- 中山競馬場芝1200mがどんなコースか分かる!
- 8つの傾向データを紹介
- 中山競馬場芝1200mで買うべき馬・消すべき馬が分かる!
この記事では、中山競馬場芝1200mの概要・特徴と8つの傾向データ(人気・枠順・脚質・種牡馬・父系統・騎手・調教師・東西別)を紹介します。さらにデータをもとに、買うべき馬・消すべき馬がどんな馬なのかを深掘りし、徹底攻略!
競馬を予想する際、重要なファクターのひとつである『データ』。しかし、たくさんのコース・距離があり、それぞれ異なる特徴や傾向が存在するのでひとつひとつ覚えておくのは簡単ではありません。
「どうやって予想すればいいかわからない」「馬券を当てたい!」という人は、ぜひ最後まで読んでいってください。
中山競馬場芝1200mの概要・特徴
中山競馬場芝1200mは、秋のスプリントGI『スプリンターズステークス』が行なわれるコースです。
日本の競馬場で一番である、5.3mの高低差があり、最後の直線に設定されている急坂は110m間で2.2mを登りきらなければならない非常にタフなコース。
そんな中山競馬場の芝コース1200mはどんなコースなのか解説します。
コース概要
中山芝コースは内回り・外回りが設定されていますが、芝1200mは外回りコースを使用します。楕円形の他コースとは異なり、外回りコースは三角形になっており、その頂点付近である2コーナーの終わりがスタート地点です。
3コーナーはほとんど屈曲しておらず、4コーナーまではゆったりとカーブしていきます。スタートから4コーナーまでは約4.4mの下り勾配なので、テンが早くなりやすい傾向。4コーナーはコンパクトで小回り適性が求められます。
最後の直線は310mとローカル競馬場並みの短さ。残り180mから70mまで2.2mの急坂が待ち受けているので、パワーがない馬は止まってしまいます。
- 急坂を登るパワー
- コンパクトなコーナーを苦にしない器用さ
上記した2つを兼ね備えた馬が好成績を残しやすいコース形態です。
レコードタイム
中山競馬場芝1200m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
2歳レコード | 1:07.8 | 牝2 | サーガノヴェル | 2001年12月16日 |
3歳以上レコード | 1:06.7 | 牡4 | ロードカナロア | 2012年9月30日 |
中山競馬場芝1200mでの2歳レコードは、2001年のフェアリーステークスでサーガノヴェルが記録した1分7秒8。前半3ハロン32秒5と2歳戦としてはかなり早くなり、3コーナー付近からマクっていったサーガノヴェルがそのまま差し切り2歳レコードタイムでゴールしました。
3歳以上の古馬のレコードは、その後香港スプリントも勝利し、当時世界最強のスプリンターであったロードカナロアが2012年のGIスプリンターズステークスで記録した1分6秒7。前半3ハロン32秒7とGIらしくハイペースで流れ、ロードカナロアは道中9番手から差し切って勝利。9月開催は野芝メインで行なわれることもあり、レコードが出る高速決着となりました。
平均タイムとラップタイム
中山競馬場芝1200mにおける過去5年間(2019~2023年)の平均勝利タイムは以下のとおりです。
クラス | R数 | 平均タイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|---|
2歳新馬 | 15 | 1:10.1 | 34.7 | 35.3 | 102 |
2歳未勝利 | 27 | 1:09.6 | 34.0 | 35.5 | 104 |
2歳1勝 | 5 | 1:08.7 | 33.7 | 34.9 | 104 |
2歳OP | 6 | 1:09.1 | 33.8 | 35.3 | 104 |
3歳1勝 | 20 | 1:09.6 | 34.0 | 35.5 | 104 |
1勝 | 12 | 1:08.7 | 33.8 | 34.9 | 103 |
2勝 | 42 | 1:09.0 | 33.9 | 35.0 | 103 |
3勝 | 25 | 1:08.4 | 33.6 | 34.8 | 104 |
重賞・OP | 25 | 1:08.0 | 33.4 | 34.5 | 103 |
馬場状態により0.5〜1.0秒ほど誤差はありますが、平均タイムを超える勝ち時計を出した馬は、クラスが上がっても期待できます。
中山競馬場芝1200mで行われる重賞レース一覧
中山競馬場芝1200mで行われる重賞レースは以下のとおり。
レース名(グレード) | 1着賞金 | 開催時期 |
---|---|---|
スプリンターズステークス(GI) | 1億7000万円 | 10月1週頃 |
オーシャンステークス(GⅢ) | 4300万円 | 3月1週頃 |
10月1週頃には、秋のスプリント王を決める、GIスプリンターズステークスが開催されます。
普段はオーバーシードで開催されている中山競馬場ですが、9月開催は野芝メイン。高速決着となりやすく、スプリンターズステークスも例外ではありません。良馬場条件なら持ち時計の速い馬に注目すべきでしょう。
野芝の間から洋芝を生えさせる芝の管理法。野芝は冬に枯れてしまうので、冬開催は寒さに強く成長の早い洋芝と混合する札幌競馬場・函館競馬場は100%洋芝を使用。一般的に洋芝は野芝に比べ、クッション性が高く柔らかいので、走るのにパワーを要するとされています。
3月1週頃に行われるGⅢオーシャンステークスは、春のスプリントGI高松宮記念のステップレースとして、主に関東圏の馬が集まるレース。
スタートしてから下り坂が続くコース設定。前半が早くなりやすいので、逃げ馬がそのまま勝ち切ることは少ない傾向にあります。
中山競馬場芝1200mの傾向データ(2019年〜2023年の過去5年)
ここからは中山競馬場芝1200mにおける過去5年間の傾向データを紹介します。
さまざまな角度から同コースの特徴を分析していくので、馬券予想の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33.3 | 50.8 | 65.5 | 91 | 92 |
2 | 13.0 | 30.5 | 42.4 | 54 | 72 |
3 | 13.0 | 25.4 | 33.9 | 74 | 68 |
4 | 6.2 | 18.1 | 28.8 | 50 | 71 |
5 | 6.8 | 15.8 | 24.3 | 69 | 72 |
6 | 7.3 | 16.4 | 28.8 | 97 | 97 |
7 | 4.5 | 9.0 | 19.2 | 93 | 92 |
8 | 2.8 | 6.2 | 9.6 | 68 | 47 |
9 | 5.1 | 8.0 | 11.9 | 155 | 80 |
10~ | 1.4 | 3.5 | 6.3 | 73 | 76 |
1番人気の成績が目立つ結果となりました。3回に1回以上勝利していることを考慮すると、1番人気の馬を馬券の中心として考えるのが無難です。
反対に4番人気から9番人気の勝率が大きく変わらないのも注目。馬連や馬単なら、ある程度幅広く押さえておく必要があります。
枠順別
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8.3 | 17.0 | 25.3 | 53 | 99 |
2 | 6.9 | 14.5 | 21.4 | 127 | 99 |
3 | 8.3 | 13.7 | 21.7 | 83 | 75 |
4 | 7.5 | 15.4 | 22.6 | 83 | 74 |
5 | 6.0 | 12.4 | 18.4 | 73 | 62 |
6 | 5.6 | 12.6 | 18.5 | 68 | 72 |
7 | 7.4 | 13.8 | 21.5 | 111 | 77 |
8 | 4.9 | 10.6 | 15.4 | 38 | 57 |
一般的に最初の直線が長いと枠順による有利不利は出にくい傾向にありますが、当コースにおいては違うようで、8枠の成績が芳しくありません。実力馬でも8枠に入ってしまった場合は、疑ってかかる必要があります。
1枠は勝率こそ平凡ですが、連対率・複勝率が高く、複勝回収値も優秀です。1枠に入った馬は、あまり人気になっていなくても一定の警戒をしておくべきでしょう。
脚質別
脚質 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 37 | 20.9 | 38.4 | 50.8 | 181 | 219 |
先行 | 79 | 12.2 | 24.4 | 33.5 | 117 | 114 |
差し | 45 | 4.8 | 9.2 | 17.1 | 78 | 69 |
追込 | 16 | 1.9 | 5.0 | 7.6 | 29 | 25 |
勝ち星の数では先行、差し勢の順。スタートしてから下りがある影響で逃げ馬がオーバーペースとなり、番手に控えた馬や差し勢が台頭するイメージです。それでも逃げ馬は回収率が優秀。最後の直線が310mとローカル競馬場並みに短いこともあり、追い続ける手もあります。
追い込み馬は勝ち数、勝率はともに低いですが、坂を苦にしないパワーと持続力のあるタイプなら食い込みを警戒した方がいいでしょう
種牡馬別
種牡馬 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロードカナロア | 15 | 10.7 | 19.3 | 25.7 | 48 | 60 |
ダイワメジャー | 10 | 8.5 | 17.9 | 27.4 | 76 | 71 |
アドマイヤムーン | 5 | 8.1 | 21.0 | 35.5 | 31 | 121 |
エイシンフラッシュ | 5 | 13.5 | 16.2 | 21.6 | 149 | 112 |
シルバーステート | 5 | 18.5 | 22.2 | 25.9 | 169 | 96 |
キンシャサノキセキ | 4 | 5.1 | 11.5 | 17.9 | 92 | 60 |
マツリダゴッホ | 4 | 5.9 | 8.8 | 23.5 | 51 | 134 |
ヴィクトワールピサ | 4 | 16.0 | 24.0 | 28.0 | 492 | 263 |
ベーカバド | 3 | 9.7 | 22.6 | 29.0 | 57 | 86 |
モーリス | 3 | 12.0 | 28.0 | 32.0 | 75 | 78 |
短距離レースにおいて有力馬を多く輩出しているロードカナロア、ダイワメジャーは勝ち星は上位ですが出走回数も多く、勝率などを見ると突出して目立つ成績とは言えません。回収率も高くないので、他コースの短距離の成績から過剰人気になっている可能性があります。中山適性を考慮して冷静に判断すべきです。
一方、注目すべきはシルバーステート、ヴィクトワールピサの産駒。2頭とも出走のサンプル数は少なめですが、優秀な成績をあげています。
父系統別
父系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ニアークティック系 | 8.7 | 16.3 | 20.9 | 97 | 81 |
ネイティヴダンサー系 | 8.3 | 15.9 | 23.3 | 90 | 87 |
ナスルーラ系 | 7.1 | 9.7 | 15.6 | 33 | 35 |
ロイヤルチャージャー系 | 5.7 | 12.6 | 20.1 | 77 | 79 |
ニアークティツク系とネイティヴダンサーの成績が拮抗。日本競馬の軸とも言える存在のロイヤルチャージャー系は当コースで苦戦しています。
騎手別
騎手名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
横山武史 | 13 | 17.3 | 32.0 | 44.0 | 64 | 83 |
C.ルメール | 13 | 30.2 | 39.5 | 53.5 | 119 | 90 |
M.デムーロ | 11 | 23.4 | 27.7 | 36.2 | 131 | 85 |
田辺裕信 | 8 | 10.7 | 26.7 | 38.7 | 90 | 84 |
木幡巧也 | 7 | 8.9 | 15.2 | 21.5 | 91 | 83 |
石川裕紀人 | 7 | 13.2 | 18.9 | 24.5 | 316 | 160 |
戸崎圭太 | 6 | 7.4 | 22.2 | 33.3 | 26 | 65 |
大野拓弥 | 6 | 6.1 | 16.2 | 23.2 | 28 | 75 |
横山和生 | 6 | 13.6 | 25.0 | 31.8 | 85 | 73 |
三浦皇成 | 5 | 5.6 | 20.0 | 25.6 | 27 | 53 |
中山競馬場芝1200mが非常にトリッキーなコースということもあり、横山武史騎手、ルメール騎手といったリーディング上位の騎手の成績が優秀です。過剰人気になりやすいですが、特にルメール騎手は回収率も高いので逆らうべきではないでしょう。
実績組では戸崎圭太騎手の数値が低く、当コースを苦手としているかもしれません。馬質を考慮すると石川裕紀人騎手に注目です。回収率の優秀さは穴馬での好走が多いということ。人気がないからといって、簡単に消してしまわないよう注意が必要です。
調教師別
調教師名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
岩戸孝樹 | 6 | 10.5 | 22.8 | 28.1 | 53 | 54 |
斎藤誠 | 6 | 13.6 | 22.7 | 34.1 | 225 | 185 |
尾関知人 | 5 | 17.9 | 25.0 | 42.9 | 162 | 157 |
牧浦充徳 | 5 | 20.8 | 25.0 | 25.0 | 118 | 61 |
菊沢隆徳 | 4 | 10.8 | 24.3 | 27.0 | 63 | 54 |
西村真幸 | 4 | 19.0 | 33.3 | 38.1 | 738 | 198 |
金成貴史 | 4 | 16.7 | 20.8 | 33.3 | 112 | 94 |
相沢郁 | 4 | 26.7 | 26.7 | 33.3 | 369 | 107 |
池江泰寿 | 4 | 50.0 | 50.0 | 62.5 | 422 | 167 |
藤岡健一 | 4 | 17.4 | 17.4 | 17.4 | 77 | 33 |
岩戸孝樹、斎藤誠調教師の成績が優秀。当コースでは管理馬が安定して走っています。
関西勢では西村真幸、池江泰寿調教師の回収率が目立ちます。中山芝1200mに遠征してきた際は人気薄でもマークした方がいいでしょう。
東西別
所属トレセン | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 6.2 | 13.0 | 19.9 | 76 | 77 |
栗東 | 9.4 | 16.3 | 23.2 | 95 | 76 |
関西の栗東トレセン所属の方が良績を残しています。関東の美浦トレセンに所属している厩舎が中山競馬場を主戦場としているからといって、美浦所属のほうが有利というわけではないようです。
中山競馬場芝1200mの傾向・データまとめ
ここまで8つのデータを使って中山競馬場芝1200mの傾向を紹介してきました。
特に重要だと感じたポイントをまとめます。
- 1番人気は馬券の中心
- 8枠に入った馬は割り引きが必要
- 種牡馬はロードカナロアが勝ち星量産も、勝率ではシルバーステート
- 脚質で狙うなら先行馬、差し馬
- ジョッキーで良績が目立つのは横山武史、ルメール騎手。人気でも逆らえない
- 石川裕紀人騎手の回収率も注目
- 調教師は岩戸孝樹、斎藤誠調教師の成績が優秀
中山競馬場芝1200mの攻略方法
ここからは中山競馬場芝1200mの傾向データを深掘りし、買うべき馬・割り引きすべき馬を紹介していきます。
馬券を検討する際の参考にしてください。
データから見るここが買い
1番人気に支持された馬は積極的に狙いましょう。勝率・連対率・複勝率こそ平均値ですが、人気を背負っているのにもかかわらず、単勝、複勝回収率が90%以上あるのは非常に優秀と言えます。
データが示す傾向から、人気が一本かぶりの場合はトリガミになることも多いでしょうし、妙味は少ないかもしれません。ある程度、人気が割れて混戦ムードの時にこそ、3回に1回は勝利し、3回に2回は3着以内に入るという1番人気を素直に買った方がプラス収支は近づくでしょう。
データから見るここが割引
騎手データを見ると戸崎圭太騎手の成績の悪さが目立ちます。関東の拠点の騎手で、他コースでは非常に優秀な成績を残しているトップジョッキー。馬質も良いので人気になりやすい傾向にありますが、中山競馬場芝1200mにおいては見合った成績を残せていないようです。
当コースに限って戸崎圭太騎手は人気馬に騎乗していても割り引きが必要でしょう。
データの裏を狙う
近年の短距離レースにおいて有力馬を数多く輩出している種牡馬と言えば、ロードカナロア、ダイワメジャー、キンシャサノキセキなどが挙げられます。中山競馬場芝1200mでも勝ち星は積み重ねていますが、勝率や回収率は高いとは言えません。
出走回数が少ない割りに好成績を残しているのはシルバーステートとヴィクトワールピサ。特にシルバーステートはまだ種牡馬歴が浅く、今後も期待できそうなので注目していきましょう
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
9月開催では、札幌や函館といった洋芝メインの競馬場での好走成績は参考にしないようにしましょう。
前述のとおり、中山競馬場の9月開催は野芝メインで高速決着となりやすい傾向にあります。洋芝は柔らかくパワーが必要になるため、比較的時計がかかるコースとなります。
7、8月の北海道開催で良い成績を上げた馬が、それだけで当コースでも人気になっていると場合は、危険な人気馬となりますので注意してください。
中山競馬場芝1200mまとめ
今回は、中山競馬場芝1200mについての特徴を解説し、8つの傾向データから好走馬を見つけるヒントを探りました。
- 1番人気は馬券の中心
- 8枠に入った馬は割引が必要
- 脚質で狙うなら先行馬、差し馬
- 種牡馬はロードカナロアが勝ち星量産も、勝率ではシルバーステート
- 横山武史、ルメール騎手は人気でも逆らえない
- 戸崎圭太騎手が苦戦傾向
- 調教師は岩戸孝樹、斎藤誠調教師の成績が優秀
この記事を、馬券検討の参考にしていただければ幸いです!
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