- 2023年函館スプリントステークス(函館SS)の予想を様々な角度(過去傾向・展開)から分析
- 競馬歴17年の筆者が激推し穴馬と買い目を公開
- 当記事を見れば函館スプリントステークス(函館SS)の予想が網羅できる
函館スプリントステークス(函館SS)2023
2023/6/11(日) 函館競馬場11R
函館スプリントステークス(函館SS) G3 3歳以上オープン 別定
芝1200m
函館競馬場芝1200mコース解説
スタート地点は2コーナー奥のポケット地点。スタートから4コーナー手前まで、緩やかな上りが続きます。スタートから3コーナーまでの距離は約490mと長め。3・4コーナーはスパイラルカーブが採用されています。4コーナー途中からゴールまでは緩やかな下りで、直線は約262mとJRAの全10場で最も短い設定です。そして非常に重要となるのは、100%洋芝であること。洋芝は野芝と比べて力を要するため、スピードだけでなくタフさと洋芝適性も求められます。
逃げ・先行馬が有利
これもう見た?函館競馬場芝1200mの特徴と傾向まとめ|攻略法も一挙公開
出馬表
馬番 | 馬名 | 馬齢・脚質 | 騎手 |
---|---|---|---|
1 | トウシンマカオ | 牡4【・先差・】 | 鮫島駿 |
2 | レイハリア | 牝5【・先差・】 | 亀田 |
3 | サトノアイ | 牝5【・先差・】 | 富田 |
4 | カイザーメランジェ | 牡8【・先差追】 | 吉田隼 |
5 | ヴィズサクセス | 牡6【・先差・】 | 岩田康 |
6 | ウォーターナビレラ | 牝4【・先・・】 | 武豊 |
7 | ジュビリーヘッド | 牡6【・先差・】 | 西村淳 |
8 | リバーラ | 牝3【・先・・】 | M.デムーロ |
9 | ディヴィナシオン | 牡6【・・差追】 | 松田 |
10 | テイエムトッキュウ | 牡5【逃・・・】 | 津村 |
11 | ジャスパークローネ | 牡4【逃・・・】 | 浜中 |
12 | ムーンプローブ | 牝3【・先差・】 | 北村友 |
13 | ブトンドール | 牝3【・・差追】 | 池添 |
14 | ヴァトレニ | セ5【逃先・・】 | 幸 |
15 | キミワクイーン | 牝4【・先・・】 | 横山武 |
16 | カルネアサーダ | 牝4【・先・・】 | 角田和 |
函館スプリントステークス(函館SS)2023|過去10年間レース傾向・データ分析
枠順別
枠順 | 着順 | 複勝率 |
---|---|---|
1枠 | 1.0.2.14 | 17.6% |
2枠 | 0.1.0.16 | 5.9% |
3枠 | 2.2.1.12 | 29.4% |
4枠 | 1.0.3.14 | 22.2% |
5枠 | 1.1.1.16 | 15.8% |
6枠 | 1.2.1.15 | 21.0% |
7枠 | 3.1.1.15 | 25.0% |
8枠 | 1.3.1.14 | 26.3% |
2枠の成績が悪く、過去10年で馬券内となったのは2016年のシュウジのみ。2021年には2番人気のシゲルピンクルビーが9着に敗れるなど、人気にもかかわらず凡走しているケースもあり、割引が必要かもしれません。
脚質別
脚質 | 着順 | 複勝率 |
---|---|---|
逃げ | 3.1.1.5 | 50.0% |
先行 | 4.3.2.27 | 25.0% |
差し | 2.4.2.42 | 16.0% |
追込 | 1.2.5.42 | 16.0% |
逃げ・先行馬の好走が目立ちます。特に逃げた馬は複勝率50%と好成績なことから、人気薄でも注目したほうがよいでしょう。
人気別
人気 | 着順 | 複勝率 |
---|---|---|
1番人気 | 2.1.2.5 | 50.0% |
2番人気 | 0.2.0.8 | 20.0% |
3番人気 | 2.0.2.6 | 40.0% |
4番人気 | 1.1.2.6 | 40.0% |
5番人気 | 2.1.0.7 | 30.0% |
上位人気馬が好走傾向にある中、2番人気の凡走が目立つ。最終オッズ2番人気になりそうな馬は、過信しすぎないようにしましょう。
過去5年間の3連単配当
開催年 | 3連単配当 |
---|---|
2018年 | 81,900円 |
2019年 | 14,460円 |
2020年 | 64,550円 |
2021年 | 15,280円 |
2022年 | 88,700円 |
過去5年で3連単10万超えはなく、大波乱には期待しにくいようです。ただ人気馬同士の決着は少なく、昨年は13番人気のタイセイアベニールが3着に激走するなど、人気馬+穴馬の決着が多い傾向にあります。
前走レース
レース名 | 着順 | 複勝率 |
---|---|---|
桜花賞 | 3.0.0.2 | 60.0% |
京王杯SC | 2.0.2.7 | 36.4% |
高松宮記念 | 2.0.1.21 | 12.5% |
オーシャンS | 1.1.0.4 | 33.3% |
韋駄天S | 1.1.0.11 | 15.4% |
桜花賞(1600m)、京王杯SC(1400m)からの距離短縮組が良い結果を出しています。一方、意外にも同距離の高松宮記念(1200m)組からは勝ち馬こそ2頭出ているものの、その他は散々な結果に。前走が同距離のG1であっても、勝てるイメージができない馬は思い切って消すのもアリかもしれません。
東西別
東西 | 着順 | 複勝率 |
---|---|---|
関東馬 | 3.1.5.40 | 18.4% |
関西馬 | 7.9.5.76 | 21.6% |
関西馬のほうが出走頭数が多いので勝ち馬は多いですが、複勝率に大きな差はありません。
重要データ①:3歳馬が活躍
過去10年の年齢別成績では3歳馬の成績が良好。特に3歳牝馬は【3・0・1・5】の成績を残しており、昨年1番人気に応えて優勝したナムラクレアだけでなく、12番人気で勝利し高配当を演出した2016年のソルヴェイグもおり、人気の有無に関わらず注目しておきたい。3歳馬に次ぐのが4歳馬で、若い世代の成績が上位となっている。
JRAデータ分析
重要データ②:先行馬が優勢
小回りで直線の短いコースだけに基本的には前に行ける馬が有利。ここ5年は4コーナーを3番手以内で通過した馬が優勝している。展開予想の目安にしたいのが前走の4コーナーの通過順で、前走の4コーナーを5番手以内で通過していた馬の3着内率が高く、11番手以下だった馬のそれはかなり低くなっている。
JRAデータ分析
重要データ③:重賞勝ちの実績がほしい
過去10年の優勝馬のうち8頭に重賞の優勝経験があった。中でも2歳・3歳限定の重賞を勝っていた馬の優勝が多く、ガルボ、ソルヴェイグ、ジューヌエコール、ビアンフェ、ナムラクレアの5頭がこれに該当する。直近の成績だけでなく、世代限定戦での実績も調べておきたい
JRAデータ分析
毎週重賞レースや平場レースの買い目が無料で配信されます。LINE友達登録するだけで無料情報が届くので、初心者の方でも気軽に有料級の予想をゲットできます。
函館スプリントステークス(函館SS)2023|追い切り評価トップ3
3位:ブトンドール
1週前追い切り
栗東・坂路
800m 52.9-37.5-23.4-11.3(馬なり)
最終追い切り
函館・芝・稍重
5F 67.4-51.4-37.8-11.6(馬なり)
1週前栗東坂路で馬なりラスト1ハロン11.3の猛時計。調子をキープしている様子で、力を出せる状態にありそうです。
2位:ヴァトレニ
1週前追い切り(5/31・水)
栗東・坂路
800m 52.2-37.8-24.1-11.7(直強め)
最終追い切り
函館・芝・稍重
5F 65.1-50.0-36.3-11.5(馬なり)
もともと調教は動けるタイプだが、それにしても1週前追い切りで見せた圧巻の走りは明らかに前走以上。勝利した前々走(北九州記念/1着)と同等か、それ以上の仕上がりと見て良さそうです。
1位:トウシンマカオ
1週前追い切り(5/31・水)
美浦・南W・稍重
6F 82.1-64.9-50.7-35.9-11.4(強め)
最終追い切り(6/7・水)
函館・芝・稍重(鮫島駿)
5F 61.1-45.9-33.7-11.2(直線強め)
1週前、最終追い切りともに抜群の動きで、文句なしのデキ。特筆すべきは最終追い切り、函館芝コース5ハロン61.1秒の良馬場並みの猛時計は、この日の1番時計。鞍上の鮫島克駿騎手が追い切り後「稽古はやれば動く馬ですし、きょうもいい動きでした」と語ったことからも、順調に調整できていることがうかがえます。前走不良馬場のダメージは心配しなくてよさそうです。
函館スプリントステークス(函館SS)2023|展開予想
予想ペース:ハイペース
位置 | 馬番 |
---|---|
逃げ | ⑩⑪ |
先行 | ①⑤⑥⑧⑮ |
中団 | ②③⑦⑬⑭⑯ |
後方 | ④⑨⑫ |
ハナ争いはテイエムトッキュウとジャスパークローネか。とりわけテイエムトッキュウはテンの脚が素晴らしく、逃げ馬の最有力候補となりそう。
それをみる形で、ウォーターナビレラ・リバーラ・キミワクイーン・レイハリアらが先団につけるとみられます。騎手が「位置を取りに行く」と語ったトウシンマカオもこの集団に加わっているかもしれません。
その後ろにはジュビリーヘッド・ブトンドール・ヴァトレニらが控え、さらに後方でカイザーメランジェ・ディヴィナシオン・ムーンプローブらが脚を溜めると予想されます。
日曜日の天気予報は晴れ。タフな洋芝とはいえ、開幕週の函館競馬は高速馬場になります。例年の勝ちタイムを考慮すると、今年も良馬場なら1:07.5前後の時計勝負となると見られ、持ち時計が遅い馬には厳しいレースとなりそうです。
函館スプリントステークス(函館SS)2023|有力馬
ブトンドール
前走は桜花賞に出走し9着に敗退。G1の壁はさすがに高かったか。デビュー戦は今回と同じ函館芝1200mを勝利。次走も同コースで行われる2歳最初の重賞である函館2歳Sを勝利しており、同コースへの適性の高さは証明済み。その後、相手強化で掲示板の確保すらできていないが、そもそもビックアーサー産駒の同馬にとっては1600mが長かっただけかもしれない。得意の1200mで、2勝をあげている舞台で復活の勝利となるか。
トウシンマカオ
前走は高松宮記念に出走し15着と大敗している。敗因は不良馬場で切れ味をそがれて力を出せなかったことだと陣営はコメントしている。2走前のシルクロードSでは、不利な大外枠だったが4着と地力を見せた。G3の1200m戦では大きく崩れておらず、不完全燃焼の近2走から人気を落とすようなら馬券妙味があるかもしれない。
キミワクイーン
前走は春雷Sに出走。最内から先行し、最後は強い勝ち馬に差されたがしぶとく粘り2着で入線した。タフな馬場も苦にする様子はなく、洋芝でも力は発揮できそうだ。横山武史騎手とは相性が良く、手が合っている様子。昨年の北海道開催で好走を繰り返した横山武史騎手の手綱捌きにも注目したい。
リバーラ
昨秋のファンタジーSでは今回人気が予想されるブトンドールの猛追をしのぎ、逃げ切って勝利した。その後は阪神JFと前走のFレビューに出走するもどちらも2ケタ着順に敗退している。ただどちらのレースも先行馬には厳しい展開であったことが一番の敗因であることは明白で、ファンタジーS同様マイペースでいければ巻き返しも十分あり得るだろう。
ウォーターナビレラ
2歳時から頭角を現し、阪神JFでは3着と好走。その後桜花賞でも2着と好走し、世代の牝馬では主役級の活躍を見せた。しかし次走のオークスで13着と大敗した後、2ケタ着順が続いている。そもそも適性ではない距離への挑戦や、馬場状態が悪かったことなどが原因だとすれば、2走続けてのスプリント戦が、開幕週の軽い馬場で巻き返しを狙う。精神面でのダメージがないかは陣営コメントなどから考察が必要だろう。
函館スプリントステークス(函館SS)2023|激推し穴馬
⑭ヴァトレニ 幸騎手 (想定9番人気)
激推しポイント①:追い切りで抜群の動き
激推しポイント一つ目は、調教の動きが絶好調という点です。詳しくは前述の『追い切り評価』をご覧ください。
激推しポイント②:前走の敗退は度外視
激推しポイント2つ目は、前走の敗退は度外視でよいということです。前走の鞍馬S(3人気/9着/0.6差)は不良馬場、59.0㎏の斤量と敗因は明確。完全に参考外で、この敗戦によって人気が落ちているのなら期待値は高いでしょう。今回は斤量57.0㎏、当日は晴れ予報と条件は間違いなく良化します。
激推しポイント③:洋芝適性◎
最後の激推しポイントは、洋芝適性が高いことです。札幌・函館競馬場では【4.0.1.0】と勝率80%、複勝率100%と圧巻の成績。さらに昨年の青函S(函館1200m・OP)では、前走函館SS(函館1200m・G3)で2着と好走したジュビリーヘッドに勝利しています。
函館スプリントステークス(函館SS)2023|予想発表
◎:⑭ヴァトレニ
本命は洋芝巧者のヴァトレニとしました。理由は【激推し穴馬】で紹介したとおりです。
どんどん評価を上げ4番人気になってしまいましたが、それでも期待値は高いと考えています。ひとつ気になる点は、高速決着に対応できるかどうかということ。昨年の青函Sで勝利はしているものの、開催が進み荒れた函館競馬場でのレースで勝ち時計は1:08.6。函館SSは例年1分7秒台の決着となっており、雨は降らない予報の明日も同じような時計が予想されます。本命ではあるものの、馬券的には1頭軸にはしないつもりです。
〇:⑬ブトンドール
対抗は3歳牝馬のブトンドールとしました。理由は以下のとおりです。
- データ上、買い材料が多かった(前走桜花賞、3歳牝馬、2歳重賞勝ち)
- 調教が良かった
正直、未知な部分が多く、初めての古馬との1200mでの対戦でテンの早さについていけるかなど不安材料も多いですが、買い材料の多さから高い評価としました。昨年のナムラクレアと同じようにはいかないまでも、斤量差を最大限に活かし好走してくれればと思います。
▲:⑩テイエムトッキュウ
逃げ馬のテイエムトッキュウを単穴としました。理由は以下のとおり。
- 逃げ馬が有利なレース。スタート・二の脚が異常に早く、ハナを奪えそう
- 芝替わりは全く問題なし。むしろそれが理由で人気が落ちるならおいしい
調教がそれほどだったことや、重賞で他の逃げ馬に絡まれてどうか、など気になる点も多いですが、それを上回る買い材料が同馬にはあると考えます。もしハナ争いが楽ならばアタマまであるのではないでしょうか。サマースプリントシリーズの主役になって欲しい1頭です。
△:①トウシンマカオ
連下1頭目は、土曜22時現在1番人気のトウシンマカオにしました。能力的には今回のメンバーでは1番だと思っていますが、データ上のマイナス材料が多かった(前走高松宮記念、1枠、差し馬)ことから印を落としました。ここまで外から差し切って結果を出してきた馬だけに、1枠がプラスに働くとは考えにくい。鮫島駿騎手なら思い切ってインを突いてくるのではと思いますが、詰まって不完全燃焼に終わる気がしてなりません。しかし能力を考えれば無印は考えにくく、馬券には組み込みます。
△:⑦ジュビリーヘッド
昨年の2着馬ジュビリーヘッドを連下2頭目としました。正直勝ち切るイメージはありませんが、2・3着は十分あり得ると思います。時計勝負にも対応可能で、この馬が重賞で好走するとすればこの舞台が最も現実的ではないでしょうか。
函館スプリントステークス(函館SS)2023|買い目公開
ワイド ボックス ◎〇▲ 2100円(配当が均等になるよう資金配分)
馬連 フォーメーション ◎〇▲ー◎〇▲△ 9点×100円
計3000円勝負!
函館スプリントステークス(函館SS)2023|予想まとめ
ここまで函館スプリントステークス(函館SS)をさまざまな角度から予想してきました。難解なレースで確固たる軸馬は不在だと感じ、◎〇▲の順位付けに非常に苦労しました。トウシンマカオはどうなるでしょうか。能力はこの中では1番だと思いますし、外枠なら本命級の評価をするつもりだったのですが、1枠からでは簡単に前につけられるとは思いませんし、この舞台でイン突きが気持ちよく決まるとは考えにくかったです。ヴァトレニはこの時期に調子を上げる馬らしく、この夏にかける勝負度合いはかなり高いのではないでしょうか。北海道開催での活躍を期待しています。
この記事がみなさんの馬券予想の参考になれば幸いです。
それでは、みなさんに爆益あれ!
コメント