでダッシュが効かない」「レース序盤の位置取り争いに参加できない」ことから、スタートが上手ではない馬にとってこのコースは苦手そのものであると言っても過言ではありません。
スタートが上手な馬、そうではない馬を見つけるのは出走馬1頭1頭のレースを複数観ないとわからないかもしれませんが、「深く競馬を楽しみたい」「予想を少しでも確かなものにしたい」と考えた場合は、ぜひ参考にしてみてください。
福島競馬場芝1700m|データの裏を狙う
裏を狙うほど、データが豊富ではない福島芝1700mのコースですが、1つだけ気になる部分があります。
それは、実は外枠が有利なのではないか?と言うことです。
先ほどの枠順別の傾向・データの部分で、内枠の馬が有利と解説しました。
ですが、100m距離を延長し、福島芝1800mのデータを見てみましょう。
なんと、福島芝1800mは枠順による勝率に大きな差はないものの、複勝率や単勝回収率・複勝回収率において外枠が好成績を収めています。
たった100mの差で、内枠外枠の有利不利が変わるものでしょうか?
福島芝1700mは直近で1度のレース分しかデータがないため、たまたま内枠が来ただけと言われてしまえば否定はできませんが、たった100mの違いで内枠外枠の有利不利が変わるものでしょうか?
これも競馬の面白さの1つということにしておきましょう。
内枠を有利とみるか、はたまた外枠を有利とみるかは、あなた次第です!
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
スバリ、
- 開催前半の内枠に入った逃げ・先行馬は狙える可能性あり!
- 開幕後半の内枠に入った逃げ・先行馬には注意が必要!
- ゴールドシップのように、人気していてもスタートが上手ではない馬は危険!
福島競馬場芝1700mまとめ
ここまで福島競馬場芝1700mについて、コースの概要や平均タイム、人気別や枠順などの項目別データとそれらのデータから考察できる攻略法を解説してきました。
実はこの福島芝1700mは2002年以降、10年かけて年々少しずつ施行回数を減らしており、2012年を最後に現在の2022年まで1度もレースが開催されておりません。
もしかすると、もうこのコースを使用してのレースは行われないかもしれませんが、もし次回福島芝1700mが開催された際はぜひこの記事を参考にしていただければうれしいです。
それでは、良き競馬ライフを!
- 過去10万円弱の高額配当も。人気順にとらわれすぎないに注意
- 内枠を有利とみるか、外枠を有利とみるかはあなた次第
- 逃げ・先行が有利
- 騎手は戸崎騎手がオススメ
- 調教師の得意・不得意は不明。予想の際はその他の材料を探そう
- 開幕前半、内枠の逃げ・先行馬は狙える
- 開幕後半、内枠の逃げ・先行馬は要注意
- 人気していてもスタートが上手ではない馬は要注意
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