- 新潟競馬場芝1800mがどんなコースか分かる!
- 8つの傾向データを紹介
- 新潟競馬場芝1800mで買うべき馬・消すべき馬が分かる!
今回紹介するのは、新潟競馬場芝1800mの特徴と傾向です。新潟芝1800mは重賞の舞台にこそなっていませんが、新馬からオープンまで幅広い条件でレースが行われています。
データを見ると、馬券を的中させるのはかなりの難コースと言える新潟競馬場芝1800m。
コースの特徴や傾向をしっかり分析していきます。
新潟競馬場芝1800mの概要・特徴
新潟競馬場芝1800mのコース概要や特徴は以下の通りです。
コース概要
新潟競馬場芝1800mのスタートは向正面右側の直線入り口で、芝1200mと同じ地点。芝1200mは内回りコースを使用しますが、芝1800mは外回りコースを通ってゴールを目指します。3コーナーまでは748mに及ぶ長い直線。4コーナーにかけては高低差1.6mの緩やかな下り坂で各馬はここで勢いをつけていきますが、スパイラルカーブとなっているため、角度のきつい4コーナー出口での立ち回りも勝負のポイントとなります。
3コーナーのカーブ入口は緩やかな角度だが、出口となる4コーナーはきつく設定されており、コーナーを回るところで馬たちは一旦スピードを落とす必要がある。スピードを落とせなかった馬は外に振られるので馬群がバラけやすくなり、直線で猛スパートをかける差し、追い込み勢にとっては、前を走る馬たちが壁になるリスクが軽減されると言われている。
最後の直線は659m。これは直線の長さで知られる東京競馬場の526mよりも長く、国内の競馬場では最長です。東京のような上り坂はなく平坦ではありますが、この長い直線が消耗戦を呼び、ゴール前のどんでん返しがこれまで何度も演出されています。
レコードタイム
新潟芝1800mのレコードタイムを見てみましょう。
新潟芝1800m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
2歳レコード | 1:46.5 | 牡2 | ワンダフルタウン | 2020年7月25日 |
3歳以上レコード | 1:44.1 | 牡3 | ジュンブロッサム | 2022年7月31日 |
2歳レコードはワンダフルタウンがデビュー2戦目の未勝利戦でマーク。2着に8馬身差をつけての圧勝でした。同馬はその年にGⅢラジオN杯京都2歳Sで重賞を制し、翌2021年にはGⅢ青葉賞を優勝。GIダービーにも出走(10着)しています。
3歳以上のレコードホルダーはジュンブロッサム。3歳時の2022年に、1勝クラスの出雲崎特別で記録しています。その年の春は共同通信杯、アーリントンC(ともにGⅢ)で4着。クラシック出走はかないませんでしたが、自己条件で高い素質を存分にアピールしました。
平均タイムとラップ
次に示すのは新潟競馬場芝1800mの過去5年間の平均タイム。新潟競馬場芝1800mは重賞の舞台になっていませんが、2021年に地震の影響で開催を中止した福島競馬の代替開催でGⅢ福島牝馬Sが行われており、その時のタイムが含まれています。
格 | R数 | タイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 24 | 1:49.7 | 38.1 | 35.1 | 92 |
未勝利 | 58 | 1:48.3 | 36.9 | 35.9 | 97 |
1勝 | 50 | 1:47:7 | 36.8 | 35.1 | 95 |
2勝 | 16 | 1:47:1 | 36.7 | 34.4 | 94 |
3勝 | 6 | 1:46.9 | 36.4 | 34.9 | 96 |
重賞・OP | 4 | 1:45:8 | 36.1 | 34.3 | 95 |
おおむね序盤は緩やかに進み、勝負どころから一気に加速というケースが多そうです。序盤と終盤はひたすら長い直線を走るので、騎手もペース配分は難しく、特に序盤は様子見を決め込むことも多いかもしれません。
この数字からはスローペースによる前残りや、最後の直線でダンゴ状態からの瞬発力勝負、というようなレースのイメージが沸いてきます。
新潟競馬場芝1800mで行われる重賞レース一覧
前述した通り、新潟競馬場芝1800mは重賞の舞台ではありませんが、2021年にGⅢ福島牝馬Sが行われました。これは同年に発生した福島県沖地震の影響で福島競馬が開催中止となり、新潟競馬場で代替開催されたものです。
なお、重賞やリステッド競走ではありませんが、オープン特別の関越ステークスが夏の開催で行われています。
新潟競馬場芝1800mの傾向データ
ここからは新潟競馬場芝1800m過去5年間のデータを紹介します。8項目にわたって分析しているので、馬券の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 32.3 | 53.2 | 63.3 | 70 | 80 |
2 | 20.9 | 37.3 | 52.5 | 87 | 83 |
3 | 11.4 | 28.5 | 41.8 | 68 | 78 |
4 | 11.4 | 24.1 | 36.1 | 101 | 83 |
5 | 7.5 | 18.9 | 28.9 | 94 | 83 |
6 | 4.5 | 10.8 | 19.1 | 66 | 69 |
7 | 4.4 | 7.6 | 13.9 | 81 | 54 |
8 | 3.8 | 8.2 | 14.6 | 91 | 100 |
9 | 2.6 | 4.6 | 12.4 | 114 | 88 |
10~ | 0.3 | 1.6 | 4.0 | 18 | 45 |
1番人気は勝率、連対率、複勝率ともに及第点の数字をマークしています。目立つのは4番人気の活躍。勝率は3番人気と変わらず、単勝回収率も100%を超えています。
ただ、9番人気まで複勝率が10%以上。下位人気も頻繁に馬券にからんでいて、新潟競馬場芝1800mの馬券検討は難易度がかなり高いと言えます。
枠順別
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6.2 | 12.0 | 16.7 | 50 | 51 |
2 | 7.3 | 12.3 | 21.5 | 50 | 68 |
3 | 8.0 | 16.4 | 24.8 | 118 | 72 |
4 | 6.0 | 16.2 | 22.3 | 52 | 67 |
5 | 8.5 | 16.7 | 25.3 | 60 | 77 |
6 | 7.9 | 13.1 | 20.0 | 69 | 67 |
7 | 8.3 | 16.6 | 24.8 | 64 | 80 |
8 | 5.9 | 12.9 | 19.4 | 41 | 57 |
枠順別ではは3、5、7枠の良績が目立つものの、その他と大きな開きがあるわけではありません。
スタートから最初のコーナーまでの距離が短いと、コーナーを回る際の距離ロスを防ぐために、騎手たちは前々に馬を押し出すなど、早めの好位確保に躍起となります。その際はスムーズに先手を取りやすい内枠や、場合によってはゴチャつかずに運べる外枠がプラスとなるケースもありますが、新潟芝1800mはスタートから3コーナーまでの距離は十分あります。
ポジション争いを慌てる必要はないコースではなく、枠順は馬券検討の材料に入れなくてもよいでしょう。
脚質別
脚質 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 11.4 | 24.1 | 30.4 | 219 | 128 |
先行 | 11.8 | 19.2 | 28.5 | 96 | 81 |
差し | 6.3 | 15.2 | 23.4 | 36 | 70 |
追込 | 3.6 | 7.5 | 12.3 | 27 | 38 |
単勝・複勝回収率ともに逃げ、先行の成績がいいです。勝率で先行が上回っているのは、新潟競馬場芝1800mはワンターンで2度にわたって長い直線があり、逃げ馬にとっては道中で息が入れずらくなる分、逃げ馬の様子を見ながら動き出せる先行馬に展開が向きやすくなのでしょう。
それでも逃げ馬の単勝回収率200%超えは魅力があるので狙う価値は十分。差し馬も勝率こそ物足りないですが、馬券にはからんできています。後方待機組は連下なら、という評価になりますね。軸としては厳しそうです。
種牡馬別
種牡馬 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
リアルインパクト | 20.0 | 20.0 | 20.0 | 108 | 44 |
モーリス | 18.8 | 21.9 | 28.1 | 141 | 76 |
ディープインパクト | 16.1 | 25.0 | 34.4 | 99 | 84 |
キズナ | 15.6 | 26.7 | 31.1 | 75 | 71 |
ロードカナロア | 11.1 | 25.0 | 31.9 | 130 | 80 |
エピファネイア | 11.1 | 13.9 | 25.0 | 43 | 58 |
オルフェーヴル | 10.4 | 14.9 | 20.9 | 36 | 103 |
キングカメハメハ | 9.7 | 19.4 | 25.8 | 43 | 56 |
ハーツクライ | 8.6 | 18.6 | 32.1 | 37 | 82 |
ドゥラメンテ | 7.7 | 21.2 | 38.5 | 43 | 117 |
成績が突出している種牡馬は不在でしたが、リアルインパクト産駒が勝率2割をマークしています。
リアルインパクトは現役時代にGI安田記念を制覇。産駒もGIのNHKマイルカップを制したラウダシオンがいるので、マイルでこそのイメージもありますが、平坦なら1800mも全く問題はないのでしょう。人気種牡馬ディープインパクトの成績も優秀です。
父系統別
系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ロベルト系 | 8.2 | 13.1 | 20.8 | 101 | 83 |
サンデーサイレンス系 | 8.1 | 16.1 | 23.9 | 80 | 81 |
ミスタープロスペクター系 | 6.8 | 16.1 | 22.7 | 69 | 81 |
勝率が最も良いのはロベルト系です。パワー、スタミナのイメージが強く、平坦の芝1800mという条件でスピード色の濃い系統よりも成績が上回っているのは意外な気もします。新潟の芝1800mは想像よりもタフさを要求される舞台なのかもしれません。
騎手別
騎手名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
C.ルメール | 54.5 | 63.6 | 72.7 | 114 | 102 |
川田将雅 | 30.0 | 55.0 | 60.0 | 73 | 81 |
M.デムーロ | 23.1 | 33.3 | 51.3 | 68 | 108 |
松本大輝 | 16.7 | 16.7 | 16.7 | 122 | 31 |
吉田隼人 | 16.1 | 25.8 | 35.5 | 96 | 63 |
団野大成 | 15.8 | 15.8 | 21.1 | 358 | 115 |
北村宏司 | 15.4 | 15.4 | 19.2 | 66 | 34 |
戸崎圭太 | 12.7 | 41.8 | 41.8 | 54 | 68 |
菅原明良 | 12.3 | 15.8 | 28.1 | 127 | 105 |
三浦皇成 | 12.0 | 26.0 | 30.0 | 245 | 72 |
ルメール騎手の勝率が5割を超えています。ルメール騎手はいわゆる裏開催の新潟に顔を出すことはあまりなく、夏競馬の時期も北海道を主戦場にしたり、母国のフランスに帰ったりしています。だからこそ、名手が新潟に参戦するのは騎乗馬にそれなりの自信があると見るのが当然で、数字もそれを証明しています。
回収率も満足のいく数字で、ルメール騎手の新潟競馬場芝1800m登場は迷わず追い続けていいかもしれません。
調教師別
調教師名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
安田翔伍 | 29.4 | 35.3 | 47.1 | 178 | 118 |
矢作芳人 | 28.0 | 28.0 | 36.0 | 274 | 89 |
木村哲也 | 27.3 | 31.8 | 50.0 | 137 | 110 |
中内田充正 | 26.7 | 33.3 | 40.0 | 105 | 68 |
杉山晴紀 | 23.1 | 23.1 | 23.1 | 110 | 38 |
宮田敬介 | 20.0 | 30.0 | 45.0 | 103 | 94 |
国枝栄 | 19.4 | 29.0 | 45.2 | 37 | 62 |
堀宣行 | 19.4 | 25.8 | 38.7 | 133 | 105 |
小島茂之 | 15.8 | 42.1 | 52.6 | 70 | 116 |
上原博之 | 15.4 | 19.2 | 19.2 | 124 | 39 |
安田翔伍調教師の勝率がほぼ3割。2020年から2022年にかけて5勝していますが、同じ馬が複数勝っているのではなく、全て違う馬で勝っていて芝1800mを勝ち上がるノウハウを持っているのかもしれません。
とにかく安田翔伍調教師の管理馬を見かけたら要マークです。
厩舎別
厩舎 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
栗東 | 9.5 | 18.1 | 25.3 | 70 | 64 |
美浦 | 6.1 | 12.8 | 20.2 | 58 | 70 |
勝率、連対率、複勝ともに、栗東組が美浦組をリードしています。調教師別でも栗東組が上位に顔を並べており、新潟競馬場芝1800mは西高東低のムードです。
新潟競馬場芝1800mの傾向・データまとめ
ここまでデータを使って新潟競馬場芝1800mの傾向を紹介してきました。
特に重要だと感じたポイントは以下の通りです。
- 上位人気の成績はいいが、9番人気まで目が離せない
- 逃げ、先行が有利。勝率がいいのは先行馬
- 追い込み勢は苦戦。連下なら
- 父系統ではロベルト系
- ルメール騎手の参戦は追いかける価値あり
- 安田翔伍調教師の管理馬が成績優秀
- 栗東組が美浦組をリード
新潟競馬場芝1800mの攻略方法
ここからは新潟競馬場芝1800mの傾向とデータを深堀りし、買うべき馬、割り引きが必要な馬のタイプを紹介していきます。
データから見るここが買い
ルメール騎手の参戦は積極的に買い
9番人気まで食い込みが現実的な新潟芝1800m。データ的にも難解さ浮き彫りとなる中で最も信頼できそうなのはルメール騎手です。過去5年間の新潟芝1800m勝率は5割超え。新潟全体では勝率が27%なので、芝1800mとの相性の良さもうかがえます。
回収率も良く、黙って追い続ければプラスとなる計算。新潟参戦自体が少ない騎手ですが、芝1800mの登場があれば迷わず軸でいいのではないでしょうか。
データから見るここが割引
完全消去は難しいが…追い込み馬は割引
データ的に消せるタイプもなかなか見当たりませんが、追い込み馬はマークを外しても問題ないような気がします。複勝率が10%以上なのは気になりますが、勝率が3%ということもあり、後方待機組は届かないと考えてもいいでしょう。
データの裏を狙う
先行タイプより逃げ馬狙いがおトク
脚質別で最も成績がいいのは先行タイプですが、人気になるケースも多いようで単勝回収率も96%と配当的な魅力は感じません。
それに対して、逃げ馬の単勝回収率は219%もあります。人気は先行勢に譲りながらも激走を見せるケースが多いようで、追い続けると投資は倍以上になる計算です。
勝率は確かに先行勢より劣っていますが、大きな差ではありません。長い直線を2回走る新潟競馬場芝1800m。逃げ切るのは至難の業で、だからこそ逃げ馬よりも先行勢が支持されるのかもしれませんが、配当的には逃げ馬を重視した方が断然おトクになりそうです。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
毎年、夏競馬が行われる新潟競馬場。競馬の世界では「夏は牝馬」という格言のような言い伝えがあります。牡、牝が同じレースに出走すると概して牡の方が優勢ですが、夏競馬では牝馬が互角もしくはそれ以上の輝く走りを見せることが多くなるのを表したものです。
JRA過去5年のデータを見ると、牝馬限定戦をのぞいた牝馬の勝率は27%ですが、新潟の夏競馬時期の芝1800mのデータを拾うと牝馬の勝率は40%あります。データの裏付けもある「夏は牝馬」。新潟の夏開催は積極的に狙っていいでしょう。
新潟競馬場芝1800mまとめ
新潟競馬場芝1800mの攻略ポイントのまとめは以下の通りです。
- 1番人気の成績はまずまずだが、手広く狙わなければ的中は難しい
- 先行馬有利も配当的には逃げ馬を追うのがおススメ 1枠は好走歴多し
- 追い込み勢は連下でマークも基本的には切り捨てたい
- ルメール騎手の参戦は積極的に買い
- 安田翔伍調教師の管理馬は要マーク
- 関東馬よりも関西馬を重視
- 夏開催の時期は牝馬を割り引かない
この記事が馬券検討の材料になればうれしいです。
それでは、よき競馬ライフを!
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