- 中山競馬場芝2500mがどんなコースか分かる!
- 8つの傾向データを紹介
- 中山競馬場芝2500mで買うべき馬・消すべき馬が分かる!
今回紹介するのは、中山競馬場芝2500mの特徴と傾向です。中山競馬場芝2500mと言えば、まず思い浮かぶのはGI有馬記念。年末恒例のグランプリレースは、この舞台で行われます。中山競馬場芝2500mの勝者の条件は何か。コースの特徴を調べるとともに、データをしっかり分析していきます。
中山競馬場芝2500mの概要・特徴
中山競馬場芝2500mのコース概要や特徴は以下の通りです。
コース概要
競走馬にとって長丁場となる中山競馬場芝2500mは、同競馬場外回りコースの3コーナー手前からスタートします。まずは緩やかな下り坂を進み、4コーナー、そしてスタンド前の直線へ。中山競馬場のゴール前は名物と言われる高低差2.2mの急坂がありますが、まずは1回目の通過。その後は内回りコースを進んで、勝負どころは下り坂となる3コーナー過ぎあたりから。4コーナーを回って最後の直線の310mはJRAメーン開催の4場の中では最も短い距離となります。
JRAメイン4場芝コースの最後の直線距離
競馬場 | 直線距離 |
---|---|
中山競馬場 | 310m |
京都競馬場 | 323.4~403.7m |
阪神競馬場 | 356.5~476.3m |
東京競馬場 | 525.9m |
ゴール前に立ちはだかる急坂は、長距離走破で力を消耗した馬たちにとっては超難関。最後の最後で着順が入れ替わるどんでん返しの可能性も含まれています。
レコードタイム
次に中山芝2500mのレコードタイムを見てみましょう。
中山芝2500m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
3歳以上レコード | 2:29.5 | 牡4 | ゼンノロブロイ | 2004年12月26日 |
中山芝2500mのレコードは2004年の有馬記念でゼンノロブロイがマークしました。3歳時の2003年はダービー2着、菊花賞4着と、GIタイトルに届かなかったものの、古馬になって本格化。2004年の天皇賞・秋、ジャパンカップ、そして有馬記念とGIを3連勝して、この年の年度代表馬に輝きました。
秋の古馬3冠と言われる天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念を3連勝した競走馬はゼンノロブロイと、2000年のテイエムオペラオーの2頭のみ。テイエムオペラオーは1999年に皐月賞、ダービーと2冠を達成。翌年の2000年に天皇賞・春、宝塚記念を制しており、秋の古馬3冠を合わせて、この年にGIを5勝しています。
ゼンノロブロイは種牡馬としても、2010年のオークス馬、サンテミリオンを輩出するなど大活躍。2022年にゼンノロブロイはこの世を去っていますが、有馬記念のレコードタイムは燦然と輝き続けています。
平均タイムとラップ
中山競馬場芝2500mの過去5年間の平均タイムは以下の通りです。
格 | R数 | タイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|---|
1勝 | 7 | 2:35.1 | 37.8 | 35.5 | 94 |
2勝 | 25 | 2:34.6 | 37.3 | 35.8 | 96 |
3勝 | 10 | 2:34:7 | 37.0 | 36.0 | 97 |
重賞・OP | 10 | 2:33:3 | 36.6 | 36.1 | 99 |
前半と後半のラップ比較を見ると、序盤はゆったり流れ、勝負どころで一気にペースが上がるイメージ。ただ、重賞やオープン戦では前半と後半のタイム差はあまり変わらず、ラスト3ハロンは、1~3勝クラスよりも遅くなっています。長丁場のレースとはいえ、レベルが上がると最初から最後まで息の抜けない展開になっているということでしょう。
中山競馬場芝2500mで行われる重賞レース一覧
中山競馬場芝2500mで行われる重賞レースは以下の通りです。
レース名(グレード) | 1着賞金 | 開催時期 |
---|---|---|
有馬記念(GI) | 5億円 | 12月下旬 |
日経賞(GⅡ) | 6700万円 | 3月下旬か4月上旬 |
多くの名馬たちが激戦を繰り広げた伝統の有馬記念は、2023年から1着本賞金が、前年までの4億円から5億円に増額されました。年末の国民的行事とも言えるグランプリレースはますます熱を帯びています。中山競馬場芝2500mは春のGⅡ、日経賞の舞台。位置付けはGI天皇賞・春の前哨戦で、ファンの注目度も高いレースです。
中山競馬場芝2500mの傾向データ(2019年〜2023年の過去5年)
ここからは中山競馬場芝2500mにおける過去5年間のデータを紹介します。8項目にわたって分析していきますので、馬券の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 46.2 | 65.4 | 76.9 | 106 | 98 |
2 | 17.3 | 38.5 | 59.6 | 65 | 93 |
3 | 15.4 | 21.2 | 46.2 | 88 | 80 |
4 | 9.6 | 21.2 | 32.7 | 59 | 69 |
5 | 1.9 | 21.2 | 23.1 | 18 | 58 |
6 | 1.9 | 15.4 | 23.1 | 25 | 71 |
7 | 5.8 | 9.6 | 17.3 | 123 | 66 |
8 | 0.0 | 0.0 | 8.2 | 0 | 47 |
9 | 0.0 | 0.0 | 2.3 | 0 | 12 |
10〜 | 1.1 | 2.2 | 3.3 | 55 | 49 |
1番人気の信頼度はかなり高め。おおよそ2回に1回は勝っている、という計算となります。
2、3番人気の成績も良く、勝ち馬の8割近くが1~3番人気での決着。長丁場のレースですから、やはり実績がモノを言うのでしょうか。無理な穴狙いは避けたほうがよさそうです。
枠順別
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4.8 | 11.3 | 19.4 | 15 | 36 |
2 | 6.2 | 13.8 | 23.1 | 32 | 45 |
3 | 11.3 | 14.1 | 23.9 | 81 | 53 |
4 | 4.1 | 13.5 | 23.0 | 17 | 54 |
5 | 12.6 | 26.4 | 35.6 | 76 | 121 |
6 | 7.6 | 18.5 | 23.9 | 45 | 47 |
7 | 7.4 | 12.8 | 26.6 | 27 | 74 |
8 | 10.6 | 17.0 | 18.1 | 124 | 51 |
5、8枠の良績が目立ちます。意外なのは1枠。距離をロスすることなく運べそうなイメージですが、勝率、連対率は伸びていません。理由は推測しづらいですが、長距離戦なので外目の枠の方が、内の馬たちの動きを見ながら落ち着いて立ち回れる、というのもあるかもしれません。
脚質別
脚質 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 8 | 13.8 | 22.4 | 29.3 | 183 | 92 |
先行 | 23 | 13.2 | 24.7 | 37.9 | 67 | 81 |
差し | 17 | 7.4 | 16.5 | 24.8 | 29 | 69 |
追込 | 2 | 1.2 | 3.6 | 6.1 | 31 | 18 |
捲り | 3 | 25.0 | 33.3 | 50.0 | 78 | 95 |
勝ち星では先行、差しの順。それでも逃げ馬の回収率が高いのは魅力的。ラップ比較からもスローペースで流れることが多いようですし、的中率は下がるとしても、当コースでは逃げ馬を追い続けるのがお得となるのは覚えておいた方がいいでしょう。
種牡馬別
種牡馬 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 6 | 6.5 | 13.0 | 26.1 | 18 | 57 |
ハーツクライ | 6 | 10.5 | 17.5 | 28.1 | 142 | 165 |
エピファネイア | 6 | 40.0 | 46.7 | 46.7 | 110 | 62 |
ルーラーシップ | 3 | 6.8 | 11.4 | 18.2 | 32 | 33 |
ステイゴールド | 2 | 7.4 | 18.5 | 22.2 | 38 | 47 |
ゴールドシップ | 2 | 6.1 | 15.2 | 15.2 | 13 | 29 |
ドゥラメンテ | 2 | 15.4 | 30.8 | 38.5 | 30 | 75 |
ジャスタウェイ | 2 | 15.4 | 30.8 | 38.5 | 35 | 80 |
トーセンラー | 2 | 66.7 | 66.7 | 66.7 | 1120 | 296 |
ネロ | 2 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 390 | 150 |
3頭が6勝を挙げています。最も回収率がいいのはハーツクライ産駒。回収率は100%を超えています。トーセンラー産駒は出走3回とサンプルは不足しているもの、2頭が勝利をマークして回収率はなんと1000%以上。ネロの2勝は産駒のニシノレヴナント1頭で挙げた数字です。
父系統別
系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ロイヤルチャージャー系 | 9.8 | 18.3 | 26.3 | 74 | 75 |
ナスルーラ系 | 8.7 | 17.4 | 21.7 | 46 | 37 |
ニアークティック系 | 5.6 | 7.4 | 14.8 | 20 | 23 |
ネイティヴダンサー | 4.8 | 13.7 | 21.9 | 18 | 43 |
父系統ではロイヤルチャージャー系がリードしています。種牡馬別の上位組ではディープインパクト、ハーツクライ、エピファネイア、ステイゴールド、ゴールドシップ、ジャスタウェイ、トーセンラーがロイヤルチャージャー系です。
騎手別
騎手名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
C.ルメール | 7 | 35.0 | 45.0 | 75.0 | 111 | 110 |
横山典弘 | 5 | 31.3 | 37.5 | 43.8 | 142 | 68 |
横山和生 | 4 | 28.6 | 42.9 | 57.1 | 718 | 239 |
大野拓弥 | 4 | 13.8 | 13.8 | 20.7 | 43 | 25 |
田辺裕信 | 3 | 10.7 | 17.9 | 32.1 | 118 | 76 |
戸崎圭太 | 2 | 7.7 | 26.9 | 38.5 | 22 | 65 |
永野猛蔵 | 2 | 15.4 | 30.8 | 38.5 | 227 | 113 |
菅原明良 | 2 | 11.8 | 23.5 | 23.5 | 41 | 33 |
横山武史 | 2 | 9.5 | 14.3 | 28.6 | 50 | 48 |
丸山元気 | 2 | 11.8 | 17.6 | 17.6 | 76 | 42 |
名手・ルメール騎手が最多の7勝。勝率も4割近い数字を残しています。有馬記念は2005年ハーツクライ、2016年サトノダイヤモンド、2022年イクノイックスと3勝をマーク。複勝率は75.0%、単、複の回収率も100%超えなら逆らう理由がありません。穴馬を探すなら単勝回収率が飛び抜けていい横山和生騎手をマークしてみてはいかがでしょうか。
調教師別
調教師名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
国枝栄 | 4 | 16.7 | 33.3 | 41.7 | 46 | 105 |
久保田貴士 | 4 | 30.8 | 30.8 | 53.8 | 119 | 85 |
中野栄治 | 4 | 50.0 | 50.0 | 62.5 | 158 | 83 |
上原博之 | 4 | 50.0 | 50.0 | 50.0 | 437 | 101 |
手塚貴久 | 3 | 17.6 | 17.6 | 29.4 | 77 | 44 |
栗田徹 | 3 | 30.0 | 30.0 | 40.0 | 323 | 111 |
友道康夫 | 2 | 11.8 | 17.6 | 35.3 | 46 | 68 |
木村哲也 | 2 | 25.0 | 37.5 | 62.5 | 66 | 100 |
清水久詞 | 2 | 40.0 | 60.0 | 80.0 | 346 | 326 |
田村康仁 | 1 | 7.7 | 30.8 | 30.8 | 17 | 40 |
4勝で4人が並んでいますが、2着も4回ある国枝栄調教師が成績トップ。重賞勝ちには恵まれていないものの、条件戦では結果を出しています。重賞に限れば栗田徹調教師の2勝が最多。2022、23年にタイトルホルダーの日経賞連覇が反映されています。
東西別
所属トレセン | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 9.7 | 12.9 | 17.7 | 32 | 30 |
栗東 | 4.7 | 14.1 | 22.4 | 22 | 61 |
勝率は美浦が上で、連対率と複勝率は栗東という結果になっています。軸は美浦組の中から選び、栗東組へと流す、という買い方がよいかもしれません。
中山競馬場芝2500mの傾向・データまとめ
ここまでデータを使って中山競馬場芝2500mの傾向を紹介してきました。特に重要だと感じたポイントは以下の通りです。
- 1番人気は抜群の信頼度
- 1枠は苦戦気味
- 脚質では先行、差し。回収率がいい逃げ馬を追い続けるのも手
- ロイヤルチャージャー系が好走。特にハーツクライがおすすめ
- ルメール騎手には逆らいづらい。回収率なら横山和生騎手
- 国枝栄調教師の管理馬に注目。ただし良績は重賞以外
中山競馬場芝2500mの攻略方法
ここからは中山競馬場芝2500mの傾向データを深堀りし、買うべき馬、割り引きが必要な馬のタイプを紹介していきます。
データから見るここが買い
中山競馬場芝2500mの馬券検討は、どの馬が逃げるかに着目することから始めた方がよさそう。その見極めさえできれば、200%近くある回収率が転がり込んでくることになります。スタートからゴールまでコーナーを6回通過するコース設定。各馬はその都度減速が必要になるので、逃げ馬にとっては息も入れやすく、人気薄でもハマりやすい流れが生まれがちです。
先行、差しを狙うより的中率は下がることになりそうなので、資金に余裕がなければおススメはできません。ただ、逃げ馬を追い続ければプラスになるというデータは覚えておいた方がいいでしょう。
データから見るここが割引
1番人気の信頼度が抜群で、2、3番人気の成績も優秀。1~4番人気までの勝率は約9割あるので、5番人気以下はよほど気になる存在でなければ軸にするのは避けた方がいいかもしれません。長距離戦は騎手と馬が呼吸を合わせながら、いかに折り合ってレースを進めるかも重要。実績や経験が豊富な馬が力を発揮しやすい条件であることは、数字にしっかり表れています。
データの裏を狙う
種牡馬別ではディープインパクト、ハーツクライ、エピファネイアなどの好成績が目立ちます。ランク外ですがマークした方がいいのはスクリーンヒーロー。2015年の有馬記念、2016年の日経賞を勝ったゴールドアクターや、2021年の日経賞覇者ウインマリリンを輩出するなど、産駒は中山芝2500mで強さを発揮してきました。
過去5年も勝率は14.3%。単勝回収率は121%とまずまずの数値をマーク。2023年限りで種牡馬を引退しましたが、産駒は残っていますのでまだまだ注目が必要です。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
逃げ馬有利の中山競馬場芝2500mですが、開催時期によっては注意が必要です。中山競馬場の9月は野芝メーンで行われるため高速決着になりやすく、もともとのスピードが豊富な逃げ馬に有利と言われています。
中山競馬場の芝コースは暑さに強いと言われる野芝と、寒さに強い洋芝を時期によって使い分けます。野芝は洋芝と比べると表面が固いのでスピードが出やすく、洋芝はクッション性が高いので走るにはパワーが必要とされています。
ただ、開催後半になると馬場は内側から荒れてくるので、コースの内々を走る逃げ馬にとっては不利な条件となります。特に有馬記念が行われる冬場などは芝コースの悪化が顕著になるので、逃げ馬をやみくもに信頼するのは危険。差し、追い込み勢の一考が必要でしょう。
中山競馬場芝2500mまとめ
中山競馬場芝2500mの攻略ポイントを以下のように整理しました。
- 1番人気の成績が超優秀
- 5番人気以降の勝率は激低。無理な穴狙いは危険
- 1枠は苦戦気味
- 的中率は下がっても逃げ馬を追い続けるのがお得。9月開催は信頼度アップ
- 種牡馬でのおすすめはハーツクライ、スクリーンヒーロー
- ルメール騎手には逆らいづらい。回収率なら横山和生騎手
- 国枝栄調教師の管理馬に注目。ただし良績は重賞以外
この記事が馬券検討の材料になればうれしいです。
それでは、よき競馬ライフを!
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