札幌競馬場芝2000mの特徴と傾向まとめ｜攻略法も一挙公開

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札幌競馬場芝2000mの概要・特徴

夏競馬といえば函館・札幌の北海道シリーズ。荒れやすいイメージがあり、苦手意識をもっている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、豪華メンバーが集うスーパーG2『札幌記念』が行われる札幌競馬場芝2000mを、過去5年間102レースの傾向データから徹底解説。傾向を知り得意コースにしてしまえば、荒れる夏競馬でも収支は安定するでしょう。まずは札幌競馬場芝2000mが、どんなコースなのか解説していきます。

コース概要

まず、札幌競馬場は全体の高低差が約0.7mとほぼ平坦で、北海道開催特有の100％洋芝であることは覚えておきましょう。芝2000mのスタート地点は、4コーナー奥に作られたポケット内。1コーナーまでの距離は約380mです。札幌競馬場とよく比較される函館競馬場との大きな違いは、スパイラルカーブを採用している函館競馬場とは違い、1〜2コーナー、3〜4コーナーともに、大きく丸みを帯びていること。4コーナーを回り、最後の直線は約266mとJRA全10場で函館競馬場の次に短い設定となっています。

レコードタイム

札幌競馬場芝2000m	タイム	性齢	馬名	記録年月日
2歳レコード	2:02.1	牝2	ミヤマザクラ	2019年8月31日
3歳上レコード	1:58.6	牡4	タスカータソルテ	2008年8月24日

2歳レコードはミヤマザクラが2019年8月31日に記録した2:02.1。ミヤマザクラは中団で脚を溜め、4コーナー手前から一気に位置を上げ、最後は2着に5馬身差をつける圧勝。乾いた馬場も手伝って2歳レコードとなりました。

3歳以上のレコードは、タスカータソルテが2008年8月24日に札幌記念で記録した1:58.6。道中は後ろ目でじっくり脚を溜め、直線でスパートをかけると先に抜け出していたマツリダゴッホをとらえ、クビ差先着。コンゴウリキシオーが緩みないペースで逃げ、全体の時計が速くなったこともありレコード決着となりました。

平均勝ちタイムとラップタイム

札幌競馬場芝2000mにおける、平均勝ちタイムとラップタイムは以下のとおりです。

クラス	平均勝ちタイム	前3F	後3F	後/前
新馬	2:03.8	36.7	36.4	99
未勝利	2:02.3	35.9	36.7	102
1勝	2:01.9	36.2	36.2	100
2勝	2:01.9	36.7	36.1	98
3勝	2:02.0	36.2	36.3	101
OP・重賞	2:00.3	35.3	36.4	103

馬場状態により0.5〜1.0秒ほど誤差はありますが、平均タイムを超える勝ち時計を出した馬は、クラスがあがっても期待ができます。どのクラスもフラットな展開になる傾向がありますが、オープン・重賞クラスともなると話は別。1コーナーまでの位置の取り合いが激しくなるためか、前半3ハロンが早くなり消耗戦になることは覚えておきましょう。

札幌競馬場芝2000mで行われる重賞レース一覧

札幌競馬場芝2000m行われる重賞レースは以下のとおりです。

レース名（グレード）	1着賞金	開催時期
札幌記念（G2）	7000万円	8月3週目

札幌競馬場芝2000mで開催される唯一の重賞『札幌記念』は、中央競馬で施行されるG2の中で最高額の賞金が出るレースです。秋のG1戦線を睨む実力馬たちが、夏の休養を経て始動戦として札幌記念を選択することも多く、G1級のメンバーが揃うことからスーパーG2と称されることも。過去の1着馬には、ソダシ・ジャックドール・ブラストワンピースなど、そうそうたるメンバーが名を連ねています。

札幌競馬場芝2000mの傾向データ

ここからは、札幌競馬場芝2000mにおける過去5年間（2018年1月1日〜2022年12月31日）102レースの傾向データを紹介します。さまざまな角度からこちらのコースの特徴を分析していくので、馬券予想の参考にしてください。

人気別

人気	勝率	連対	複勝	単回	複回
１	31.4	49.0	61.8	67	80
2	15.7	44.1	55.9	60	88
３	15.7	25.5	40.2	91	69
４	8.8	17.6	29.4	60	69
５	3.9	7.8	19.6	39	58
６	3.9	17.6	25.5	66	95
７	9.0	13.0	20.0	144	95
８	5.2	8.3	17.7	100	102
９	4.4	8.9	10.0	98	62
10～	0.9	2.3	5.2	53	66

1～3番人気は、ほぼ水準程度の成績となっています。とりわけ７・８番人気が、勝率こそ水準レベルですが連対率・複勝率が優秀で回収率が100％前後と期待値が高いです。人気馬×中穴馬のワイドや3連複がかなり有効となりそう。

枠順別

枠順	勝率	連対	複勝	単回	複回
１	7.8	14.2	22.0	49	75
２	9.6	17.1	24.7	115	78
３	6.4	13.5	19.9	35	58
４	6.5	16.0	26.6	50	102
５	9.0	19.2	27.7	92	94
６	7.7	13.3	21.5	56	62
7	8.2	17.4	22.8	51	61
８	6.5	11.4	17.9	119	71

4・5枠の複勝回収値が優秀です。中枠は人気馬でなくてもチェックしておくべきでしょう。一方で小回りコースということもあってか、8枠の好走率がイマイチで、大外枠が不利に働いているようです。

脚質別

脚質	勝率	連対	複勝	単回	複回
逃げ	14.4	24.3	27.0	127	75
先行	13.6	26.9	38.5	143	130
差し	6.5	14.2	22.5	51	70
追込	0.8	1.3	5.1	9	23

先行馬の回収率が超優秀。前につけられる馬は人気がなくても軽視は禁物です。一方で追い込み馬はほとんど好走出来ておらず、基本的には消しでよさそう。小回りで緩やかなカーブというコース形態が、そのまま結果に影響しているようです。

種牡馬別

種牡馬	勝率	連対	複勝	単回	複回
ディープインパクト	8.6	21.5	28.0	50	64
ハービンジャー	7.5	15.0	29.0	64	90
オルフェーヴル	19.5	31.7	36.6	161	143
キングカメハメハ	9.8	18.0	26.2	99	92
ハーツクライ	6.0	13.3	19.3	60	45
ドゥラメンテ	15.2	21.2	30.3	116	114
エイシンフラッシュ	7.1	28.6	35.7	62	180
ステイゴールド	10.0	20.0	25.0	68	96
ルーラーシップ	7.1	10.7	21.4	41	65
ゴールドシップ	5.4	10.8	18.9	23	28

オルフェーブル産駒・ドゥラメンテ産駒は、名前を見つけたら印を売ったほうが良いレベルです。加えて要注目なのは、エイシンフラッシュ産駒。先ほどの種牡馬と比べ、平均人気が低い割に連対率・複勝率が超優秀なので、人気薄でも2着・3着に入り高配当を演出してくれそうですね。反対に、ゴールドシップ産駒は好走率・回収値ともに低く、こちらのコースが苦手なのは明らか。人気でも割引が必要でしょう。

父系統別

父系統	勝率	連対	複勝	単回	複回
サンデーサイレンス系	7.6	15.8	22.4	55	65
ミスタープロスペクター系	8.5	16.4	23.7	110	90
ノーザンダンサー系	7.0	12.7	23.0	66	85
ナスルーラ系	4.9	7.3	24.4	17	95
その他エクリプス系	5.9	17.6	23.5	151	88

スピードに長けたサンデーサイレンス系の回収率が他コースと比較しイマイチな結果となっています。100％洋芝ということで、スピードよりもパワーが必要ということでしょうか。

騎手別

騎手名	勝率	連対	複勝	単回	複回
C.ルメール	21.9	42.2	54.7	50	73
横山武史	10.3	23.5	32.4	57	56
藤岡祐介	11.5	26.2	31.1	83	62
横山和生	14.0	20.9	25.6	77	73
丹内佑次	7.0	14.1	21.1	46	39
吉田隼人	9.1	16.4	25.5	51	67
武豊	17.2	24.1	37.9	83	78
大野拓弥	14.8	29.6	37.0	149	172
坂井瑠星	17.4	21.7	26.1	226	123
菱田裕二	5.8	15.4	21.2	96	98
亀田温心	11.5	11.5	30.8	166	209

C.ルメール騎手はさすがの成績。ベテランに交じって若手騎手も上位に食い込んでおり、中でも坂井騎手・亀田騎手の回収値がとても優秀です。騎乗があれば人気薄でも要チェックしましょう。

調教師別

調教師名	勝率	連対	複勝	単回	複勝
友道康夫	23.8	33.3	38.1	58	62
小島茂之	29.4	35.3	47.1	224	127
須貝尚介	12.1	18.2	33.3	51	66
国枝栄	15.0	35.0	40.0	105	82
矢作芳人	9.7	19.4	22.6	39	53
藤原英昭	17.6	35.5	41.2	87	90
宗像義忠	23.1	46.2	46.2	167	96
鹿戸雄一	18.8	37.5	37.5	86	78
堀宣行	15.0	25.0	35.0	60	68
武英智	5.9	5.9	17.6	61	41

小島調教師・宗像調教師の管理馬は好走率が非常に優秀で、出走があれば馬券からは外しにくいです。反対に、武英智調教師の管理馬は凡走が目立つので、人気でも割引が必要となります。

所属トレセン別

所属	勝率	連対	複勝	単回	複回
美浦	8.5	15.5	23.1	78	74
栗東	7.0	15.1	22.4	65	75

所属トレセンによる傾向データの偏りはありませんでした。

 札幌競馬場芝2000mの傾向・データまとめ

ここまで8つのデータを使って、札幌競馬場芝2000mの傾向を紹介してきました。特に重要なポイントは以下のとおりです。

札幌競馬場芝2000mの攻略方法

ここからは札幌競馬場芝2000mの傾向データを深掘りし、買うべき馬・消すべき馬を紹介していきます。馬券を検討する際の参考にしてください。

データから見るここが買い【エイシンフラッシュ産駒×4番人気以下】

種牡馬別傾向データからエイシンフラッシュ産駒の連対率・複勝率が優秀と述べましたが、そのデータを4番人気以下に絞り込むと【2.7.2.22】と、出走数が多い（20以上）種牡馬の中では連対率・複勝率ともに1位、複勝回収値も素晴らしい結果となりました。このことから、こちらのコースにおいて『人気薄のエイシンフラッシュ産駒』が2着か3着に入るような馬券は、期待値がかなり高いと言えるでしょう。

札幌競馬場芝2000mにおける【エイシンフラッシュ産駒×4番人気以下】の成績

種牡馬	勝率	連対	複勝	単回	複回
エイシンフラッシュ	6.1	27.3	33.3	68	206

8番人気・9番人気での2着が複数回あったので、中穴でこそ狙いたい種牡馬ですね。こちらのデータで高配当を狙いましょう！

データから見るここが割引【追い込み馬×1番人気】

脚質データでは追い込み馬の成績が悪いと述べましたが、たとえ1番人気であったとしても【0.1.2.9】と好走できておらず、割引が必要だということが分かりました。

札幌競馬場芝2000mにおける【追い込み×1番人気】の成績

脚質	勝率	連対	複勝	単回	複回
追い込み	0.0	8.3	25.0	0	37

コースの性質上、仕方のないことだと思いますが1番人気とは思えない成績ですね。後方からの競馬がデフォルトの馬は、たとえほかの競馬場で好走していてもこちらのコースでは基本的には消しと考えましょう。

データの裏を狙う【重賞は先行馬より逃げ馬or差し馬】

脚質データから先行馬が抜群の成績だと解説しましたが、札幌記念にいたってはその限りではないということが分かりました。

札幌記念の脚質別成績

脚質	勝率	連対	複勝	単回	複回	平均人気
逃げ	14.3	28.6	28.6	54	45	6.4
先行	5.9	11.8	29.4	27	63	6.1
差し	12.5	20.8	25.0	56	42	7.4
追い込み	0.0	4.8	9.5	0	20	9.7

平均人気を考慮すると、複勝率こそ高いものの全体の成績からは信頼度が下がることは明らか。重賞ともなると強烈な末脚やスピードを持った馬たちが揃うので、先行粘りこみが容易ではなくなるということでしょう。札幌記念に限っては「札幌2000mは先行馬が有利」という思い込みを捨て、勝率・連対率を考慮して軸は逃げ馬・差し馬から選ぶのがベターです。

開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬

雨が降り馬場状態が稍重・重・不良となった場合は、もともと良くなかった8枠の成績がさらに悪くなるため【人気馬×稍重・重・不良×8枠】の組み合わせは危険だと言えます。

札幌競馬場芝2000mにおける、稍重・重・不良の8枠の成績

枠順	勝率	連対	複勝	単回	複回
8枠	0.0	9.1	18.2	0	44

実力のある人気馬であっても、この条件が揃ってしまった時点で危険な人気馬となってしまいます。軸候補から外して馬券を組み立てるのが無難でしょう。

札幌競馬場芝2000mまとめ

今回は、札幌競馬場芝2000mについて特徴を解説し、8つの傾向データから好走馬を見つけるヒントを探りました。

この記事を、馬券検討の参考にしていただければ幸いです！

それでは、よき競馬ライフを！

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参考文献

• JRA公式：コース紹介
• JRA‐VAN：コース解説

札幌競馬場コース一覧

芝1000m	芝1200m	芝1500m	芝1800m
芝2000m	芝2600m
ダート1000m	ダート1700m	ダート2400m