- 阪神競馬場ダート1400mがどんなコースか分かる!
- 8つの傾向データを紹介
- 阪神競馬場ダート1400mで買うべき馬・消すべき馬が分かる!
今回紹介するのは、阪神競馬場ダート1400mの特徴と傾向です。
以前はGⅢプロキオンSが行われていたコース。現在は重賞の舞台とはなっていませんが、リステッド競走が2レース組まれており、ファン注目の熱戦が繰り広げられていることに変わりはありません。過去5年間のデータを集めたので、傾向や特徴をしっかりと把握して、馬券的中につなげてください。
阪神競馬場ダート1400mの概要・特徴
阪神競馬場ダート1400mのコース概要や特徴は以下の通りです。
コース概要
阪神競馬場ダート1400mは、2コーナー奥の芝ポケット部分からスタート。外枠の方が芝の部分をやや長く走る設定となっています。最初のコーナーとなる3コーナーまでの距離は542m。発走からしばらくはほぼ平坦ですが、残り900mあたりからは緩やかな下り坂となります。
3、4コーナーを通過した最後の直線は352m。残り200mからは高低差1.6mの急坂となります。距離的にスピード自慢が有利なのは間違いないですが、ゴール前の難所まで、ある程度は力を温存できていないと勝ち切れないコース仕様と言えるでしょう。
レコードタイム
阪神競馬場ダート1400mのレコードタイムを見てみましょう。
阪神競馬場ダート1400m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
2歳レコード | 1;23.0 | 牡2 | アディラート | 2016年12月24日 |
3歳以上レコード | 1;21.5 | 牡7 | インオラリオ | 2012年3月31日 |
2歳レコードは2016年12月にアディラートが未勝利戦でマーク。デビューから4戦目の勝ち上がりで、レコードの快挙も成し遂げました。その後はオープン入りして、海外遠征にも積極的に参戦。2018年のドバイGⅡゴドルフィンマイルではルメール騎手とのコンビで3着と好走しています。
3歳以上のレコードホルダーはインオラリオ。2012年3月に行われオープン競走、コーラルSでの勝ち時計です。通算6勝目となったこの白星が生涯最後の勝ち鞍となりました。
平均タイムとラップ
次に示すのは阪神競馬場ダート1400mの過去5年間の平均タイムです。
格 | R数 | タイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 27 | 1;26.4 | 35.8 | 38.0 | 106 |
2歳未勝利 | 58 | 1:26.1 | 35.1 | 38.6 | 110 |
2歳1勝 | 4 | 1;25.1 | 34.8 | 38.0 | 109 |
3歳新馬 | 5 | 1;26.9 | 35.2 | 39.3 | 112 |
3歳未勝利 | 107 | 1;25.5 | 35.0 | 38.1 | 109 |
3歳1勝 | 22 | 1;24.8 | 34.7 | 37.8 | 109 |
3歳OP | 2 | 1.23.4 | 34.3 | 37.0 | 108 |
1勝 | 89 | 1;24.7 | 34.9 | 37.6 | 108 |
2勝 | 61 | 1;24.3 | 34.7 | 37.5 | 108 |
3勝 | 30 | 1;23.6 | 34.5 | 37.0 | 107 |
OP・重賞 | 26 | 1;23.3 | 34.4 | 37.0 | 108 |
前半と後半にかなりの時計差があります。テンの入りが速いのは、スタート直後に芝を走る仕様になっているからと思われます。それにしても後半にかなり時計を要している印象があるのは、ゴール前に急坂を登らなければいけないのも関係しているでしょう。
序盤である程度は勢いをつける必要があり、かといって飛ばしすぎると急坂に立ち向かう余力がなくなりそう。騎手にとってもペース配分は相当難しいのではないでしょうか。
阪神競馬場ダート1400mで行われる重賞レース一覧
阪神競馬場ダート1400mでは重賞は行われていません。以前はGⅢのプロキオンSが行われていましたが、現在は中京競馬場に移行。2020年に京都競馬場の改修工事によるJRAの日程調整で、その年だけプロキオンSが行われています。
重賞が開催されなくなったとはいえ、準重賞となるリステッド競走はコーラルS、エニフSの2競走が行われており、レベルの高いレースが見られる舞台であることに変わりはありません。
阪神競馬場ダート1400mの傾向データ(2019年〜2023年の過去5年)
ここからは阪神競馬場ダート1400m過去5年間のデータを紹介します。8項目にわたって分析していきますので、馬券の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33.3 | 51.7 | 64.8 | 82 | 86 |
2 | 20.0 | 36.1 | 49.0 | 87 | 78 |
3 | 10.3 | 24.0 | 40.3 | 58 | 79 |
4 | 11.7 | 22.6 | 35.0 | 94 | 83 |
5 | 8.9 | 17.7 | 29.1 | 94 | 83 |
6 | 2.8 | 10.7 | 18.9 | 46 | 67 |
7 | 4.2 | 10.0 | 17.0 | 77 | 75 |
8 | 1.6 | 7.7 | 11.9 | 38 | 65 |
9 | 3.0 | 5.6 | 9.1 | 89 | 66 |
10~ | 0.8 | 2.4 | 4.3 | 46 | 66 |
1番人気が勝率3割をマーク。2番人気も信頼度はまずまずですが、4番人気あたりまでは1着ゴールが現実的な数字。また、複勝率は8番人気まで10%を超えています。3連複、3連単などはかなりの高配当となる可能性を秘めたコースと言っていいでしょう。
枠順別
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5.8 | 9.1 | 14.3 | 48 | 42 |
2 | 5.7 | 11.5 | 17.2 | 34 | 54 |
3 | 5.4 | 12.0 | 18.5 | 40 | 74 |
4 | 8.0 | 13.6 | 20.9 | 76 | 69 |
5 | 6.8 | 14.8 | 22.5 | 63 | 75 |
6 | 6.3 | 14.0 | 21.4 | 73 | 82 |
7 | 6.7 | 15.6 | 22.7 | 67 | 84 |
8 | 9.1 | 16.3 | 23.1 | 94 | 87 |
8枠が勝率で頭一つリードしています。2コーナー奥のポケット部分からダートコースに合流するまでは、芝を走る阪神競馬場ダート1400m。形状的に外枠の方が芝の部分を長く走ります。ファンの間でも当コースは外枠有利と言われ続けているようですが、データでもしっかりと証明された形。大外の8枠馬は積極的に狙っていきましょう。
脚質別
脚質 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 58 | 13.5 | 22.4 | 32.6 | 117 | 99 |
先行 | 227 | 14.2 | 27.1 | 37.5 | 106 | 110 |
差し | 113 | 5.0 | 11.2 | 18.4 | 47 | 74 |
追込 | 31 | 1.5 | 3.5 | 6.2 | 35 | 34 |
捲り | 1 | 33.3 | 33.3 | 33.3 | 343 | 90 |
先行馬が勝ち星で他を圧倒。回収率は単勝、複勝ともに100%を超えています。逃げ馬も勝率と回収率は優秀。行ともに回収率も100%超え。差し馬も数値的には食い込みが十分可能ですが、プラス収支でまとめるには前で運ぶ馬たちを狙っていく方がよさそうです。追い込み馬は複勝率が6.2%にとどまっていて、押さえでもおすすめできません。捲りの数値も高くなっていますが、阪神競馬場ダート1400mでは稀にしか見られない戦法なので考慮しなくてもいいでしょう。
種牡馬別
種牡馬 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
ヘニーヒューズ | 31 | 10.8 | 17.8 | 24.5 | 66 | 54 |
キズナ | 20 | 15.2 | 20.5 | 27.3 | 98 | 70 |
パイロ | 16 | 11.4 | 20.7 | 31.4 | 95 | 79 |
ロードカナロア | 15 | 6.9 | 13.4 | 19.4 | 43 | 60 |
ゴールドアリュール | 13 | 9.1 | 13.3 | 18.9 | 71 | 73 |
ダイワメジャー | 11 | 6.4 | 15.2 | 21.6 | 57 | 114 |
シニスターミニスター | 11 | 8.9 | 13.7 | 28.2 | 100 | 100 |
ドレフォン | 11 | 10.6 | 15.4 | 24.0 | 75 | 57 |
キンシャノキセキ | 10 | 5.2 | 14.7 | 23.0 | 84 | 89 |
エンパイアメーカー | 9 | 17.0 | 28.3 | 32.1 | 121 | 126 |
ヘニーヒューズは2020~23年まで4年連続でJRAダートチャンピオンサイアーを手にしている大御所。阪神競馬場ダート1400mでもブラッドパワーを発揮しています。
シニスターミニスター産駒は勝率こそ10%を切っていますが、回収率は100%超え。こちらもダートを中心に活躍馬を送り出している血統なので追う価値は十分あります。
父系統別
系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ナスルーラ系 | 8.6 | 16.8 | 25.5 | 66 | 74 |
ニアークティック系 | 7.8 | 15.7 | 22.7 | 62 | 68 |
ロイヤルチャージャー系 | 6.2 | 12.4 | 18.6 | 62 | 73 |
ネイティヴダンサー系 | 6.2 | 12.3 | 18.6 | 69 | 74 |
ナスルーラ系の良績が目立ちます。種牡馬別の表で紹介した中ではパイロ、シニスターミニスターがナスルーラ系なので覚えておいてください。
騎手別
騎手名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
川田将雅 | 41 | 35.0 | 50.4 | 61.5 | 105 | 86 |
松山弘平 | 34 | 15.4 | 26.2 | 36.2 | 68 | 73 |
幸英明 | 22 | 8.0 | 16.4 | 23.7 | 49 | 63 |
岩田望来 | 19 | 9.0 | 15.2 | 23.2 | 41 | 84 |
坂井瑠星 | 18 | 11.6 | 23.5 | 35.3 | 92 | 95 |
武豊 | 17 | 13.5 | 28.6 | 38.1 | 87 | 93 |
藤岡康太 | 14 | 8.2 | 15.2 | 25.7 | 158 | 129 |
団野大成 | 13 | 7.5 | 14.5 | 19.1 | 95 | 53 |
福永祐一 | 13 | 10.8 | 19.2 | 37.5 | 47 | 64 |
松若風馬 | 13 | 6.4 | 11.3 | 14.8 | 52 | 48 |
川田将雅騎手の成績が突出しています。単勝回収率も105%あるなら逆らう手はありません。勝率では川田騎手と比べてかなり落ちますが、回収率が優秀な藤岡康太騎手を狙ってみるのも面白そうです。
調教師別
調教師名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
杉山晴紀 | 15 | 15.0 | 28.0 | 32.0 | 79 | 74 |
上村洋行 | 12 | 15.4 | 23.1 | 28.2 | 101 | 61 |
石橋守 | 12 | 14.1 | 20.0 | 22.4 | 96 | 59 |
大橋勇樹 | 10 | 10.2 | 16.3 | 22.4 | 190 | 87 |
西園正都 | 9 | 11.4 | 21.5 | 31.6 | 75 | 84 |
大久保龍志 | 9 | 12.2 | 23.0 | 29.7 | 66 | 80 |
本田優 | 9 | 9.5 | 15.8 | 22.1 | 150 | 93 |
吉岡辰弥 | 9 | 20.0 | 31.1 | 44.4 | 100 | 148 |
村山明 | 8 | 5.7 | 17.9 | 23.6 | 31 | 87 |
高橋亮 | 8 | 8.5 | 18.1 | 24.5 | 28 | 78 |
杉山晴紀調教師が勝ち星でりード。大橋勇樹、本田優調教師の単勝回収率が150%を超えているのも魅力があります。
東西別
所属トレセン | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 4.7 | 10.0 | 14.2 | 63 | 54 |
栗東 | 6.9 | 13.8 | 20.7 | 63 | 73 |
関西馬が関東馬に差をつけています。関東馬は連対、複勝率こそ10%を超えていますが、回収率の低さから人気薄での激走も期待薄。軸としてはおすすめできません。
阪神競馬場ダート1400mの傾向・データまとめ
ここまでデータを使って阪神競馬場ダート1400mの傾向を紹介してきました。特に重要だと感じたポイントは以下の通りです。
- 上位人気は安定。ただ、8番人気あたりまで食い込みが現実的
- 8枠の勝率が頭一つリード
- 先行馬が優勢
- 追い込み馬は押さえでも手を出しづらい
- 種牡馬ではヘニーヒューズ、シスターミニスターに注目
- 川田将雅騎手の成績が突出。藤岡康太も回収率良好
- 杉山晴紀調教師の管理馬が良績多し。回収率では大橋勇樹、本田優調教師
- 軸は関西馬から
阪神競馬場ダート1400mの攻略方法
ここからは阪神競馬場ダート1400mの傾向とデータを深堀りし、買うべき馬、割り引きが必要な馬のタイプを紹介していきます。
データから見るここが買い
阪神競馬場ダート1400mは、まず8枠の馬に注目してください。勝率が他の枠よりも頭一つ抜けています。枠順別の項目でも説明しましたが、阪神競馬場ダート1400mはスタートしてしばらくは芝の上を走る仕様。そして、コース形態から枠順が外であればあるほど、芝の部分を走る距離が長くなっており、これが大外枠の良績につながっていることが考えられます。
当然、ダートコースよりも芝コースを走った方が時計はかかりません。本来、外枠は内枠よりもコースロスがあるはずですが、阪神競馬場ダート1400mの場合、少しでも長く芝の上を走れるアドバンテージは、コースロスのビハインドを上回る、ということのようです。8枠にピンとくる馬がいなくても、チェックは怠らないようにしてください。
データから見るここが割引
阪神ダート1400mでは追い込み馬は見送っていいでしょう。勝率はわずかに1.5%。連対率も3.5%、複勝率は6.2%と、馬券にからむ機会がごくわずか。回収率も低いので追い続けてもマイナスを広げるだけです。馬券はデータ通りに前々で動ける馬を組み立てるのが賢明でしょう。
データの裏を狙う
阪神競馬場ダート1400mは関西馬優勢のデータとなっていますが、騎手成績を関東、関西の所属別で見てみると、関東所属の騎手の方が好成績を残しています。
阪神競馬場ダート1400m東西別騎手成績(過去5年間)
所属トレセン | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 9.4 | 14.9 | 22.8 | 111 | 80 |
栗東 | 6.6 | 13.3 | 20.0 | 60 | 72 |
単勝回収率は111%あるので、関東所属騎手の単勝を勝ち続けていればプラスになる計算です。やはり、関東の騎手がわざわざアウエーの関西に乗りに来るということは稼げる当てがあるということなのでしょうか。
ちなみに過去5年で阪神競馬場ダート1400mで最も勝っている関東所属のジョッキーは吉田隼人騎手で10勝。次いで戸崎圭太騎手の7勝。横山典弘騎手5勝、横山武史騎手4勝となっています。
ここ数年は吉田隼人、横山典弘騎手が関西に比重を置いているのも数字を伸ばしている要因でしょう。ただ、それを別としても、阪神競馬場ダート1400mと相性のいい関東所属のジョッキーは多数。当コースで騎手買いするなら関東勢と覚えておいてください。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
阪神競馬場ダート1400mの騎手別成績で、レジェンド武豊騎手の成績はそれほど突出する印象はありませんでした。それでも武豊騎手が存在感を見せているデータがあります。
阪神競馬場ダート1400m2、3歳戦での騎手成績(過去5年間)
騎手名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
武豊 | 4 | 44.4 | 44.4 | 44.4 | 308 | 72 |
松山弘平 | 3 | 16.7 | 27.8 | 44.4 | 134 | 91 |
岩田望来 | 3 | 18.8 | 25.0 | 31.3 | 57 | 47 |
幸英明 | 2 | 11.1 | 11.1 | 22.2 | 96 | 53 |
古川吉洋 | 2 | 18.2 | 18.2 | 27.3 | 320 | 113 |
2、3歳新馬に武豊騎手は9頭乗って最多の4勝。そして単勝回収率は300%を超えていました。デビューしたての若駒をうまく操縦しているあたりはさすがレジェンドといったところ。阪神競馬場ダート1400mの新馬戦は大ベテランの業を信頼するのがよさそうです。
阪神競馬場ダート1400mまとめ
阪神競馬場ダート1400mの攻略ポイントのまとめは以下の通りです。
- 上位人気は安定。ただ、8番人気あたりまで食い込みが現実的
- 8枠の勝率が頭一つリード
- 先行馬が優勢
- 追い込み馬は押さえでも手を出しづらい
- 種牡馬ではヘニーヒューズ、シスターミニスターに注目
- 川田将雅騎手の成績が突出。藤岡康太騎手も回収率良好
- 新馬戦は武豊騎手の信頼度アップ
- 杉山晴紀調教師の管理馬が良績多し。回収率では大橋勇樹、本田優調教師
- 軸は関西馬から
- 関東所属の騎手が遠征してきたら買い
この記事が馬券検討の材料になればうれしいです。
それでは、よき競馬ライフを!
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