- 札幌競馬場芝2600mがどんなコースか解説
- 過去5年間(2018年1月1日~2022年12月31日)42レースのデータから傾向を紹介
- 札幌競馬場芝2600mの攻略法を公開!買うべき馬・消すべき馬を徹底分析
今回は札幌競馬場芝2600mの特徴と傾向を、過去5年間(2018年1月1日~2022年12月31日)42レースから導き出された8つの傾向データをもとに徹底分析し、好走馬・期待値の高い馬を見つけるヒントを探ります。施行数は決して多くないですが、傾向を掴むことで間違いなく勝利に近づくでしょう。記事後半では、データをさらに深掘りし、札幌競馬場芝2600mの攻略法を紹介するので、ぜひ馬券検討の参考にしてください。
札幌競馬場芝2600mの概要・特徴
まずは札幌競馬場芝2600mがどんなコースなのか、概要と傾向データを紹介し解説していきます。
コース概要
札幌競馬場は全体の高低差が約0.7mとほぼ平坦で、北海道開催特有の100%洋芝であることが大きな特徴です。芝2600mのスタート地点は、向正面の中央付近。最初のコーナーまでの距離は、約160mと非常に短くなっています。よく比較される函館競馬場との大きな違いは、スパイラルカーブを採用している函館競馬場とは違い、1〜2コーナー・3〜4コーナーともに大きく丸みを帯びているので、他のローカル競馬場とは違い小回りではないこと。コーナーを6つ回り、最後の直線は約266mとJRA全10場で函館競馬場の次に短い設定となっています。
洋芝の特徴
日本の競馬場に敷かれている芝は、大きく分けて『野芝』と『洋芝』と『オーバーシード(野芝と洋芝を混合)』の3種類。とりわけ北海道にある札幌競馬場・函館競馬場は、本州と比べ寒冷地であり野芝が育たないため、100%洋芝が敷かれているのが大きな特徴です。洋芝は野芝と比較し、クッション性が高い分パワーが必要で、時計がかかりやすいといった大きな特徴があります。そのため、野芝やオーバーシードを敷いた競馬場のスピード競馬に対応できず凡走が続いていたのに、北海道開催になると別馬のように好走する『洋芝巧者』が存在するほどで、競走馬にとって芝の違いによる影響は大きいようです。
レコードタイム
札幌競馬場芝2600m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
レコードタイム | 2:37.6 | 牝5 | ポンデザール | 2020年8月8日 |
札幌競馬場芝2600mのレコードタイムは、2020年8月8日にポンデザールが記録した2:37.6。同馬は典型的な洋芝巧者で、このレースまでに札幌競馬場で2戦2勝していました。レースでは、ポンデザールはまずまずのスタートを決め5.6番手に控えると、2周目の3コーナーからマクリ気味に位置をあげていき、4コーナーで早くも2番手まで押し上げました。その後、直線に向いてもハーツクライ産駒らしく長くいい脚を使い、終わってみれば2着に4馬身半差をつける圧勝。得意の札幌競馬場でそれまでのコースレコードを1.1秒も縮めました。
平均勝ちタイムとラップタイム
札幌競馬場芝2600mにおける、平均勝ちタイムとラップタイムは以下のとおりです。
クラス | 平均勝ちタイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|
新馬 | ー | ー | ー | ー |
未勝利 | 2:43.3 | 37.7 | 36.7 | 97 |
1勝 | 2:42.0 | 37.6 | 36.3 | 97 |
2勝 | 2:41.3 | 37.2 | 36.6 | 98 |
3勝 | ー | ー | ー | ー |
OP・重賞 | 2:40.9 | 37.5 | 36.3 | 97 |
札幌競馬場芝2600mは、新馬戦・3勝クラスの開催はありません。馬場状態により0.5〜1.0秒ほど誤差はありますが、平均タイムを超える勝ち時計を出した馬は、クラスがあがっても期待ができます。最初のコーナーまでの距離が短いため前半のタイムは落ち着きやすく、どのクラスにおいても後傾ラップになるようです。前半じっくりと足を溜め、後半で長くいい脚を使った馬が好走する傾向にあるということが、ラップから分かります。
札幌競馬場芝2600mで行われる重賞レース一覧
札幌競馬場芝2600mは重賞レースの開催がなく、オープン特別の『札幌日経OP』『丹頂S』が行われます。どちらのレースも札幌競馬場を得意とする馬が好走する傾向にあり、近年ではボスジラやポンデザール、カウディーリョなど、こちらのコースを「庭」としている馬が何度も馬券になっているのがおもしろいですね。
札幌競馬場芝2600mの傾向データ
ここからは、札幌競馬場芝2600mにおける過去5年間(2018年1月1日〜2022年12月31日)42レースの傾向データを紹介します。さまざまな角度からこちらのコースの特徴を分析していくので、馬券予想の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 40.5 | 52.4 | 61.9 | 100 | 78 |
2 | 26.2 | 35.7 | 52.4 | 105 | 81 |
3 | 16.7 | 31.0 | 52.4 | 85 | 92 |
4 | 7.1 | 19.0 | 28.6 | 57 | 59 |
5 | 7.1 | 21.4 | 33.3 | 56 | 85 |
6 | 0.0 | 11.9 | 21.4 | 0 | 66 |
7 | 2.4 | 12.2 | 19.5 | 76 | 86 |
8 | 0.0 | 4.9 | 9.8 | 0 | 66 |
9 | 0.0 | 7.7 | 7.7 | 0 | 56 |
10~ | 0.0 | 1.5 | 4.5 | 0 | 54 |
人気馬が期待に応えて好走する傾向にあるようで、とりわけ1~3番人気の勝率・連対率が優秀です。軸は1~3番人気から選ぶのが無難でしょう。下位人気からは7番人気が多少良いものの、全体的に好走率・回収値ともに悪く、1着になることはほぼないので、買うとしても相手までで良いでしょう。
枠順別
枠順 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7.1 | 14.3 | 35.7 | 30 | 114 |
2 | 9.5 | 28.6 | 28.6 | 54 | 101 |
3 | 4.7 | 12.5 | 21.9 | 20 | 63 |
4 | 6.3 | 14.1 | 21.9 | 18 | 56 |
5 | 9.1 | 18.2 | 25.8 | 31 | 64 |
6 | 9.9 | 16.9 | 23.9 | 43 | 61 |
7 | 7.8 | 13.0 | 20.8 | 64 | 55 |
8 | 11.3 | 18.8 | 26.3 | 49 | 69 |
コース形態からして内枠が有利なトラックバイアスが存在していることを、1、2枠の複勝回収値が裏付けています。コーナーを6回まわるので、距離ロスなく運ぶことが非常に重要です。その他の枠に大きな偏りはありません。
脚質別
脚質 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 14.3 | 20.4 | 30.6 | 133 | 92 |
先行 | 17.1 | 31.0 | 45.7 | 64 | 109 |
差し | 4.4 | 11.5 | 19.8 | 16 | 59 |
追込 | 0.8 | 1.6 | 3.1 | 4 | 11 |
逃げ・先行馬が好走率、回収値ともに非常に優秀です。レースの展開を予想する際、前につけられる馬がどの馬なのか考えることが、勝利への近道となります。反対に、差し・追い込み馬には非常に厳しいコースのようで、他競馬場で中団から後方に構え末脚を活かし好走していたとしても、こちらのコースでは凡走する可能性が高く、人気であっても割引が必要でしょう。
種牡馬別
種牡馬 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ハーツクライ | 14.5 | 21.8 | 43.6 | 61 | 107 |
ディープインパクト | 12.8 | 31.9 | 42.6 | 38 | 98 |
ドゥラメンテ | 45.5 | 54.5 | 63.6 | 257 | 115 |
キズナ | 23.1 | 38.5 | 46.2 | 290 | 254 |
ルーラーシップ | 10.3 | 10.3 | 13.8 | 27 | 18 |
ハービンジャー | 4.5 | 13.6 | 22.7 | 21 | 44 |
キングカメハメハ | 13.3 | 20.0 | 20.0 | 44 | 41 |
ステイゴールド | 6.7 | 20.0 | 33.3 | 17 | 69 |
ゴールドシップ | 5.6 | 5.6 | 11.1 | 21 | 18 |
オルフェーヴル | 0.0 | 9.5 | 14.3 | 0.0 | 44 |
ハーツクライ、ディープインパクトを父に持つ馬が良い成績をあげています。札幌競馬場を得意とし、コースレコードを持つポンデザールもハーツクライ産駒。直線は短いですがコーナーが大きく緩やかなため、長くいい脚が活きるコース設定なのでしょう。加えてまだサンプルは少ないものの、ドゥラメンテ・キズナ産駒も好成績を残しているので、今後はこの2頭が中心となっていきそうです。一方でゴールドシップ、オルフェーヴル産駒は全く好走出来ていないので、割引が必要です。
父系統別
父系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
サンデーサイレンス系 | 8.4 | 17.8 | 27.8 | 40 | 79 |
ミスタープロスペクター系 | 11.2 | 15.0 | 19.6 | 55 | 40 |
ノーザンダンサー系 | 5.7 | 15.7 | 21.4 | 25 | 41 |
ナスルーラ系 | 0.0 | 0.0 | 9.1 | 0 | 67 |
その他エクリプス系 | 0.0 | 22.2 | 33.3 | 0 | 305 |
回収値を見てもハーツクライ、ディープインパクト、キズナが含まれるサンデーサイレンス系が頭一つ抜けています。
ドゥラメンテを除くミスタープロスペクター系は、割引が必要です。
騎手別
騎手名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
C.ルメール | 41.7 | 50.0 | 62.5 | 135 | 86 |
池添謙一 | 16.7 | 27.8 | 33.3 | 79 | 80 |
武豊 | 15.4 | 46.2 | 61.5 | 39 | 88 |
吉田隼人 | 7.4 | 18.5 | 22.2 | 44 | 41 |
横山武史 | 8.3 | 12.5 | 33.3 | 34 | 75 |
団野大成 | 10.5 | 10.5 | 21.1 | 27 | 37 |
藤岡康太 | 9.1 | 27.3 | 45.5 | 66 | 103 |
岩田康誠 | 9.1 | 27.3 | 36.4 | 284 | 154 |
藤岡佑介 | 4.5 | 9.1 | 31.8 | 15 | 53 |
丹内佑次 | 5.0 | 5.0 | 20.0 | 19 | 49 |
古川吉洋 | 0.0 | 4.3 | 4.3 | 0 | 6 |
こちらのデータから、C.ルメール騎手と武豊騎手を馬券から外すのは危険。とくにC.ルメール騎手に関しては、勝率から考えて人気であっても逆らわず、軸の最有力候補として考えるべきです。一方で、北海道出身で騎乗数が多い丹内佑次騎手ですが、成績はイマイチ。こちらのコースが得意というわけではないようです。藤岡佑介騎手も平均4.1人気に対し、平均5.6着と大きく期待を裏切っているので割引が必要といえるでしょう。
調教師別
調教師名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複勝 |
---|---|---|---|---|---|
堀宣行 | 45.0 | 50.0 | 65.0 | 161 | 136 |
国枝栄 | 38.5 | 53.8 | 69.2 | 105 | 93 |
小島茂之 | 16.7 | 25.0 | 25.0 | 36 | 33 |
西村真幸 | 10.0 | 30.0 | 60.0 | 73 | 128 |
矢作芳人 | 3.8 | 7.7 | 23.1 | 24 | 74 |
池江泰寿 | 0.0 | 20.0 | 20.0 | 0 | 46 |
手塚貴久 | 0.0 | 0.0 | 10.0 | 0 | 16 |
音無秀孝 | 14.3 | 14.3 | 71.4 | 18 | 87 |
須貝尚介 | 0.0 | 11.1 | 11.1 | 0 | 17 |
寺島良 | 0.0 | 14.3 | 14.3 | 0 | 85 |
堀調教師の管理馬は回収値が素晴らしく、買い続ければ大幅にプラスになるので絶対に押さえておきたいです。国枝調教師の管理馬も馬券から外すのは危険といえる好成績ですね。一方、矢作調教師の管理馬は出走が多いものの勝率、連対率が悪いのが分かります。馬券検討では、3着までと考えるべきでしょう。
所属トレセン別
所属 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 10.0 | 17.0 | 23.9 | 36 | 66 |
栗東 | 7.1 | 16.4 | 26.0 | 43 | 72 |
所属トレセンによる傾向データの大きな偏りはありませんでした。
札幌競馬場芝2600mの傾向・データまとめ
ここまで8つのデータを使って、札幌競馬場芝2600mの傾向を紹介してきました。特に重要なポイントは以下のとおりです。
- 1~3番人気は非常に優秀な成績。軸候補はこちらから考えよう
- 1・2枠は複勝回収値100%超え。買い続ければプラス収支に
- 逃げ・先行馬が好走しており回収値も優秀。追い込み馬は基本的に消し
- ハーツクライ・ディープインパクト産駒の成績が優秀。今後はドゥラメンテ・キズナ産駒にも注目
- オルフェーヴル・ゴールドシップ産駒は割引が必要
- 父系統はサンデーサイレンス系が中心。ドゥラメンテ以外のミスプロ系は割引
- C.ルメール・武豊騎手は人気でも逆らえない。藤岡佑介騎手は人気でも疑う
- 堀・国枝調教師は出走があれば必ずチェック。矢作調教師は3着まで
札幌競馬場芝2600mの攻略方法
ここからは札幌競馬場芝2600mの傾向データを深掘りし、買うべき馬・消すべき馬を紹介していきます。馬券を検討する際の参考にしてください。
データから見るここが買い【4番人気以下×1枠】
人気別データから1~3番人気が軸候補とお伝えしましたが、配当妙味を考えて相手としておすすめしたいのが4番人気以下の1枠です。
札幌競馬場芝2600mにおける1枠の人気別成績
勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 | |
---|---|---|---|---|---|
4番人気以下 | 3.3 | 10.0 | 36.7 | 19 | 142 |
勝率、連対率は良くないので注意してください。『1~3番人気を軸にし、4番人気以下の1枠を相手とするワイドか3連複』がおすすめで、期待値が高い買い目となります。
データから見るここが割引【追い込み馬×内枠】
脚質データから、追い込み馬には厳しいコースと解説しましたが、内枠に入るとさらに成績が悪く大幅な割引が必要だということが分かりました
札幌競馬場芝2600mにおける追い込み馬の枠別成績
着度数 | |
---|---|
1~4枠 | 0-0-0-48 |
5~8枠 | 1-1-2-77 |
内枠の追い込み馬は人気でも消しで問題ないでしょう。
データの裏を狙う【逃げ馬は8枠に限り割引】
脚質別データで逃げ馬の成績が良いことが分かりましたが、8枠に入った場合はその限りではないようです。
札幌競馬場芝2600mにおける逃げ馬の成績
勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 | |
---|---|---|---|---|---|
全体 | 14.3 | 20.4 | 30.6 | 133 | 92 |
8枠 | 16.7 | 16.7 | 16.7 | 35 | 18 |
スタートしてすぐにコーナーを迎えるため、ハナを奪うのにいつもよりエネルギーを使ってしまい最後にはおつりがなくなり失速してしまうということでしょうか。平均3.8番人気と、それなりに人気になっているにも関わらず凡走しているので、思い切って消して高配当狙うのが、期待値が高くおすすめです。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
ここからは札幌競馬場芝2600mにおいて、開催時期や馬場状態でどのように傾向が変わるのか、それによってどんな馬を狙うべきでどんな馬を消すべきなのかを詳しく解説します。
稍重・重・不良なら人気薄の逃げ・先行馬が買い
雨が降り、馬場状態が『稍重・重・不良』となったときは追い込み馬だけでなく、差し馬の成績もかなり悪くなるので人気であっても過信は危険です。
札幌競馬場芝2600における稍重・重・不良馬場での脚質別成績
勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 | |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 28.6 | 28.6 | 57.1 | 211 | 108 |
先行 | 16.7 | 44.4 | 55.6 | 53 | 141 |
差し | 0.0 | 0.0 | 6.7 | 0 | 37 |
追い込み | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0 | 0 |
馬場が渋ったときは、人気薄の逃げ・先行馬が狙い目となります。
札幌競馬場芝2600mまとめ
今回は、札幌競馬場芝2600mについて特徴を解説し、8つの傾向データから好走馬を見つけるヒントを探りました。
- 1~3番人気は非常に優秀な成績。軸候補はこちらから考えよう
- 1・2枠は複勝回収値100%超え。買い続ければプラス収支に
- 逃げ・先行馬が好走しており回収値も優秀。追い込み馬は基本的に消し
- ハーツクライ・ディープインパクト産駒の成績が優秀。今後はドゥラメンテ・キズナ産駒にも注目
- オルフェーヴル・ゴールドシップ産駒は割引が必要
- 父系統はサンデーサイレンス系が中心。ドゥラメンテ以外のミスプロ系は割引
- C.ルメール・武豊騎手は人気でも逆らえない。藤岡佑介騎手は人気でも疑う
- 堀・国枝調教師は出走があれば必ずチェック。矢作調教師は3着まで
- 『4番人気以下の1枠』の複勝回収値が高いので、複系馬券がおすすめ
- 『8枠の逃げ馬』は回収値が低く、割引が必要
- 馬場が渋れば人気薄の逃げ・先行馬を狙う
いかがだったでしょうか。この記事を、馬券検討の参考にしていただければ幸いです!
それでは、よき競馬ライフを!
コメント