函館競馬場芝1800ｍの特徴と傾向まとめ｜攻略法も一挙公開

今回紹介するのは、函館競馬場芝1800ｍの特徴と傾向です。

ＪＲＡ夏競馬の開催地として知られる函館。ローカル競馬場なので、平坦コースをイメージしている方も多いと思いますが、しっかりと高低差があり、馬にはタフさも求められる舞台です。ここではＧⅢ函館記念の前哨戦として知られる巴賞などが行われる芝1800ｍのデータを掘り下げました。１枠や逃げ馬に有利なコース形状となっているようなので、そのあたりを解説していきます。

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函館競馬場芝1800mの概要・特徴

函館競馬場芝1800ｍのコース概要や特徴は以下の通りです。

コース概要

函館競馬場芝1800ｍはスタンド前直線の４コーナー寄りからスタートします。１コーナーまでの距離は約275ｍ。２コーナー、向正面を走破すると、スパイラルカーブとなっている３、４コーナーへ。最後の直線は262ｍで、これはＪＲＡ全10場の中で最も短く設定されています。

１コーナー手前から２コーナーまで緩やかに下ると、向正面からは上り坂。３、４コーナーの中間あたりからは緩やかな下り坂が最後の直線半ばまで続きます。コースの高低差は3.5ｍ。これは中京競馬場芝コースと並んでＪＲＡのローカル開催場では最もきつい設定となっています。

ＪＲＡ開催競馬場の芝コースは野芝が基本ですが、函館競馬場と札幌競馬場は洋芝100％。洋芝は野芝と比べてパワー、スタミナが必要と言われているのも、馬券検討の材料の一つとして知っておく必要があります。

レコードタイム

函館芝1800ｍのレコードタイムを見てみましょう。

函館芝1800m	タイム	性齢	馬名	記録年月日
2歳レコード	1:48.3	牝２	ウィクトーリア	2018年７月22日
3歳以上レコード	1:45.7	牝４	クロコスミア	2017年６月18日

２歳のレコードホルダーはモンファボリ。2018年７月、岩田康誠騎手を背にいきなり新馬戦でマークしました。３歳になってからはＧⅡフローラＳを優勝。ＧＩオークスでも４着と健闘しましたが、秋のＧⅡローズＳ３着後、左前脚繋靱帯炎を発症。引退して繁殖入りしています。

３歳以上のレコードは、2017年６月に行われた1000万下（現２勝クラス）の北斗特別でクロコスミアが達成。その前年はＧＩ秋華賞にも出走（６着）しており、素質馬が自己条件で順当に結果を出したものです。その後も活躍を続け、2018年のＧⅡ府中牝馬Ｓ勝ちや、2019年のＧＩエリザベス女王杯２着などでファンを沸かせました。

平均タイムとラップ

次に示すのは函館競馬場芝1800ｍの過去５年間の平均タイムです。

格	Ｒ数	タイム	前３Ｆ	後３Ｆ	後/前
新馬	17	1;51.5	37.6	35.6	95
２歳未勝利	7	1;50.9	36.9	36.6	99
3歳未勝利	28	1:48.8	35.8	36.2	101
1勝	26	1:48:8	36.4	35.6	98
2勝	13	1:48:6	36.4	35.7	98
3勝	1	1:48.6	36.8	35.7	97
ＯＰ・重賞	6	1:48:2	36.3	35.7	98

未勝利戦を除くと、スローペースの傾向です。スタートから１コーナーまでの直線が275ｍと短いコース設定なので、テンから飛ばしても、すぐにカーブで減速しなければなりません。勢いが付きすぎるとコーナー入口で外に膨れるリスクも抱えますし、騎手も序盤は抑え気味にしているのではないかと思われます。オープンの時計が条件クラスとそれほど変わらないのは、スローペース傾向に加えて力のいる洋芝なので、高速決着にはなりにくいのでしょう。

函館競馬場芝1800ｍで行われる重賞レース一覧

函館競馬場芝1800ｍでは重賞は行われていません。ただ、2021年には東京オリンピックのマラソン競技が札幌で開催された関係で、例年は札幌競馬場で行われるＧⅢクイーンＳが、函館競馬場芝1800ｍに舞台を移して行われました。

オープン競走では別定戦の巴賞が組まれており、ＧⅢ函館記念の前哨戦として夏競馬ファンにはなじみ深いレースです。

函館競馬場芝1800ｍの傾向データ

ここからは函館競馬場芝1800ｍ過去５年間のデータを紹介します。８項目にわたって分析していきますので、馬券の参考にしてください。

人気別

人気	勝率	連対	複勝	単回	複回
1	33.7	52.0	68.4	77	85
2	24.5	40.8	56.1	99	89
3	13.3	27.6	40.8	82	79
4	6.1	20.4	28.6	56	62
5	6.1	16.3	25.5	74	70
6	4.1	12.2	26.5	66	84
7	6.3	13.7	15.8	168	60
8	1.1	4.4	12.1	50	54
9	2.5	3.7	12.3	79	86
10~	1.0	3.2	5.5	53	68

１番人気の勝率は３割超え。２、３番人気も支持されただけの責任は果たしている数字と言えます。４番人気以下になると勝率は落ちますが、連対率を見ると７番人気まで食い込みが現実的。軸馬は人気どころからの選択で問題なさそうですが、ヒモ荒れに注意しましょう。

枠順別

枠	勝率	連対	複勝	単回	複回
1	11.3	25.2	32.2	129	79
2	6.7	14.3	26.9	56	72
3	6.8	18.0	27.8	53	67
4	5.0	17.1	30.0	22	89
5	11.8	16.3	24.8	154	99
6	7.4	15.4	22.2	53	74
7	10.5	15.8	22.8	72	53
8	7.5	14.5	19.1	68	55

勝率がいいのは１、５、７枠。連対、複勝率を合わせると１枠の数字に強さを感じます。テンから飛ばす馬は少ない傾向にある函館競馬場芝1800ｍ。１枠の馬にとってはスムーズに好位を確保できる条件なのも、良績と無関係ではないでしょう。

脚質別

脚質	勝率	連対	複勝	単回	複回
逃げ	27.7	38.6	45.5	369	140
先行	13.4	28.2	43.0	85	110
差し	4.1	10.7	19.0	31	56
追込	0.9	2.4	5.2	18	27
捲り	23.8	52,4	52,4	170	144

逃げ馬の成績が優秀。単勝回収率の高さも魅力です。差し、追い込み勢は苦戦していますが、注意してほしいのが「捲り」。函館競馬場芝1800ｍで捲り戦法をとった馬のデータを見ると、勝率は逃げ馬に迫り、連対、複勝率は５割を超えていました。

函館競馬場の最後の直線は262ｍと短いこともあり、芝1800ｍでのスローペースにしびれを切らした差し、追い込み馬が早い仕掛けで動いてくることがあります。捲りは騎手が咄嗟に判断する場合もあるので事前のマークも難しいですが、前々でレースをするタイプではなくても、長くいい脚を使った実績がある馬は注意を払いましょう。

種牡馬別

種牡馬	勝率	連対	複勝	単回	複回
リオンディーズ	50.0	50.0	50.0	206	78
ジャスタウェイ	18.8	18.8	31.3	113	124
キズナ	16.7	30.0	43.3	143	116
ロードカナロア	14.7	20.6	26.5	47	48
オルフェーブル	14.3	25.7	31.4	67	60
ステイゴールド	13.6	22.7	31.8	184	155
ダイワメジャー	13.0	30.4	34.8	60	201
ブラックタイド	13.0	17.4	21.7	40	46
ディープインパクト	10.6	22.3	30.9	55	56
ハーツクライ	10.4	16.7	29.2	170	90

リオンディーズ産駒は出走頭数こそ少ないですが、２頭で３勝を挙げているので相性は良さそうです。サイアーランキング上位組ではキズナ産駒が活躍。回収率がいいので人気薄なら狙い目となります。

系統	勝率	連対	複勝	単回	複回
ロイヤルチャージャー系	9.0	17.6	27.6	81	80
ニアークティック系	8.4	14.7	20.9	72	57
ネイティヴダンサー系	8.1	18.2	25.6	68	71

ロイヤルチャージャー系の勝率が良好。それでも、他の系統と比べて大きな差はありません。函館競馬場芝1800ｍの予想では、父系統を気にしなくてもいいでしょう。

騎手別

騎手名	勝率	連対	複勝	単回	複回
浜中俊	30.0	30.0	50.0	184	141
C.ルメール	19.2	48.1	63.5	50	80
武豊	17.5	42.5	55.0	65	109
池添謙一	17.2	26.6	39.1	77	74
団野大成	16.0	16.0	16.0	315	78
藤岡康太	15.2	27.3	30.3	70	80
吉田隼人	13.5	19.2	28.8	69	71
岩田康誠	12.8	17.9	28.2	119	61
横山武史	11.1	23.8	33.3	57	88
勝浦正樹	10.3	24.1	27.6	204	106

浜中俊騎手は函館での騎乗機会は少ないものの、参戦した時は結果を残しているのでマークが必要でしょう。トップクラスの技量を誇るルメール、武豊両騎手もさすがの成績です。

調教師別

調教師名	勝率	連対	複勝	単回	複回
羽月友彦	66.7	66.7	66.7	340	136
武幸四郎	60.0	80.0	80.0	1240	184
中内田充正	60.0	60.0	60.0	408	102
大竹正博	42.9	42.9	57.1	152	87
池添兼雄	33.3	55.6	55.6	187	106
武藤善則	33.3	33.3	50.0	553	176
新開幸一	33.3	33.3	33.3	385	96
奥村豊	28.6	28.6	28.6	191	52
上村洋行	25.0	31.3	43.8	81	88
伊藤大士	25.0	33.3	50.0	125	89

函館競馬場芝1800ｍに勝ち星が集中している調教師は少なく、サンプルも乏しいのでデータの信頼度はやや落ちます。それでも武幸四郎調教師の良績は注目してください。武幸四郎調教師、そして兄の武豊騎手の先祖は開拓使として鹿児島から函館にわたり、近代競馬の発展に尽力。武豊騎手が「親戚も多い」と語るほど、函館は武一族にとってご当地です。武幸四郎調教師と武豊騎手がより一層奮起する条件であることを覚えておいてください。

所属トレセン別

厩舎名	勝率	連対	複勝	単回	複回
栗東	9.7	16.9	24.6	93	77
美浦	7.3	16.9	25.6	60	69

栗東組が美浦組に差をつけています。ただ、連対率は同じで、複勝率は美浦組が上位。馬券は関西馬を本線に関東馬へ流していくスタイルを基本するのがいいでしょう。

函館競馬場芝1800ｍの傾向・データまとめ

ここまでデータを使って函館競馬場芝1800ｍの傾向を紹介してきました。

特に重要だと感じたポイントは以下の通りです。

函館競馬場芝1800ｍの攻略方法

ここからは函館競馬場芝1800ｍの傾向とデータを深堀りし、買うべき馬、割り引きが必要な馬のタイプを紹介していきます。

データから見るここが買い

枠順別で出た１枠有利のデータは信頼していいでしょう。函館競馬場芝1800ｍのコース形状やスローペース傾向も、１枠の数字が強くなる十分な裏付けと言えます。特に逃げ、先行馬であれば信頼度はさらにアップ。スムーズな好位確保から、前残りの決着が見えてきます。

データから見るここが割引

追い込み馬は馬券から外してもいいでしょう。勝率は0.9%と激低。最後の直線が短い函館では前々で立ち回る馬にはまず届きません。ただ、注意したいのは函館競馬場芝1800ｍは捲りがハマるケースが少ないことです。終い一手のタイプでも、過去のレースの通過順などを見て、早めに前々に進出していた実績があれば変身に注意してください。

データの裏を狙う

１番人気は支持にこたえる数字を残していますが、回収率に魅力を感じません。また、函館競馬場芝1800ｍで最も注目度の高いオープンの巴賞で、１番人気は2018年～2022年の５年間、【０１０４】と不振なのは気になるところです。

ちなみに2013～2022年までの巴賞10年間の人気別成績は次の通りです。

巴賞2013~2022年の人気別成績

人気	勝率	連対	複勝	単回	複回
1	20.0	50.0	50.0	44	69
2	40.0	70.0	70.0	159	109
3	10.0	10.0	20.0	60	43
4	10.0	20.0	30.0	63	69
5	10.0	10.0	20.0	80	73
6	0.0	10.0	50.9	0	142
7	0.0	20.0	20.0	0	75
8	0.0	0.0	20.0	0	182
9	0.0	0.0	12.5	0	72
10~	4.2	4.2	8.3	216	95

巴賞で２番人気が最も活躍しているというデータを出しましたが、このレースに限らずとも回収率との兼ね合いから２番人気に狙いを定めた方がいいでしょう。勝率、連対、複勝率は１番人気に劣りますが、２回に１回は馬券圏内と安定しています。１番人気を軸とするより的中率は落ちるでしょうが、函館競馬場芝1800ｍの収支をプラスでまとめたいなら、２番人気狙いが現実的です。

開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬

函館競馬場芝1800ｍ過去5年の性別成績

性	勝率	連対	複勝	単回	複回
牝	9.1	17.7	27.1	83	80
牡・騙	8.1	16.5	24.5	53	68

「夏は牝馬」というフレーズは、長年にわたり競馬ファンの常套句となっていますが、比較的涼しいはずの函館も例外ではないようで、芝1800ｍの性別成績では牝馬が牡・騙馬を上回っていました。

牝馬は出走頭数がそれほど多くないので、馬券も絞りやすくなるはずですし、儲かる確率はアップします。函館芝1800ｍでも牝馬は積極的に狙っていきましょう。

函館競馬場芝1800ｍまとめ

函館競馬場芝1800ｍの攻略ポイントのまとめは以下の通りです。

この記事が馬券検討の材料になればうれしいです。

それでは、よき競馬ライフを！

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参考文献

• JRA公式HP
• JRA-VAN

函館競馬場コース一覧

芝1000ｍ	芝1200ｍ	芝1800m	芝2000ｍ
芝2600m
ダート1000ｍ	ダート1700m	ダート2400ｍ