新潟競馬場で施行される番組の中で最長距離の芝2400mコースの特徴を解説していきます。
主に下級クラスで使用されるコースではありますが、みなさんの馬券のお供になれば嬉しいです。
今回は、2018年から2022年の過去5年間のデータを用いています。ぜひ予想の参考にしてみてください!
新潟競馬場芝2400mの概要・特徴
2018年から2022年の過去5年間での、新潟芝2400mの施行状況はこのようになります。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|
6レース | 6レース | 6レース | 9レース | 5レース |
施行されたクラスは、3歳未勝利と1勝クラスに加えて、1回のみ2勝クラスが行われました。
コース概要
新潟芝2400mは、外回りコース奥の4コーナーポケットからのスタートとなります。コースは、内回りコースを使用します。
スタートしてから1コーナーまで直線距離が約836mと長いものの、最後の直線は約358mと新潟芝長距離のコースとしては短いのが、大きな特徴です。
内回りを使用するコースの形態上、3~4コーナーはスパイラルカーブで緩やかな下り坂を利用する差しやマクリが決まりやすいです。
スパイラルカーブとは?
コーナーの入り口から出口にかけて半径が短くなるコーナーのこと。
とはいえ、後方一気の差し切りは内回りコースを使用していることもあり、余程の力差がない限り厳しいです。
現在、組まれている番組の中では、この芝2400mが新潟競馬場では最長距離となります。
レコードタイム
新潟芝2400m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
3歳以上レコード | 2:24.4 | 牡3 | レイオブウォーター | 2021年7月24日 |
新潟芝2400mは2歳限定競走では使用されず、3歳以上のレースでのみ行われています。
2021年7月24日に3歳でレースレコードを塗り替えたレイオブウォーターは、当時の従来コースレコードを0秒2を更新する快走でした。芝の生育状況が良い夏の新潟開催が、特にレコードタイムが出やすいコース状況になりやすいです。
平均タイムとラップタイム
クラス | タイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|
未勝利 | 2:29.5 | 37.8 | 37.2 | 98 |
1勝 | 2:27.6 | 37.4 | 36.3 | 97 |
2勝 | 2:34.8 | 38.6 | 41.6 | 108 |
新潟芝2400mの前後半のラップを見比べると、後半の方が早いラップが刻まれています。そのことからも、新潟芝2400mは、瞬発力が求められるコースといえます。
新潟競馬場の中で最も距離が長いコースですので、スタミナも兼ね備えている必要もあります。スピードとスタミナともに必要な競走馬の総合力が問われるレースといえるでしょう。
新潟競馬場芝2400mで行われる重賞レース一覧
新潟芝2400mで重賞レースは行われません。
2018年~2022年の過去5年間では、未勝利、1勝クラス、2勝クラスのレースしか行われていません。
新潟競馬場芝2400mの傾向データ
ここからは、各項目別に新潟競馬場・芝2400mの傾向データをまとめました。
「コースを制する者が馬券を制する」といった格言があるように、予想する上で非常に重要なファクターのコースのデータについて知ってもらえたらと思います。ぜひ参考にしてみてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 28.1 | 56.2 | 78.1 | 70 | 98 |
2 | 25.0 | 34.4 | 46.9 | 108 | 78 |
3 | 15.6 | 21.9 | 40.6 | 94 | 86 |
4 | 3.1 | 18.8 | 28.1 | 24 | 69 |
5 | 3.1 | 9.4 | 9.4 | 29 | 20 |
6 | 3.1 | 6.2 | 12.5 | 44 | 30 |
7 | 6.2 | 15.6 | 25.0 | 129 | 106 |
8 | 6.2 | 9.4 | 12.5 | 169 | 79 |
9 | 6.7 | 13.3 | 20.0 | 253 | 148 |
10~ | 0.8 | 3.9 | 7.0 | 57 | 94 |
1番人気~3番人気の各種成績がずば抜けて高い値を示しています。広々とした直線の長いコースだけに力差が直結しやすいといえるでしょう。
人気別からの推奨としては、軸は3番人気までの人気上位馬から選び、相手を穴馬にするべきです。
枠順別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2.5 | 7.5 | 17.5 | 32 | 74 |
2 | 7.0 | 14.0 | 20.9 | 85 | 93 |
3 | 13.3 | 26.7 | 35.6 | 104 | 95 |
4 | 10.2 | 16.3 | 24.5 | 92 | 78 |
5 | 7.8 | 9.8 | 25.5 | 90 | 90 |
6 | 7.0 | 14.0 | 17.5 | 79 | 55 |
7 | 6.2 | 21.9 | 29.7 | 48 | 83 |
8 | 7.6 | 12.1 | 15.2 | 105 | 76 |
3枠が勝率、連対率、複勝率ともに最も好成績です。逆に1枠が成績としては、あまり良くありません。単勝回収率32%、複勝回収率74%が示すように人気を裏切る結果となっています。
スタートしてから直線が長く、外枠の馬たちが内へ内へと進路を取りにくることが想像され、内側の馬たちに取っては、窮屈な競馬になりやすいのでしょう。内と外をともに見ながら競馬ができる中枠発走、特に3枠発走がメリットになるコースといえそうです。
脚質別
脚質 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 0.0 | 10.0 | 10.0 | 0 | 38 |
先行 | 8.5 | 21.3 | 31.9 | 58 | 80 |
差し | 20.8 | 29.2 | 54.2 | 81 | 93 |
追込 | 0.0 | 25.0 | 25.0 | 0 | 44 |
逃げ馬の成績が著しく悪いことが分かります。また、追い込み脚質の馬も勝ち切れていないことから相手までが無難の判断となりそうです。
以上のことから、新潟芝2400mにおいては、先行馬か差し馬を狙うのがセオリーでしょう。
血統別
血統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 13.5 | 24.3 | 35.1 | 88 | 98 |
ルーラーシップ | 16.1 | 22.6 | 38.7 | 144 | 118 |
ハーツクライ | 10.7 | 21.4 | 25.0 | 81 | 63 |
ハービンジャー | 8.0 | 12.0 | 32.0 | 63 | 109 |
ゴールドシップ | 9.5 | 19.0 | 19.0 | 125 | 67 |
キングカメハメハ | 11.8 | 11.8 | 11.8 | 115 | 33 |
オルフェーヴル | 15.4 | 15.4 | 23.1 | 129 | 80 |
エピファネイア | 28.6 | 28.6 | 42.9 | 159 | 95 |
ブラックタイド | 8.3 | 8.3 | 16.7 | 162 | 109 |
ステイゴールド | 9.1 | 9.1 | 27.3 | 80 | 69 |
ルーラーシップ産駒の単複回収率が驚異的な数字となっています。ルーラーシップ産駒だけを無条件に買い続けていてもプラスになっている計算です。
血統のデータからは、新潟芝2400mにルーラーシップ産駒が出走していたら、迷いなく買いであることが分かります。その他、ディープインパクト産駒は安定の好成績です。エピファネイアやブラックタイド産駒の回収率も良いことから、人気以上に走っていることが伺えます。
父系統別
系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
サンデーサイレンス系 | 8.3 | 16.2 | 22.3 | 83 | 77 |
ノーザンダンサー系 | 5.9 | 13.7 | 29.4 | 58 | 105 |
ミスタープロスペクター系 | 7.6 | 15.2 | 25.0 | 81 | 83 |
ロベルト系 | 9.5 | 9.5 | 14.3 | 96 | 57 |
ナスルーラ系 | 0.0 | 18.8 | 18.8 | 0 | 70 |
ヘイロー系 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0 | 0 |
エクリプス系 | 20.0 | 20.0 | 20.0 | 302 | 56 |
単復の回収率で唯一100%を超えているのが、ノーザンダンサー系です。
他の父系統よりも複勝率が高いことから、勝ち切るというよりは、馬券に絡みやすく、人気以上に走っていることが分かります。逆にマイナスデータとしては、ヘイロー系は馬券に絡んだことがないことは頭に入れておいた方が良さそうです。
騎手別
騎手名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
丸山元気 | 27.5 | 45.5 | 45.5 | 156 | 101 |
戸崎圭太 | 27.3 | 27.3 | 36.4 | 104 | 64 |
西村淳也 | 42.9 | 42.9 | 42.9 | 326 | 119 |
吉田隼人 | 20.0 | 40.0 | 40.0 | 122 | 94 |
藤田菜七子 | 20.0 | 30.0 | 30.0 | 304 | 127 |
勝浦正樹 | 25.0 | 37.5 | 37.5 | 367 | 110 |
石橋脩 | 28.6 | 42.9 | 42.9 | 247 | 113 |
田辺裕信 | 40.0 | 40.0 | 40.0 | 149 | 87 |
坂井瑠星 | 50.0 | 75.0 | 75.0 | 361 | 171 |
2勝以上挙げている騎手に限定してデータをまとめてみました。
丸山元気騎手をはじめ、西村淳也騎手、藤田菜七子騎手、勝浦正樹騎手、石橋脩騎手、坂井瑠星騎手が単勝、複勝ともに回収率が100%を超えています。
騎乗数は少ないものの、坂井瑠星騎手が4レース騎乗で2勝、3着1回と素晴らしい成績を挙げています。
調教師別
調教師名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
久保田 貴士 | 50.0 | 50.0 | 50.0 | 185 | 89 |
吉岡 辰弥 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 802 | 225 |
寺島 良 | 11.1 | 22.2 | 44.4 | 134 | 126 |
音無 秀孝 | 12.5 | 12.5 | 25.0 | 131 | 69 |
高木 登 | 28.6 | 28.9 | 42.9 | 155 | 120 |
堀 宣行 | 16.7 | 16.7 | 16.7 | 162 | 61 |
国枝 栄 | 20.0 | 20.0 | 40.0 | 86 | 91 |
黒岩 陽一 | 20.0 | 20.0 | 40.0 | 72 | 55 |
根本 康広 | 20.0 | 20.0 | 20.0 | 210 | 79 |
清水 英克 | 20.0 | 20.0 | 60.0 | 247 | 138 |
2戦2勝、吉岡辰弥調教師の相性の良さが際立っています。新潟芝2400mにおいては、吉岡辰弥調教師の馬が出走していたら買いです。
その他、寺島良調教師、高木登調教師、清水英克調教師あたりが有力な相性の良い調教師と推測されます。
厩舎別
厩舎名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 6.5 | 13.8 | 20.4 | 74 | 77 |
栗東 | 9.7 | 18.1 | 27.7 | 85 | 85 |
明らかに栗東組の成績が優勢です。
馬券購入する際に悩んだのなら、栗東に所属している馬の方が好走する可能性が高い事を覚えておいて判断材料の一つにすると良いはずです。
新潟競馬場芝2400mの傾向・データまとめ
ここまで各項目別に新潟競馬場芝2400mのデータを使用し、解説を行ってきました。
各項目別のデータを基に簡単にまとめました。
- レコードタイムはレイオブウォーター(牡3)の2:24.4
- 新潟芝2400mでは、重賞レースは行われない。下級レースのみ
- 1番人気、2番人気、3番人気の勝率、連対率、複勝率が優秀
- 中枠発走が吉。特に3枠が好成績
- 先行馬、差し馬が台頭しやすいレース
- ルーラーシップ産駒の活躍が目立つ
- ヘイロー系は人気を裏切るケースが見られる
- 丸山元気騎手、西村淳也騎手、藤田菜七子騎手、勝浦正樹騎手、石橋脩騎手、坂井瑠星騎手が単複の回収率が100%超え
- 一押しは吉岡辰弥調教師。同コースは2戦2勝
- 全体的に栗東の調教師の成績が優勢
新潟競馬場芝2400m|の攻略方法
これまでのデータをもとにして新潟芝2400mの攻略方法をご紹介します。
馬、騎手、調教師など具体的に推奨していきます。
データから見るここが買い
ここではデータから新潟芝2400mで狙いたい馬を各々の条件別に紹介します。
この馬が買い
新潟芝2400mで最も安定した成績をあげているのが、ルーラー シップ産駒です。出走頭数はディープインパクト産駒に次ぐ、31回と多いにも関わらず、単勝回収率144%、複勝回収率118%といずれも100%超えを達成しています。長い距離もこなす産駒が多いだけに、新潟芝2400mとの相性が良いのでしょう。
また、ルーラーシップ産駒は新潟コースが全体でも得意な傾向があり、2400mだけに限らず芝の新潟コースの成績が良好です。
その他、出走頭数7頭で2勝のエピファネイア産駒やルーラーシップ産駒と並ぶ5勝をマークしているディープインパクト産駒も狙いとしては面白そうです。
脚質別の成績では、先行馬と差し馬の台頭が目立つレースです。両極端である、逃げ馬や追い込み馬の成績は奮いません。過去のデータからは、逃げ馬や追い込み馬に関しては、相手までの評価が良さそうです。
スタートしてから逃げ馬を見る位置で器用に立ち回れる馬が新潟芝2400mでは注目すべきでしょう。
この騎手が買い
まず総合的に関東騎手の方が全体的として好成績をあげています。
新潟芝2400mは、施行レースが少ないだけに、乗り慣れている関東騎手の方が成績が良いのでしょう。その中でも、特に丸山元気騎手の活躍が目立ちます。最も勝鞍をあげている騎手です。単複でともに100%を超えていることからも、騎乗している馬の人気よりも着順を上に持ってきていることが分かりますね。
同じ美浦所属の騎手の中では、藤田菜七子騎手、勝浦正樹騎手、石橋脩騎手が回収率としては買いです。
また、関西騎手でも西村淳也騎手や坂井瑠星騎手の若手騎手が好成績をあげています。若手騎手だけにローカル競馬場の新潟での騎乗に慣れていることも要因としてあるのでしょう。
この調教師が買い
新潟芝2400mでは、2戦2勝の吉岡辰弥調教師を推奨します。吉岡辰弥調教師は、新潟競馬場での成績が最も際立っており、得意としている競馬場といえます。また、人気上位馬を堅実に走らせる傾向が強いです。新潟芝2400mの出走馬をみて、吉岡辰弥調教師の馬が出走していた際は、ぜひ買い目に加えてみてください。
調教師の全体的な傾向として、栗東所属の調教師の方が成績が良いです。騎手と調教師の組み合わせとしては、「美浦所属の騎手×栗東馬」の組み合わせが良さそうです。
データから見るここが割引
1枠の成績だけが枠順別成績の中で抜けて良くありません。スタートしてから最初の1コーナーまで800mを超える長い直線だけに、1枠の馬はどうしても外枠からのプレッシャーをうけて内へ内へと窮屈な競馬になってしまうのでしょう。
また、ダートから芝替わりで臨む馬の成績も奮っていません。出走頭数60頭中、勝鞍をあげているのが0頭という成績です。瞬発力が問われるレースになることが多いので、前走芝のレースを使われていた馬を主軸に据えるべきです。
データの裏を狙う
極端な穴狙いは厳しいレースと考えるべきでしょう。1番人気~3番人気の馬が順当に好成績をあげているレースです。
裏を返せば、4番人気以降の人気薄の馬たちが力を発揮しにくいレースともいえます。広々とした競馬場だけに力の紛れが起こりにくいレースになることが多いです。
軸は人気上位馬、相手に人気薄を絡めるが、新潟芝2400mでの馬券購入する際の基本として考えておきましょう。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
新潟芝2400mは、開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬が変わります。
- 狙える穴馬は、中枠発走から逃げ馬を見ながら器用に立ち回れる先行馬。もしくは差し馬。
- 危険な人気馬は、ハーツクライ産駒に代表されるスタミナが豊富な馬。コース形態上、瞬発力は必須のレース。夏の新潟開催は、芝の生育が良くより瞬発力が必要
ただいま紹介した穴馬や危険な人気馬に注意しながら馬券購入をお楽しみください。
新潟競馬場芝2400mまとめ
ここまで新潟芝2400mについて、コースの概要や平均タイム、人気別や枠順などの項目別データを解説してきました。
- 新潟競馬場芝2400mは下級条件のみ行われる
- スピードとスタミナが問われる総合力のレース
- 軸は3番人気までの人気上位馬から選ぶが吉
- 3枠発走の成績が優秀だが、1枠の成績がずば抜けて良くない。
- 先行馬か差し馬を狙う
- ルーラーシップ産駒は迷いなく買い
- ヘイロー系は馬券に絡んだことがないこと
- 丸山元気騎手の活躍が目立つ
- 吉岡辰弥調教師の馬が2戦2勝
- 栗東組の成績が優勢
- 1枠の成績だけが枠順別成績の中で抜けて良くない
- ダートから芝替わりの馬は好走しにくい
この記事が馬券購入のよきお供になれば幸いです。
それでは、よき競馬ライフを!
コメント