- 競馬用語『鉄砲』の意味がわかる
- 『鉄砲が利く』馬の見つけ方がわかる
- この記事を読めば「鉄砲」を競馬予想に役立てられる!
競馬用語「鉄砲」という言葉の由来
『鉄砲』とは古くからある競馬用語です。
長い休み明けの馬が走ることを「鉄砲使い」といい、その馬が好成績を残すことを「鉄砲が利く」といいます。
別名「ポン使い」「ポン駆け」とも言われ、どちらもメインに使われているようです。
それらの語源についてですが、諸説ありますので紹介します。
ちなみに、「鉄砲」という競馬用語は、はっきりと語源が示されているものではありません。明確な由来がわからないほど、かなり昔から使用されている言葉だということです。
競馬用語「鉄砲」の由来・その1
その名の通り、『鉄砲のようにすっとんでいく』というイメージからつけられたと言われています。
人気のない長い休養明けの馬がいきなり飛び出して走っていき、そのまま一着などという大穴になってしまう様子が、「鉄砲玉」のようなイメージになったのでしょう。
確かに、イメージとしてつかみやすい用語だと感じます。
競馬用語「鉄砲」の由来・その2
「鉄砲」という言葉の由来として、もうひとつ由来があるようです。
それは、戦後にまで遡ります。
戦後の競馬界では、長期休み明けの競走馬に興奮剤を使用することが、暗黙の了解として黙認されていたようなのです。
きっと、長い休みの後なので、やる気を奮起させるためのものだったのでしょう。
そのとき、興奮剤を茶葉などで包み丸め、筒のようなものに入れてから直接馬の口の中にフッと吹き矢のごとく入れ込む、という作業がありました。
この様子が「鉄砲筒から玉が飛び出していく様」に似ていたことから、鉄砲と呼ばれるようになったのでは? という説もあるようです。
もちろん、今では興奮剤の使用は禁止です。ですが、あの頃の名残が残り、長期休養明けの馬を走らせることを『鉄砲使い』と言われ続けてきたという話です。
これもありそうな話ではあるので、由来のひとつとして考えられそうですね。
競馬用語「ポン(使い)」の由来
「ポン(使い)」も、かなり使用されているようです。
「騎手」のことを「ジョッキー」とも言うような、そんな感覚と似ていますね。
この『ポン使い』の『ポン』という語源の由来ですが、「鉄砲をポンと撃つ」から始まったと言われています。
「鉄砲」はどういった状況で使われるのか?
「鉄砲」と呼ばれる競走馬は休み明けで出走した場合に使われますが、ただ休み明けだからと言うわけではなくある程度の定義があります。
鉄砲の定義は主に次の2つ。
「鉄砲駆け」にいたるまでは、それなりの休養期間が必要競走馬の休養理由によっても違う
以下で詳しく解説するので予想の際の参考にしてください。
「鉄砲駆け」にいたるまでは、それなりの休養期間が必要
「鉄砲駆け」は3ヶ月ぐらいの長期休養明けの競走馬に使われる言葉です。
普通、競走馬は1レースから次のレースまで、3週間から5週間開くことが多いです。
「中3週」「中5週」などと言われるのがそれです。ですので、これらは『長期休養』とは呼べません。
では、『鉄砲』にいたるまでの『長期休養』とはどれくらいの期間かと言うと実は明白ではありません。
きっかり『この期間を開くと『鉄砲使い』となる』という表記がないわけです。
そのため競馬新聞や競馬雑誌から推測するに、3ヶ月ぐらいの休養明けつまり1シーズンを跨ぐ休養を目安とすると良いようです。
なるほど、それなら長く休養していたように思えますね。
競走馬の休養理由によっても違う
3ヶ月ほどの休養が『鉄砲使い』には必要なのですが、「鉄砲駆け」と呼ばれる休養は次のような理由で長期休養に入った馬のことを言います。
競走馬の休養理由
競走馬の故障:馬場に故障をきたしている場合です。緊急的に休養することが多いですね。骨折などがよくある故障の要因です。調教師などから見て、なんとなく調子が悪そうなときも、休養に入ったりします。
リフレッシュ休養:競走馬は、いわばずっと走り続けているようなものです。ですから、定期的に長期休養する場合もあります
一方G1に出馬するような競走馬は休養の理由が違うので「鉄砲」とは言いません。
G1馬の長期休養理由
G1馬は、G1が開催されない時期に長期休養に入る
あくまで『鉄砲』は、1頭だけが休養明けで久々に走っていきなりポンと駆け抜ける様子のことを言います。
そのため、G1馬が同じ時期に休養に入り、同じ時期に走り出す場合は「鉄砲」とは言わないわけです。
「鉄砲の利く馬」をレース予想に役立てる
『鉄砲の利く馬』を探し当てられたら、きっとレースの予想にも役立つのではないでしょうか。大穴を当てることも不可能ではありません。
そこで「鉄砲の利く馬」をレース予想に役立てるポイントを3つ紹介します。
- 競馬新聞においての『鉄砲の利く馬』を探す
- 厩舎においての『鉄砲の利く馬』を探す
- 「鉄砲を効かす」には、騎手も重要
ぜひこのポイントを参考に鉄砲の利く競走馬を探し当ててみてください。
競馬新聞においての「鉄砲の利く馬」を探す
競馬新聞、競馬雑誌で「鉄砲の利く馬」の探し方ですが、それぞれの新聞によって書き方が違う場合があります。
ただ、ほとんどの場合次のように書いてくれているはずです。
- 何週休んだか
- これまでの休み明け成績はどうだったか
親切なところなら、休養内容(例えば「骨折」など)も記載してくれています。
ここで注目したいのは、『休み明けの成績』です。
例えば、「4休3100」(日刊スポーツの場合)と記されていたとしましょう。
これは、4ヶ月休んで、その後のレース1着が3回、2着が1回という成績です。
つまり、休み明けでも十分走ってくれているということがわかります。
よって、単勝とまではいかなくても、オッズにより複勝有力馬とのワイドなどで買っておくと、思わぬ大穴を引き当てる可能性が高くなります。
厩舎においての「鉄砲の利く馬」を探す
実は、「鉄砲」には、厩舎の方針や調教師の考え方が大きく響いてきます。
例えば、長い期間休養していた馬をそろそろレースに戻すため、いきなり休養以前の調教に戻す厩舎もあれば、ゆっくりと馬のペースに合わせて戻していくところもあります。
どちらが良いとも悪いとも言えません。
なぜなら、馬自体の性格や体調に大きく左右されるところがあるからです。
そこで重要になってくるのは、調教師の存在です。
一番その馬の近くでずっと見てきた人ですから、性格や特徴なども知っているのです。
どうすれば元の状態にまで戻せるか、その馬を知る調教師の方針に従うことが一番なのです。
そもそも、なぜ調教師の存在が必要なのかというと、長い休養に入ってからの競走馬は、心身ともにリラックスしているため、いきなりレースに出走させることはできないからです。
わかりやすく例えると、我々人間もゴールデンウィークなどの長い休み明けは、「仕事に行きたくない」だとか、「なんだかやる気が起きない。体がだるい」などという感じになりませんか?
それと同じです。
きっと馬たちも、体重が増えていたり、筋力が衰えていることもあるでしょう。
そういったところもちゃんと把握し、その馬の性格に合わせてゆっくりと、いかに元の馬体や調子に戻していけるかが、厩舎と調教師の腕の見せどころなのです。
こういった、休養明けの馬がみごと「鉄砲」を利かせて勝たせられる調教師などを、「鉄砲使いがうまい先生」と重宝されます。
「鉄砲を効かす」には、騎手も重要
正直なところ、長期休養明けの馬は、なかなか「乗り辛い」ところがあります。もちろん、その馬の個性にもよりますが、ほとんどの馬はレースの勘や雰囲気を忘れているからです。
定期的にレースに出走していれば、感覚がそのまま残って走るので、大きくペースが崩れたりすることはありません。
ただ、長期休養明けになってしまうと、レース感覚を忘れていたり、闘志のようなものもなくなっている場合があります。
そんなときに必要なのが、騎手の力です。
基本的には、長期休養明けの馬にはベテラン騎手の登用が望ましいですね。
これまでにもきっと、長期休養明けの馬に乗ってきている「慣れ」がありますし、少々やる気のない馬でも、手綱を握りしめている騎手の判断力や実力で前に出てくることがあります。
ですから、長期休暇明けの馬で鉄砲を利かせてもらうためには、そのときに乗っているジョッキーの名前にも注目しましょう。
「鉄砲」に関するよくある質問(Q&A)
- 『鉄砲駆け』からの『2走ボケ』とは?
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『鉄砲駆け』は休養明け第一戦目に走ってくれた馬のことを言いますが、その流れとしで『2走ボケ』という言葉があります。これは『鉄砲駆け』して勝った馬が、2走目に凡走してしまったことを言います。
逆のパターンもあり、『叩き2走目で状態がよくなってきた』というのは、1走目が凡走で2走目から好走に変化した馬のことを言います。
- 『鉄砲駆け』の多い産駒ってあるの?
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一概にこの種の馬とは言い難いのですが、一説には『米国血統』の産駒が『鉄砲駆け』に強いイメージがあるようです。
まとめ
これまで、よく耳にはするけれど、本当はどういう意味なんだろうと疑問を持たれがちだった『鉄砲』について説明してきました。
「鉄砲が利く馬」を探すために必要なのは、つぎの3点です。
- しっかりと競馬新聞などで長期休養明けの馬をチェック!
- 長期休養の理由、明けの成績をチェック!
- そのときの厩舎、調教師、そしてジョッキーもチェック!
これらが大穴馬券に繋がる必要条件です。
とはいえ、従来の憶測通り「長期休暇明けにはまったく走らない」という説もぬぐい切れません。
競馬とは予想がつかないゲームです。その中で「鉄砲」と言う奥深い状況を読み切って、そこを狙うのも楽しいかもしれません。
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