- 札幌競馬場芝1800mがどんなコースか解説
- 過去5年間(2018年1月1日~2022年12月31日)98レースのデータから傾向を紹介
- 札幌競馬場芝1800mの攻略法を公開!買うべき馬・消すべき馬を徹底分析
札幌競馬場芝1800mの概要・特徴
今回紹介するのは、クイーンSや札幌2歳Sが開催される札幌競馬場芝1800mです。夏競馬を象徴する北海道開催の中でも、比較的開催数が多い同コース。開催数が多いということは、得意コースにしておけば収支が安定することは間違いありません。まずは札幌競馬場芝1800mがどんなコースなのか解説していきます。
コース概要
札幌競馬場芝コースは1周が約1650mしかないため、1800m戦でもコーナーを4つ回ることになります。そして、全体の高低差が約0.7mとほぼ平坦で、北海道開催特有の100%洋芝であることは覚えておきましょう。スタート地点は正面スタンド前のほぼ真ん中あたり。1コーナーまでの距離は約180mと非常に短いため、いつまでもハナ争いが続くことはあまりありません。札幌競馬場とよく比較される函館競馬場との大きな違いは、1〜2コーナー、3〜4コーナーともに、大きく丸みを帯びていること。最後の直線は約266mと、JRA全10場で函館競馬場の次に短い設定となっています。基本的にはロスなく回った先行馬に有利なコースだと言えるでしょう。
洋芝の特徴
日本の競馬場に敷かれている芝は、大きく分けて『野芝』と『洋芝』と『オーバーシード(野芝と洋芝を混合)』の3種類。とりわけ北海道にある札幌競馬場・函館競馬場は、本州と比べ寒冷地であり野芝が育たないため、100%洋芝が敷かれているのが大きな特徴です。洋芝は野芝と比較し、クッション性が高い分パワーが必要で、時計がかかりやすいといった大きな特徴があります。そのため、野芝やオーバーシードを敷いた競馬場のスピード競馬に対応できず凡走が続いていたのに、北海道開催になると別馬のように好走する『洋芝巧者』が存在するほどで、競走馬にとって芝の違いによる影響は大きいようです。
レコードタイム
札幌競馬場芝1800m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
2歳 | 1:48.2 | 牝2 | ソダシ | 2020年9月5日 |
3歳以上 | 1:45.7 | 牝5 | キャトルフィーユ | 2014年8月3日 |
2歳レコードは、2020年9月5日にソダシが札幌2歳Sで記録した1:48.2。当日は連続開催最終週で馬場は荒れ気味ではあるものの乾いており、早い時計の出るレベルでした。ハイペースで逃げたピンクカメハメハを勝負所でとらえたソダシが後続の追撃を抑え1着入線。終始速い流れであったためレコード決着となりました。
3歳以上のレコードは、2014年8月3日にキャトルフィーユがクイーンSで記録した1:45.7。当日は開催2週目ということもあり、まだ早い時計の出る馬場でした。大外枠から飛び出したオツウが先手をとって緩みないペース。3・4番手で進めたキャトルフィーユが直線で抜け出し1着入線。レコード決着となりました。
平均勝ちタイムとラップタイム
札幌競馬場芝1800mにおける、平均勝ちタイムとラップタイムは以下のとおりです。
クラス | 平均勝ちタイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|
新馬 | 1:52.4 | 38.6 | 35.2 | 92 |
未勝利 | 1:51.0 | 37.1 | 36.3 | 98 |
1勝 | 1:48.9 | 36.7 | 35.8 | 98 |
2勝 | 1:48.6 | 36.8 | 35.6 | 97 |
3勝 | 1:47.2 | 36.1 | 35.4 | 98 |
OP・重賞 | 1:46.7 | 35.7 | 35.1 | 98 |
馬場状態により0.5〜1.0秒ほど誤差はありますが、平均タイムを超える勝ち時計を出した馬は、クラスがあがっても期待ができます。スタートから1コーナーまでが約180mと短いこともあり、基本的には後傾ラップとなるようです。とはいえ直線は約266mと短いので、一瞬のキレが求められるコースと言えるでしょう。
札幌競馬場芝1800mで行われる重賞レース一覧
札幌競馬場芝1800m行われる重賞レースは以下のとおりです。
レース名(グレード) | 1着賞金 | 開催時期 |
---|---|---|
クイーンS(G3) | 3800万円 | 7月末~8月1週頃 |
札幌2歳S(G3) | 3100万円 | 9月1週頃 |
『クイーンS』は3歳以上の牝馬限定重賞です。リピーターが多いレースで、昨年と一昨年の同レースでは、テルツェットとサトノセシルの2頭がそれぞれ2年連続で馬券になっています。
『札幌2歳S』は、その名のとおり2歳馬のみで行われる重賞レース。このレースで好走した馬はその後も活躍することが多く、近年では2021年1着のジオグリフがその後皐月賞を勝利。2020年はいたっては1着のソダシが桜花賞を、2着のユーバーレーベンはオークスを、3着のバスラットレオンは海外の重賞をそれぞれ勝利しており、まさに出世レースと言えるでしょう。
札幌競馬場芝1800mの傾向データ
ここからは札幌競馬場芝1800mにおける過去5年間(2018年1月1日〜2022年12月31日)98レースの傾向データを紹介します。さまざまな角度からこちらのコースの特徴を分析していくので、馬券予想の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 39.8 | 65.3 | 78.6 | 84 | 94 |
2 | 19.4 | 42.9 | 62.2 | 82 | 82 |
3 | 14.3 | 33.7 | 49.0 | 101 | 86 |
4 | 11.2 | 22.4 | 37.8 | 99 | 69 |
5 | 4.1 | 11.2 | 22.4 | 86 | 62 |
6 | 3.1 | 9.4 | 18.8 | 67 | 74 |
7 | 1.1 | 2.2 | 4.5 | 18 | 25 |
8 | 2.4 | 6.0 | 10.7 | 60 | 61 |
9 | 1.3 | 2.7 | 10.7 | 90 | 77 |
10~ | 1.9 | 2.8 | 4.7 | 161 | 46 |
1番人気、2番人気が水準をはるかに超える良績を上げています。上位人気馬には逆らいにくいコースと言えるでしょう。
枠順別
枠順 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 17.3 | 29.6 | 40.8 | 291 | 106 |
2 | 6.2 | 14.4 | 25.8 | 26 | 41 |
3 | 9.6 | 15.2 | 26.4 | 188 | 77 |
4 | 10.4 | 17.9 | 29.9 | 50 | 74 |
5 | 5.1 | 14.5 | 23.9 | 44 | 49 |
6 | 6.1 | 19.0 | 25.9 | 38 | 55 |
7 | 11.3 | 19.9 | 25.8 | 89 | 63 |
8 | 10.1 | 20.1 | 28.9 | 78 | 63 |
1枠に入った馬が素晴らしい成績を残しています。回収値も高く人気薄の激走にも期待がもてるようです。一方で同じ内枠にもかかわらず2枠の回収値の低さが気になります。
脚質別
脚質 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 12.9 | 27.7 | 38.6 | 57 | 77 |
先行 | 15.2 | 30.7 | 46.2 | 157 | 106 |
差し | 6.6 | 11.6 | 19.7 | 101 | 53 |
追込 | 1.1 | 3.8 | 6.5 | 6 | 18 |
全てにおいて他を圧倒している先行馬が馬券の中心とみて間違いないでしょう。反対に追い込み馬はほとんど馬券になっておらず、基本的に消しで良さそうです。
種牡馬別
種牡馬 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 17.7 | 31.6 | 40.5 | 74 | 80 |
ハービンジャー | 12.9 | 22.9 | 30.0 | 146 | 72 |
キングカメハメハ | 21.9 | 25.0 | 28.1 | 84 | 38 |
キズナ | 20.7 | 24.1 | 37.9 | 100 | 85 |
ルーラーシップ | 12.9 | 29.0 | 41.9 | 116 | 114 |
ゴールドシップ | 13.8 | 27.6 | 37.9 | 247 | 94 |
ドゥラメンテ | 18.2 | 31.8 | 50.0 | 100 | 94 |
エピファネイア | 15.4 | 26.9 | 30.8 | 70 | 198 |
オルフェーヴル | 9.7 | 9.7 | 19.4 | 52 | 34 |
ハーツクライ | 8.1 | 18.9 | 24.3 | 64 | 64 |
ディープインパクト産駒はタフな洋芝にも対応できるようです。一方でオルフェーヴル産駒は好走率・回収値ともに低く、人気でも疑う位が良いでしょう
父系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
サンデーサイレンス系 | 9.1 | 18.9 | 28.5 | 73 | 67 |
ミスタープロスペクター系 | 10.8 | 18.3 | 25.4 | 119 | 56 |
ノーザンダンサー系 | 9.8 | 22.7 | 30.7 | 78 | 71 |
ナスルーラ系 | 9.4 | 15.6 | 31.3 | 449 | 106 |
その他エクリプス系 | 5.0 | 5.0 | 25.0 | 143 | 68 |
タフな洋芝と言うこともあり、ノーザンダンサー系の成績が良い傾向にあります。
騎手別
騎手名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
横山武史 | 28.1 | 40.4 | 40.4 | 138 | 74 |
C.ルメール | 28.3 | 56.6 | 67.9 | 51 | 79 |
吉田隼人 | 19.0 | 33.3 | 45.2 | 239 | 102 |
池添謙一 | 14.6 | 17.1 | 34.1 | 69 | 58 |
武豊 | 10.5 | 31.6 | 44.7 | 27 | 53 |
横山典弘 | 25.0 | 31.3 | 31.3 | 106 | 45 |
川田将雅 | 57.1 | 57.1 | 85.7 | 424 | 164 |
藤岡祐介 | 6.1 | 16.3 | 30.6 | 29 | 90 |
横山和生 | 5.9 | 17.6 | 32.4 | 20 | 65 |
丹内佑次 | 1.7 | 13.6 | 25.4 | 29 | 58 |
横山武史騎手・吉田隼人騎手は騎乗数が多い中、しっかりと成績を残しており、こちらのコースを得意としているようです。地元である北海道で強いイメージの丹内騎手ですが、こちらのコースではあまり好走できていません。
調教師別
調教師名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複勝 |
---|---|---|---|---|---|
矢作芳人 | 11.1 | 22.2 | 29.6 | 54 | 75 |
国枝栄 | 15.8 | 26.3 | 31.6 | 30 | 43 |
池江泰寿 | 25.0 | 33.3 | 58.3 | 75 | 83 |
相沢郁 | 20.0 | 20.0 | 20.0 | 438 | 86 |
小桧山悟 | 9.1 | 18.2 | 31.8 | 64 | 50 |
須貝尚介 | 8.3 | 33.3 | 41.7 | 37 | 79 |
松田国英 | 18.2 | 45.5 | 72.7 | 31 | 164 |
杉山晴紀 | 18.2 | 45.5 | 54.5 | 138 | 97 |
堀宣行 | 20.0 | 40.0 | 40.0 | 129 | 97 |
昆貢 | 11.8 | 17.6 | 29.4 | 77 | 104 |
松田調教師の管理馬は4回に3回は3着以内に入っていることから、人気薄でも馬券から外すのは危険です。
所属トレセン別
所属 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 9.1 | 18.4 | 27.3 | 118 | 64 |
栗東 | 9.8 | 19.4 | 29.6 | 71 | 68 |
所属トレセンによる大きな偏りはみられませんでした。
札幌競馬場芝1800mの傾向・データまとめ
ここまで8つのデータを使って、札幌競馬場芝1800mの傾向を紹介してきました。特に重要なポイントは以下のとおりです。
- 1番人気・2番人気は水準を超える好成績
- 1枠有利。反対に2枠は割引が必要
- 先行馬が馬券の中心。追い込み馬は基本的に消し
- オルフェーヴル産駒は人気でも疑うべき
- 横山武史騎手・吉田隼人騎手は好走傾向にある
- 松田調教師の管理馬は馬券から外せない
札幌競馬場芝1800mの攻略方法
ここからは札幌競馬場芝1800mの傾向データを深掘りし、買うべき馬・消すべき馬を紹介していきます。馬券を検討する際の参考にしてください。
データから見るここが買い【1枠×1番人気or2番人気】
まず札幌競馬場芝1800mでは、1枠が有利なことが枠順別データから紐解けます。大きな偏りが出る1番の理由は、スタートから1コーナーまでの距離が短いのでハナ争いが激化しにくく、楽に内ラチ沿いを位置取ることができた1枠の馬は道中の距離ロスを最小限に抑えられ、余力を残したまま直線を迎えられるからでしょう。ただでさえ有利な1枠に入った馬が、1番人気or2番人気に支持されるような実力馬なら、驚異的なデータが表れます。
札幌競馬場芝1800mにおける人気別1枠の成績
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 42.9 | 71.4 | 78.6 | 73 | 94 |
2 | 27.3 | 54.5 | 81.8 | 122 | 108 |
どの券種を選ぶにせよ、1枠の馬が1番人気か2番人気になりそうなら、迷わず軸の最有力候補として検討するべきでしょう。
データから見るここが割引【追い込み馬】
脚質データから、追い込み馬はたとえ近走の成績が良くてもこちらのコースでの好走は難しいようです。理由はコース形態が追い込み馬には不向きなことでしょう。小回り・平坦・直線が短い・コーナーが大きいなど、先行馬が有利となる条件が揃ってしまっています。前走、東京や新潟などの直線が長いコースで、末脚を活かし直線だけで差し切り勝ちや惜しい競馬をしていたとしても、同じような戦法しかできないようならこちらのコースでも好走できる可能性は極めて低いといえます。馬柱を見て、4コーナー通過順位がいつも2ケタの馬は大きく割引する必要があるでしょう。
データの裏を狙う
過去10年で勝利数が最も多く高い複勝率を誇るディープインパクト産駒ですが、成績を重賞に限定すると【2.0.0.9】と一気に悪くなる傾向にあることが分かりました。
札幌競馬場芝1800mにおけるディープインパクト産駒の重賞成績
種牡馬 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 18.2 | 18.2 | 18.2 | 81 | 32 |
2度勝利しているものの、それ以外は一度も馬券になっていません。末脚勝負に強い同産駒には、重賞の前半からペースが早いタフな展開は不向きなのかもしれません。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
札幌競馬場の芝コースは水はけが抜群で、雨が降っても重馬場になることは非常に稀。不良馬場にいたっては過去なったことがないほどです。それゆえ馬場状態による偏りは他コースに比べて少ないと言えます。そんな中、ゴールドシップ産駒の成績が『良』と『稍重・重・不良』で大きく異なることがわかりました。
札幌競馬場芝1800mでゴールドシップ産駒の馬場状態別成績
馬場状態 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
良 | 11.1 | 22.2 | 27.8 | 211 | 84 |
稍重・重・不良 | 18.2 | 36.4 | 54.5 | 307 | 110 |
ゴールドシップ自身もそうだったように、雨で馬場が渋って他の馬が悪戦苦闘していても、ゴールドシップ産駒は苦にせず実力を発揮できるようです。
札幌競馬場芝1800mまとめ
今回は、札幌競馬場芝1800mについて特徴を解説し、8つの傾向データから好走馬を見つけるヒントを探りました。
- 1番人気・2番人気は水準を超える好成績
- 1枠有利。反対に2枠は割引が必要
- 先行馬が馬券の中心。追い込み馬は基本的に消し
- オルフェーヴル産駒は人気でも疑うべき
- 横山武史騎手・吉田隼人騎手は好走傾向にある
- 松田調教師の管理馬は馬券から外せない
- 【1枠×1番人気or2番人気】は軸にもってこいの黄金データ
- ディープインパクト産駒は重賞では割引
- ゴールドシップ産駒は稍重・重・不良で買い
この記事を、馬券検討の参考にしていただければ幸いです!
それでは、よき競馬ライフを!
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