今回紹介するのは、GⅢレースこそ開催されているものの、GⅠやGⅡの開催はまだ無い中京競馬場芝1400mのコースです。
中京競馬場は急こう配の坂が特徴の競馬場で、その坂を1400mという短い距離で熱いレースが繰り広げられるのもまた、このコースの特徴です。
そんな中京競馬場芝1400mの概要や特徴、過去のデータから紐解かれる真実、実際に馬券を購入する際にこのコースで通用する攻略法などの情報を惜しまず紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
中京競馬場 芝1400mの概要・特徴
中京競馬場の芝1400mは、GⅢレースの開催こそあるものの、GⅠやGⅡレースの開催はありません。
普段は平場の条件戦がメインで組まれます。
スタートから最初のコーナーまで距離があり、しかも登り坂となっています。
スタート直後のポジション争いは非常に見ごたえのあるコースで、スピードだけでどうにかなるものでもないのが非常に面白く、奥深いものとなっています。
コース概要と特徴
スタート地点は向こう正面の第2コーナー近くで、スタート直後は登り坂が続きます。
そこから緩い下り坂になり、第3コーナーから第4コーナーへかけて下り坂は続き、スパイラルカーブとなっており、外の方がよりスピードに乗りやすいという特徴があります。
コーナーの入り口から出口にかけて半径が短くなるコーナーのこと。
ゴール手前340m付近から100mほど急な登り坂となっており、その勾配はなんと2.0%です。この2.0%の勾配は、中山競馬場の2.2%に次ぐ急勾配となっています。
急な登り坂を抜けると残り240mは平たんな直線となり、最後の直線距離はAコースBコース共に412.5mです。
中京競馬場の芝1400mは前有利となるコースです。
たまに長い直線を一気にかけ上げる馬もおり荒れるレースの一因となりますが、基本的には逃げ・先行馬が有利なので、馬券予想を立てるときは気をつけてください。
レコードタイム
中京競馬場は前述した通り、急こう配の登り坂がゴール直前にあるため、どうしても他の競馬場の芝1400mと比べるとタイムは見劣りします。
しかし前半は緩い下り坂でスローペースにはなりにくく、最後の登り坂はスピードだけで押し切れるものでもないので、非常に見ごたえのあるレースが展開されます。
中京競馬場 芝1400m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
2歳レコード | 1:20:9 | 牝2 | ヤマニンルリュール | 2020年12月6日 |
3歳以上レコード | 1:19:2 | 牡5 | クリノガウディー | 2021年5月30日 |
平均タイムとラップタイム
芝1200mと似たような傾向の前傾ラップです。
中京競馬場 芝1400m | 前半3F | 後半3F | タイム |
---|---|---|---|
2歳新馬 | 35.5 | 35.6 | 1.23.4 |
2歳未勝利 | 35.3 | 36.0 | 1.22.9 |
3歳未勝利 | 34.7 | 36.0 | 1.22.8 |
古馬 500万 | 34.6 | 35.4 | 1.21.9 |
古馬 1000万 | 34.5 | 35.3 | 1.21.6 |
古馬 1600万 | 34.1 | 35.2 | 1.20.8 |
古馬 OP | - | - | - |
中京競馬場 芝1400mで開催されている重賞レース一覧
中京競馬場 芝1400mで開催されている重賞レースは以下の通りで、2022年現在ではGⅢレース1つだけです。
重賞レース名 | グレード | 開催時期 |
---|---|---|
ファルコンステークス | GⅢ | 3月 |
中京競馬場 芝1400mの傾向データ
ここからは中京競馬場芝1400mの、人気別順枠順や脚質、血統、騎手、調教師別などの傾向・データを紹介していきます。
人気順別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 31.1 | 47.0 | 58.9 | 81 | 81 |
2 | 23.8 | 40.4 | 53.0 | 101 | 90 |
3 | 9.9 | 21.9 | 37.1 | 66 | 51 |
4 | 13.2 | 22.5 | 31.8 | 116 | 73 |
5 | 6.0 | 16.6 | 29.1 | 65 | 86 |
6 | 3.3 | 10.6 | 21.9 | 47 | 77 |
7 | 3.3 | 8.7 | 16.0 | 70 | 66 |
8 | 2.7 | 9.3 | 16.7 | 51 | 86 |
9 | 0.7 | 8.9 | 13.7 | 12 | 80 |
10〜 | 2.1 | 2.8 | 4.9 | 68 | 41 |
やはり人気馬はかなりの確率で連対しています。この傾向は芝1200mよりも顕著です。
ただし、強いのは2番人気までで3番人気・4番人気になると少し連対率が落ちるため、軸馬とするなら1番人気と2番人気までにしておいた方が無難です。
それでも極端な数値ではないため、手堅くいくより人気薄を狙う場合は、馬場の状態が悪いよりも良馬場の方が荒れる傾向にあり、資金に余裕があれば良馬場時の人気薄を狙ってみるのも面白いでしょう。
枠順別
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9.9 | 15.2 | 23.4 | 107.9 | 72.3 |
2 | 6.1 | 15.0 | 22.8 | 70.4 | 88.8 |
3 | 12.8 | 18.6 | 25.0 | 99.3 | 62.1 |
4 | 8.0 | 15.6 | 23.6 | 65.3 | 74.7 |
5 | 5.3 | 14.9 | 22.6 | 40.0 | 78.2 |
6 | 4.7 | 10.8 | 17.4 | 68.5 | 72.9 |
7 | 6.1 | 12.3 | 15.7 | 28.2 | 40.8 |
8 | 3.3 | 8.5 | 16.2 | 78.1 | 61.3 |
芝1200mと同様、全体的に内枠有利ではありますが、1200mほどの有利は見当たりません。
しかし1200mが特に内枠が強いため、結果的に1枠~3枠あたりに人気が集中してしまい、人気ほどの好走を見せないこともしばしば。『内枠だから』という理由だけで過度の期待は禁物です。
逆に人気より好走しやすいのが4枠、5枠です。
内枠に人気馬が集中した場合、4枠5枠あたりに目を付け、好走する展開を期待したいところですね。
脚質別
脚質 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 17.5 | 29.8 | 39.5 | 176.3 | 132.4 |
先行 | 10.0 | 19.7 | 30.1 | 106.1 | 84.6 |
差し | 7.8 | 15.0 | 21.7 | 76.0 | 78.3 |
追込 | 0.6 | 3.1 | 6.8 | 2.9 | 25.8 |
データ上は「逃げ」馬有利ですが、ゴール前にある急こう配の登り坂は、クラスが上になるほど影響が大きく、必ずしも逃げ馬が有利とはなりません。
反対に、「差し」馬は平場の条件戦でこそ、そこまで良い成績を残せていませんが、クラスが上がると連対率は上がっていきます。
これには理由があり、スタート直後から下り坂が続き、スローペースには非常になりにくいため、最後は坂に強い差し馬が差し切るという展開になりやすいからです。
大きなレースでは「差し」馬を、小さなレースでは「逃げ」馬を中心に馬券を予想すると良いかもしれません。
血統別
種牡馬 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ロードカナロア | 8.8 | 19.3 | 22.8 | 92 | 68.3 |
キズナ | 13.1 | 19.7 | 29.5 | 108.7 | 80.2 |
オルフェーヴル | 24.2 | 30.3 | 36.4 | 167.6 | 76.1 |
ディープインパクト | 6.3 | 12.5 | 25.0 | 36.0 | 77.9 |
ダイワメジャー | 5.7 | 15.9 | 27.3 | 24.2 | 66.7 |
ハーツクライ | 8.7 | 13.0 | 21.7 | 115.9 | 95.2 |
エイシンフラッシュ | 9.7 | 16.1 | 22.6 | 159.7 | 90.0 |
ハービンジャー | 6.3 | 10.4 | 14.6 | 118.1 | 53.3 |
ノヴェリスト | 12.0 | 16.0 | 40.0 | 52.0 | 109.2 |
キンシャサノキセキ | 8.3 | 8.3 | 25.0 | 25.0 | 79.2 |
血統別で見た場合、勝利数こそトップのロードカナロア産駒ですが、オルフェーヴル産駒は勝率、連対率、複勝率全てが別格です。
ロードカナロア産駒は牡馬より牝馬の方が成績が良く、ロードカナロア産駒を狙う場合は牝馬に注目しましょう。
あと見逃せないのがノヴェリスト産駒の好走率です。連対率こそそこまで高くありませんが、複勝率は驚異の40%です。3連単・3連複を狙う場合は予想から外せません。
騎手別
騎手名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
福永 祐一 | 20.8 | 41.7 | 56.3 | 63.1 | 91.7 |
吉田 隼人 | 15.1 | 24.5 | 30.2 | 124.3 | 144.3 |
岩田 望来 | 11.8 | 27.5 | 29.4 | 180.2 | 95.9 |
川田 将雅 | 18.2 | 36.4 | 42.4 | 55.8 | 67.6 |
藤岡 康太 | 8.8 | 15.8 | 31.6 | 187.5 | 119.3 |
坂井 瑠星 | 20.0 | 28.0 | 32.0 | 132.4 | 74.4 |
武 豊 | 14.3 | 28.6 | 42.9 | 66.1 | 93.2 |
松山 弘平 | 9.5 | 19.0 | 21.4 | 58.3 | 42.1 |
幸 英明 | 8.9 | 15.6 | 26.7 | 118.9 | 82.7 |
M.デムーロ | 23.5 | 29.4 | 47.1 | 110.0 | 76.5 |
中京競馬場芝1400mの馬券を騎手から予想する場合、福永祐一騎手と川田将雅騎手はまず外せません。特に福永騎手は勝率・連対率が非常に高いために人気も比例して高く、単勝回収率はかなり低い数値となっています。
次いでM.デムーロ騎手でしょうか。
ただ、単勝・複勝だとどうしても人気が集中して配当が低くなる傾向があり、ここはあえて意外性のある坂井瑠星騎手をおススメします。
反対に吉田隼人騎手は勝率こそ高めですが、連対率はあまり高くなく、3連単などで大きく狙う時は要注意です。
調教師別
調教師名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
藤岡 健一 | 23.1 | 38.5 | 46.2 | 337.7 | 132.7 |
清水 久詞 | 15.0 | 22.5 | 32.5 | 190.8 | 109.3 |
矢作 芳人 | 21.4 | 28.6 | 28.6 | 165.0 | 80.0 |
須貝 尚介 | 14.3 | 28.6 | 37.1 | 54.6 | 86.6 |
安田 隆行 | 16.7 | 30.0 | 43.3 | 53.0 | 64.7 |
池添 学 | 26.7 | 26.7 | 46.7 | 81.3 | 100.7 |
武 幸四郎 | 17.6 | 35.3 | 35.3 | 301.8 | 120.0 |
斉藤 崇史 | 13.0 | 26.1 | 26.1 | 149.1 | 85.7 |
西村 真幸 | 17.6 | 29.4 | 29.4 | 204.1 | 80.0 |
吉村 圭司 | 12.5 | 31.3 | 43.8 | 127.5 | 71.9 |
中京競馬場芝1400mを調教師別の傾向で見た場合、1200mと同じく大きな差は見当たりません。
それでも見逃せない調教師は居ます。それが藤岡調教師です。こちらは連対率はもちろん、複勝率や単勝回収率、複勝回収率でも非常に良い数値を残しています。連対率が高い武調教師も見過ごせません。
迷った場合はこの調教師にも注目して馬券の予想を立ててみましょう。
中京競馬場 芝1400mの傾向・データまとめ
ここまで、各項目別に表を使って解説してきました。
改めて各項目別に一言ずつまとめます。
- 人気順はある程度信用できる。しかし軸馬として確実に行くなら2番人気まで。3番人気、4番人気は少し連対率が落ちるため要注意!
- 枠順は内枠に注目!だが『内枠だから』だけで過度の期待は禁物!
- 脚質は大きなレースでは「差し」、小さなレースでは「逃げ」を中心に狙え!
- 血統はロードカナロア産駒の牝馬とオルフェーヴル産駒!ノヴェリスト産駒は3連単・3連複を狙う時には外せない!
- 騎手は福永祐一騎手と川田将雅騎手は外せない。次点でM.デムーロ騎手!
- 調教師は藤岡調教師、武調教師に注目!しかし極端な差は無いため、迷った場合の参考程度!
【2023年版】中京競馬場 芝1400mの攻略方法
データから見るココが買い
この馬が買い
ロードカナロア産駒の牝馬とオルフェーヴル産駒、3連単・3連複はノヴェリスト産駒が買い。
短距離最強場と評されたロードカナロアは、短距離適性があり、更に牝馬の方が好成績を収めています。
小さなレースではロードカナロア産駒を軸に、大きなレースではオルフェーヴル産駒を軸に馬券を予想しましょう。
ノヴェリスト産駒の、「勝率こそ低いが複勝率が高い」というデータは3連単・3連複を予想する時に大きな助けとなるでしょう。
この騎手が買い
中京競馬場芝1400mの馬券を予想する時、外してはならない騎手が2人います。
それが福永騎手と川田騎手です。しかし、注意点として両騎手とも勝率・連体率がかなり高いため、人気も集中しやすく、馬券が的中した際の配当が低くなりがちなところです。
そこで、人気の両騎手を軸に予想し、そこに加えて坂井騎手やM.デムーロ騎手を予想に加え、3連単・3連複を狙ってみてはいかがでしょうか。
もし武騎手が人気薄なら積極的に狙っても面白いです。
この調教師が買い
調教師別で見た場合、勝率に注目すれば池添調教師ですが、ここはあえて3連単・3連複の馬券を視野に入れた場合、連対率に注目します。
そこで外せないのが藤岡調教師と武調教師です。しかも単勝回収率と複勝回収率でもかなりの数値が出ており、あえて注目するならこの2人、次いで池添調教師といったところでしょうか。
しかしながら他の調教師別でも極端な差は無く、無理して調教師別で狙うのではなく、迷った時の一押しという感覚のほうが良いかもしれません。
データから見るココが割引
ズバリ、8枠に入る馬は割引です。
勝率はもちろん、連対率・複勝率全てが低くなっており、買おうと思っていた馬が8枠に入った場合は注意が必要です。
データの裏を狙う
全体的なデータを見ただけではわからない、あえてピンポイントで裏を狙う馬の選び方を紹介します。
中京芝1400mが荒れる時、それは平場に多いです。平場でしかも良馬場の場合、意外な馬が好走する時があります。
逆に大きなレースになればなるほど人気順に順当なレースになりやすく、特に馬場が悪くなればなるほど、この傾向は顕著に現れます。
そして近年特に目覚ましい活躍をしているのがノヴェリスト産駒です。
平場で良馬場、そこに人気薄のノヴェリスト産駒が走った場合、何かが起こるかもしれません。
なかなか当てはまる条件は厳しいですが、もし条件に当てはまった場合は要注目です。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
ズバリ!穴を狙うなら、開催規模や馬場状態によって狙える馬があります!
しかし逆に大きく狙うには危険な馬もあります。以下をご覧ください。
- 稍重以上の馬場状態では内枠が圧倒的有利でレースはほとんど荒れない!もし内枠に人気薄が居たら積極的に狙え!
- ノヴェリスト産駒はレースの大小にかかわらず、人気薄なら抑えておけ!
- レースが大きくなればなるほど差し馬が有利!逃げ馬は人気が高くても抑え程度でOK!
中京競馬場 芝1400mまとめ
ここまで、各項目別に表を使って解説してきました。
中京競馬場芝1400mを下記のとおりまとめましたので、ぜひ馬券を予想する際の参考にしてみてください。
- 大きいレースになればなるほど、馬場が悪くなればなるほど人気どおりのレース結果になりやすく、3番人気馬まではかなり信頼できる。ただし良馬場だと荒れる要素もあるので過信は禁物!
- 枠順は1・2枠に注目だが穴を狙うなら4枠、5枠!
- 脚質は平場なら逃げ・先行が圧倒的に有利だがレースが大きくなると差しが強い!
- 血統はロードカナロア産駒の牝馬とオルフェーヴル産駒!ノヴェリスト産駒は人気にかかわらず要注目!
- 騎手は福永祐一騎手と川田将雅騎手は外せない。次点でM.デムーロ騎手と武豊騎手!特に武騎手の近年の活躍っぷりは大きな期待!
- 調教師は藤岡健一調教師が勝利数をあげているが他の調教師と極端に大きな差は無い。武幸四郎調教師の連対率には迷った時は注目したい!
それでは、良き競馬ライフを!
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