- 阪神競馬場芝1800mがどんなコースか分かる!
- 8つの傾向データを紹介
- 阪神競馬場芝1800mで買うべき馬・消すべき馬が分かる!
今回紹介するのは、阪神競馬場芝1800mの特徴と傾向です。
3歳路線を占う上で重要な一戦として知られる毎日杯やローズSの舞台として知られる阪神競馬場芝1800m。条件戦も数多く行われており、ぜひとも完全攻略したいコースの一つです。過去5年間にわたる数多くのデータを分析したので、馬券検討の材料にしてください。
阪神競馬場芝1800mの概要・特徴
阪神競馬場芝1800mのコース概要や特徴は以下の通りです。
コース概要
阪神競馬場芝1800mは、向正面左手の2コーナー付近にゲートを設置。芝1400mと同じ位置からスタートして、外回りコースを使用します。3コーナーまでの距離は665m。カーブがゆったりとした3、4コーナーを回っていきます。
最後の直線は474mで、JRAの右回りコースの中では最長。そして、ラスト200mは勾配差1.8mの急な上り坂が設けられており、ゴール前での各馬の我慢比べがレースを面白くさせています。
レコードタイム
阪神競馬場芝1800mのレコードタイムを見てみましょう。
阪神競馬場芝1800m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
2歳レコード | 1;45.6 | 牡2 | オブセッション | 2017年12月2日 |
3歳以上レコード | 1;43.0 | 牝3 | マスクトディーヴァ | 2023年9月17日 |
2歳レコードは2017年12月のシクラメン賞でオブセッションがマーク。このレースでデビュー2連勝となり、翌年の3冠戦線へ大きな期待を集めましたが、皐月賞トライアルのGⅡ弥生賞は7着敗退、そしてダービートライアルのGⅡ青葉賞で11着に敗れた1カ月後、大腸炎に見舞われ、夢半ばでこの世を去りました。
3歳以上のレコードホルダーはマスクトディーヴァ。2023年9月に行われた秋華賞トライアル、GⅡローズSでの快走でした。この年の1月デビューで春のクラシック出走は叶わず、レース前は7番人気の評価。それでも直線に入ると自慢の末脚を爆発させてファンの度肝を抜きました。GI秋華賞では牝馬3冠を達成したリバティアイランドの2着でしたが、差は0秒1差。レコード勝ちがフロックではないことを証明しています。
平均タイムとラップ
次に示すのは阪神競馬場芝1800mの過去5年間の平均タイムです。
格 | R数 | タイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 33 | 1;48.9 | 36.6 | 34.5 | 94 |
2歳未勝利 | 39 | 1:47.8 | 35.8 | 34.9 | 97 |
2歳1勝 | 4 | 1;47.5 | 36.4 | 34.4 | 95 |
2歳OP | 4 | 1;47.0 | 36.2 | 34.2 | 94 |
3歳未勝利 | 36 | 1;47.8 | 35.4 | 35.4 | 100 |
3歳1勝 | 15 | 1;47.6 | 36.1 | 34.3 | 95 |
3歳重賞・OP | 7 | 1;45.8 | 35.3 | 34.8 | 99 |
1勝 | 30 | 1;46.8 | 35.6 | 34.7 | 97 |
2勝 | 32 | 1;46.4 | 35.9 | 34.5 | 96 |
3勝 | 20 | 1;45.7 | 35.5 | 34.4 | 97 |
OP | 7 | 1;46.0 | 35.8 | 34.5 | 96 |
阪神競馬場芝1800mはスタートから最初のコーナーまで600m以上の距離があります。忙しくポジション獲りする必要もなさそうですし、序盤の入りが緩やかなのは納得のいくところ。総じて瞬発力勝負になりがちで、上位争いするには上がりで時計を出せることが条件となります。
阪神競馬場芝1800mで行われる重賞レース一覧
阪神競馬場芝1800mはGIレースこそ行われていないものの、GI秋華賞トライアルのGⅡローズS、3冠戦線を占うGⅢ毎日杯と、注目度の高い重賞レースを開催。秋華賞の2014~2023年のデータを見てみると、馬券圏内の3着までに入った30頭のうち11頭がローズSをステップレースにしており、存在の重要度を証明しています。なお、2024年は阪神競馬場リニューアル工事の影響で中京競馬場2000mで実施されます。
レース名(グレード) | 1着賞金 | 開催時期 |
ローズS(GⅡ) | 5200万円 | 9月(秋華賞トライアル) |
毎日杯(GⅢ) | 4100万円 | 3月下旬 |
毎日杯は例年、3冠レースの第1関門である皐月賞の約1カ月前に行われます。トライアルレースではありませんが、ここで賞金を加算して3冠戦線へ名乗りを上げる馬も多いので、ファンにとっても目が離せない一戦。2021年には毎日杯を当時のレコードで快勝したシャフリヤールが、GI皐月賞をスルーして、GI日本ダービーを制したケースもあります。
阪神競馬場芝1800mの傾向データ(2019年〜2023年の過去5年)
ここからは阪神競馬場芝1800m過去5年間のデータを紹介します。8項目にわたって分析していきますので、馬券の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 36.6 | 58.6 | 68.3 | 77 | 83 |
2 | 20.3 | 43.2 | 57.3 | 76 | 85 |
3 | 11.9 | 28.2 | 47.6 | 70 | 85 |
4 | 9.3 | 18.5 | 34.4 | 76 | 66 |
5 | 8.4 | 17.6 | 29.5 | 112 | 85 |
6 | 5.4 | 10.3 | 21.0 | 108 | 80 |
7 | 3.2 | 9.9 | 16.2 | 123 | 79 |
8 | 1.5 | 5.5 | 9.0 | 35 | 57 |
9 | 1.6 | 3.1 | 7.9 | 46 | 72 |
10~ | 0.9 | 2.0 | 3.5 | 107 | 58 |
1、2番人気が順当な結果を出しています。それでも5~7番人気と10番人気以下の単勝回収率が100%超え。上位人気の信頼度が高いとはいえ、大荒れの可能性も秘めています。
枠順別
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9.0 | 19.7 | 29.4 | 64 | 72 |
2 | 9.6 | 19.1 | 29.0 | 114 | 91 |
3 | 6.5 | 19.2 | 26.7 | 47 | 69 |
4 | 11.0 | 19.5 | 29.6 | 143 | 101 |
5 | 8.4 | 14.2 | 20.6 | 129 | 53 |
6 | 8.0 | 16.3 | 25.1 | 91 | 84 |
7 | 6.9 | 12.3 | 20.6 | 39 | 52 |
8 | 8.0 | 15.1 | 21.7 | 90 | 62 |
勝率が最も良いのは4枠ですが、全体的にはそれほど大きな偏りはない印象です。序盤がゆったり流れる傾向にある阪神競馬場芝1800m。ポジション獲りも枠で左右されることはあまりないのかもしれません、
脚質別
脚質 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 39 | 17.2 | 32.6 | 41.0 | 283 | 145 |
先行 | 106 | 12.6 | 23.8 | 33.8 | 103 | 77 |
差し | 55 | 6.4 | 12.8 | 21.9 | 46 | 62 |
追込 | 26 | 3.3 | 8.0 | 13.6 | 64 | 55 |
捲り | 2 | 15.4 | 38.5 | 53.8 | 26 | 94 |
勝利数は先行馬が断然。次いで差し馬という順ですが、逃げ馬の単勝回収率が300%に近づいているのは魅力があります。捲り勝負に出てくる馬の成功率がまずまずというのもやっかい。展開やペースを読むことも、阪神競馬場芝1800mの馬券的中に必要な要素となります。
種牡馬別
種牡馬 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 48 | 17.8 | 31.2 | 42.4 | 97 | 73 |
ハーツクライ | 16 | 9.5 | 18.5 | 26.8 | 63 | 88 |
ロードカナロア | 13 | 9.8 | 19.5 | 21.8 | 39 | 48 |
キズナ | 13 | 10.4 | 19.2 | 27.2 | 194 | 103 |
ルーラーシップ | 11 | 9.2 | 20.2 | 28.6 | 67 | 80 |
エピファネイア | 10 | 9.3 | 23.1 | 32.4 | 120 | 78 |
ジャスタウェイ | 9 | 13.0 | 23.2 | 26.1 | 88 | 120 |
モーリス | 9 | 12.9 | 21.4 | 37.1 | 65 | 108 |
ドゥラメンテ | 8 | 9.0 | 21.3 | 36.0 | 70 | 90 |
オルフェーヴル | 6 | 8.3 | 12.5 | 20.8 | 26 | 40 |
ディープインパクト産駒が勝ち星、勝率などで他を圧倒しています。2019年にこの世を去ったのは本当に惜しまれるところ。ディープ後継のキズナは単勝、複勝回収率がともに優秀なので、父の当コースとの相性の良さを受け継いでいるかもしれません。
父系統別
系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ロイヤルチャージャー系 | 9.7 | 19.2 | 27.2 | 110 | 79 |
ネイティヴダンサー系 | 7.0 | 15.6 | 24.0 | 58 | 69 |
ニアークティック系 | 5.1 | 8.8 | 17.5 | 27 | 49 |
ナスルーラ系 | 4.1 | 6.8 | 19.2 | 27 | 45 |
ロイヤルチャージャー系の勝率の高さが目立ちます。種牡馬別で紹介した中ではディープインパクト、ハーツクライ、キズナ、エピファネイア、ジャスタウェイ、モーリス、オルフェーヴルがロイヤルチャージャー系なので意識しておいてください。
騎手別
騎手名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
川田将雅 | 27 | 26.2 | 50.5 | 60.2 | 65 | 79 |
福永祐一 | 23 | 25.6 | 40.0 | 47.8 | 73 | 72 |
松山弘平 | 15 | 11.0 | 24.3 | 32.4 | 64 | 73 |
岩田望来 | 15 | 12.8 | 23.9 | 38.5 | 93 | 91 |
武豊 | 14 | 15.1 | 24.7 | 31.2 | 44 | 44 |
北村友一 | 11 | 15.7 | 27.1 | 42.9 | 108 | 100 |
藤岡康太 | 10 | 12.5 | 15.0 | 26.3 | 56 | 74 |
池添謙一 | 9 | 13.6 | 31.8 | 39.4 | 77 | 90 |
C.ルメール | 9 | 19.1 | 42.6 | 59.6 | 90 | 92 |
和田竜二 | 8 | 5.4 | 14.1 | 27.5 | 44 | 86 |
川田将雅騎手が勝ち星や勝率で頭一つ抜けています。ルメール騎手は少なくとも2回に1回は馬券圏入りしている計算。名手の数値は当コースでも安定しています。
調教師別
調教師名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
友道康夫 | 19 | 22.9 | 39.8 | 51.8 | 78 | 91 |
中内田充正 | 9 | 18.8 | 35.4 | 47.9 | 72 | 73 |
藤原英昭 | 8 | 14.0 | 24.6 | 38.6 | 312 | 111 |
斉藤崇史 | 8 | 20.0 | 32.5 | 32.5 | 77 | 58 |
高野友和 | 7 | 21.2 | 39.4 | 51.5 | 53 | 91 |
矢作芳人 | 6 | 8.6 | 15.7 | 27.1 | 56 | 87 |
松永幹夫 | 6 | 11.3 | 15.1 | 26.4 | 54 | 50 |
中竹和也 | 6 | 19.4 | 25.8 | 32.3 | 173 | 114 |
辻野泰之 | 6 | 33.3 | 44.4 | 50.0 | 258 | 120 |
安田隆行 | 6 | 20.7 | 24.1 | 31.0 | 183 | 60 |
毎年のようにリーディング上位を争う友道康夫、中内田充正調教師の良績は当コースでも目立ちます。シャフリヤールをダービー馬に押し上げた藤原英昭調教師の単勝回収率300%超えも特筆すべきもの。勝率と照らし合わせてもコスパ良好です。
東西別
所属トレセン | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 3.0 | 9.8 | 17.4 | 70 | 64 |
栗東 | 8.0 | 17.0 | 25.3 | 90 | 72 |
美浦組は苦戦しています。勝率、連対率、複勝率、回収率ともには栗東組とは開きがあり、軸は基本的に関西馬からの選択で問題ないでしょう。
阪神競馬場芝1800mの傾向・データまとめ
ここまでデータを使って阪神競馬場芝1800mの傾向を紹介してきました。
特に重要だと感じたポイントは以下の通りです。
- 1、2番人気の信頼度は高いが、5~7番人気、10番人気以下の激走に注意
- 4枠の勝率がナンバーワン。内、外で大きな偏りはなし
- 先行、差しが優位も、逃げ馬の回収率は魅力
- 種牡馬ではディープインパクトが断然の成績。今後は後継キズナに注目
- 川田将雅、ルメール騎手など名手の数値は安定
- トレーナーでは友道康夫、中内田充正、藤原英昭調教師が存在感
- 関東馬が苦戦
阪神競馬場芝1800mの攻略方法
ここからは阪神競馬場芝1800mの傾向とデータを深堀りし、買うべき馬、割り引きが必要な馬のタイプを紹介していきます。
データから見るここが買い
阪神競馬場芝1800mではディープインパクト産駒が断然の数字を残しています。出走馬の中に父ディープインパクトを見つけたら、迷わず買いの一手でしょう。残念ながらディープインパクトは2019年に死亡。2022年のデビュー馬がラストクロップとなります。産駒の姿を見られるのもあとわずかなので、当コースとの相性の良さを見る機会を逃さないようにしましょう。
ディープインパクト産駒のキズナも良績を残しているので、今後は直系種牡馬を注目するのがいいかもしれません。また、母の父としてディープインパクトの名前が見られることもあるので、出走馬の血統もしっかりとチェックすることをおすすめします。
データから見るここが割引
阪神競馬場芝1800mで関東馬はかなりの苦戦を強いられています。勝率は関西馬の8%に対して3%。ダブルスコア以上の差が開いています。阪神競馬場の関東馬参戦は遠征の形で、出走頭数は少ないとはいえ力関係は歴然。阪神競馬場芝1800mで関東馬の姿を見つけても、軸にするにはリスクを伴います。
データの裏を狙う
枠順別で大きな偏りはない印象の阪神競馬場芝18000mですが、3歳未勝利戦のデータを見ると、少し様相が違っています。
阪神競馬場芝1800m3歳未勝利戦の枠順別成績(過去5年間)
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1.6 | 6.3 | 14.1 | 3 | 36 |
2 | 9.1 | 18.2 | 25.8 | 92 | 88 |
3 | 8.7 | 18.8 | 20.3 | 70 | 49 |
4 | 7.2 | 14.5 | 26.1 | 31 | 159 |
5 | 11.3 | 15.5 | 19.7 | 159 | 52 |
6 | 7.0 | 12.7 | 21.1 | 147 | 114 |
7 | 1.1 | 6.9 | 9.2 | 3 | 41 |
8 | 4.4 | 7.7 | 14.3 | 22 | 46 |
1、7、8枠とが大きく勝率を落としてます。特に1、7枠は馬券検討から外しても問題ないくらいの数字。3歳未勝利戦と他の条件の違いは、序盤が速く流れる傾向にあるくらいで、理由は推測しづらいですが、阪神競馬場芝1800mの3歳未勝利戦はサンプルも多く無視はできません。3歳未勝利戦では1、7、8外枠の数値が弱くなっていることを頭に入れて置いてください。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
差し馬の出番が回ってきやすいイメージのある阪神競馬場芝1800m。ただ、馬場が悪化すると一転して苦戦しているようです。
阪神競馬場芝1800m稍重~不良馬場の脚質別成績(過去5年間)
脚質 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 1 | 6.7 | 33.3 | 40.0 | 446 | 244 |
先行 | 9 | 16.1 | 25.0 | 28.6 | 116 | 64 |
差し | 3 | 2.8 | 5.6 | 14.8 | 6 | 51 |
追込 | 2 | 2.8 | 7.0 | 9.9 | 13 | 86 |
勝率などの数値を大きく落とし、単勝回収率もわずか6%なら割に合いません。阪神競馬場芝1800mで馬場が渋っている時は差しタイプに手を出すのやめた方がいいでしょう。
阪神競馬場芝1800mまとめ
阪神競馬場芝1800mの攻略ポイントのまとめは以下の通りです。
- 1、2番人気の信頼度は高いが、5~7番人気、10番人気以下の激走に注意
- 4枠の勝率がナンバーワン。内、外で大きな偏りはなし
- 3歳未勝利戦に限って1、7、8枠が弱い
- 先行、差しが優位も、逃げ馬の回収率は魅力
- 馬場が渋ると差しが低調
- 種牡馬ではディープインパクトが断然の成績。今後は後継キズナに注目
- 川田将雅、ルメール騎手など名手の数値は安定
- トレーナーでは友道康夫、中内田充正、藤原英昭調教師が存在感
- 関東馬が苦戦
この記事が馬券検討の材料になればうれしいです。
それでは、よき競馬ライフを!
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