- 阪神競馬場芝3000mがどんなコースか分かる!
- 8つの傾向データを紹介
- 阪神競馬場芝3000mで買うべき馬・消すべき馬が分かる!
今回紹介するのは、阪神競馬場芝3000mの特徴と傾向です。
コースは基本、例年3月に行われるGⅡ阪神大賞典のみで使用。2021、2022年は京都競馬場改修工事のため、GI菊花賞の舞台にもなりました。触れる機会の少ないコースですが、過去のデータを集めたので、傾向はしっかりと把握しておいてください。
阪神競馬場芝3000mの概要・特徴
阪神競馬場芝3000mのコース概要や特徴は以下の通りです。
コース概要
阪神競馬場芝3000mは、向正面直線の2コーナー出口付近にゲートを設置。内回りコースを約1周半走ります。コーナーは6回通過。阪神競馬場芝コースの名物となっている、勾配差1.8mのゴール前の急坂は2回通過することなります、最後の直線は356m。外回りコースの474mより短いものの、JRA全場の中では6位となる長さです。
JRA競馬場最後の直線距離ランキング
順位 | 競馬場 | 距離 |
---|---|---|
1位 | 新潟(外回り) | 659m |
2位 | 東京 | 526m |
3位 | 阪神(外回り) | 474m |
3位 | 京都(外回り) | 404m |
5位 | 新潟(内回り) | 359m |
5位 | 阪神(内回り) | 356m |
内回りコースの幅員はAコース使用時が24~28mで、Bコース使用時は20~25m。芝コースの直線は他の競馬場よりも比較的長い阪神競馬場ですが、幅員はあまり広くはありません。
レコードタイム
阪神競馬場芝3000mのレコードタイムを見てみましょう。
阪神競馬場芝3000m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
3歳以上レコード | 3;02.4 | 牡3 | アスクビクターモア | 2022年10月23日 |
2022年10月に行われたGI菊花賞を制したアスクビクターモアの勝ち時計がレコードとなっています。同馬はこの年、皐月賞は0秒4差の5着、ダービーは0秒3差の3着と惜しい結果に終わりましたが、3冠最後のレースで本領を発揮しました。
菊花賞は例年、京都競馬場で行われますが、この年は改修工事のため、阪神競馬場芝3000mを使用して行われました。京都競馬場は2023年にリニューアルオープンしたので、今後のレコード更新はGⅡ阪神大賞典での期待となります。
平均タイムとラップ
次に示すのは阪神競馬場芝3000mの過去5年間の平均タイムです。
格 | R数 | タイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|---|
3歳重賞(菊花賞) | 2 | 3;03.5 | 35.0 | 36.1 | 103 |
3勝(古都S、松籟S ) | 3 | 3;06.3 | 37.0 | 36.0 | 97 |
重賞(阪神大賞典) | 5 | 3;05.6 | 37.2 | 36.3 | 98 |
芝3000mくらいの長丁場になると、序盤はかなりゆったりと進みそうなイメージを持ちますが、一線級揃いの重賞だと、前半もそれほど遅くはありません。やはりスタミナ、持久力勝負となっているようです。
菊花賞と3勝クラスの古都S、松籟Sの数字は京都競馬場改修工事で代替開催され時のデータですが、参考までに合わせて載せておきます。
阪神競馬場芝3000mで行われる重賞レース一覧
前の項目で触れていますが、阪神競馬場芝3000mは基本、GⅡの阪神大賞典のみで使用します。
レース名(グレード) | 1着賞金 | 開催時期 |
阪神大賞典(GⅡ) | 6700万円 | 3月 |
1953年に創設された伝統の重賞戦。長らく暮れに行われる名物レースとして親しまれていましたが、1987年から春開催に変更。GI天皇賞・春のステップレースとしての位置付けとなり、2014年からはレースの1着馬に天皇賞・春の優先出走権も与えられています。
阪神競馬場芝3000mの傾向データ(2019年〜2023年の過去5年)
ここからは阪神競馬場芝3000m過去5年間のデータを紹介します。8項目にわたって分析していきますので、馬券の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 20.0 | 50.0 | 50.0 | 34 | 69 |
2 | 40.0 | 60.0 | 60.0 | 160 | 163 |
3 | 10.0 | 20.0 | 30.0 | 103 | 123 |
4 | 20.0 | 20.0 | 40.0 | 133 | 114 |
5 | 0.0 | 20.0 | 30.0 | 0 | 96 |
6 | 0.0 | 10.0 | 30.0 | 0 | 120 |
7 | 0.0 | 10.0 | 10.0 | 0 | 29 |
8 | 0.0 | 0.0 | 20.0 | 0 | 98 |
9 | 0.0 | 0.0 | 10.0 | 0 | 259 |
10~ | 2.2 | 2.2 | 4.4 | 144 | 46 |
勝馬は12番人気の1勝以外は4番人気以内。距離も長く、レース展開も厳しくなりがちなので、フロックでは勝ち上がれないということでしょうか。ただ、7番人気まで連対実績があり、10番人気が3着に食い込んでいる例からも、ヒモ荒れには注意が必要です。
枠順別
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 0.0 | 8.3 | 16.7 | 0 | 77 |
2 | 8.3 | 16.7 | 25.0 | 66 | 75 |
3 | 21.4 | 28.6 | 35.7 | 95 | 65 |
4 | 0.0 | 11.8 | 17.6 | 0 | 187 |
5 | 5.9 | 11.8 | 29.4 | 60 | 137 |
6 | 0.0 | 10.5 | 21.1 | 0 | 71 |
7 | 9.1 | 13.6 | 13.6 | 24 | 45 |
8 | 13.6 | 18.2 | 22.7 | 331 | 99 |
勝率ナンバーワンは3枠。8枠も勝率10%を超えています。全体的に中枠が苦戦の傾向ですが、気になるのは1枠の弱さ。過去5年は連対が1回あるのみ。長距離戦だけに、最内枠ならコースロスを避けられそうですが、そう簡単なものではないようです。
脚質別
脚質 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単8 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 1 | 10.0 | 20.0 | 30.0 | 80 | 127 |
先行 | 4 | 10.5 | 21.1 | 31.6 | 60 | 93 |
差し | 3 | 6.7 | 13.3 | 20.0 | 157 | 87 |
追込 | 0 | 0.0 | 2.6 | 7.7 | 0 | 85 |
捲り | 2 | 66.7 | 100.0 | 100.0 | 270 | 223 |
最多の4勝を挙げ、連対、複勝率も優秀な先行馬を狙うのがよさそうです。逃げ馬も数値は及第点。前々で運んだ方がスムーズな競馬ができるのかもしれません。追い込み馬は馬券から外してもいいレベルです。ただ、注目したいのは捲りの成功率が高いこと。捲りは騎手の咄嗟の判断によるものが大きく、事前の警戒は難しいですが、捲り実績がある馬、騎手はマークしておきましょう。
種牡馬別
種牡馬 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 3 | 16.7 | 27.8 | 38.9 | 400 | 155 |
キズナ | 2 | 25.0 | 25.0 | 37.5 | 143 | 180 |
キングカメハメハ | 1 | 8.3 | 16.7 | 25.0 | 49 | 108 |
オルフェーヴル | 1 | 10.0 | 20.0 | 30.0 | 53 | 63 |
ゴールドシップ | 1 | 14.3 | 14.3 | 14.3 | 70 | 30 |
ドゥラメンテ | 1 | 25.0 | 25.0 | 25.0 | 200 | 72 |
マンハッタンカフェ | 1 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 220 | 140 |
スクリーンヒーロー | 0 | 0.0 | 66.7 | 66.7 | 0 | 133 |
エピファネイア | 0 | 0.0 | 16.7 | 33.3 | 0 | 115 |
ルーラーシップ | 0 | 0.0 | 11.1 | 11.1 | 0 | 17 |
勝ち星トップのディープインパクトは2019年に死亡しており、今後は産駒数も少なくなっていきます。変わっての期待はディープ直系種牡馬のキズナ。産駒のディープボンドは2021、22年の阪神大賞典を連覇しています。キズナの子供たちは芝、ダート、距離の長短を問わず活躍していますが、阪神競馬場芝3000mではますます存在感を出してくる予感があります。
父系統別
系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ロイヤルチャージャー系 | 8.5 | 16.0 | 24.5 | 102 | 112 |
ネイティヴダンサー系 | 6.7 | 13.3 | 16.7 | 46 | 58 |
ニアークティック系 | 0.0 | 14.3 | 14.3 | 0 | 25 |
ロイヤルチャージャー系が他系統をリードしています。種牡馬別の表で紹介した中ではディープインパクト、キズナ、オルフェーヴル、ゴールドシップ、マンハッタンカフェ、スクリーンヒーロー、エピファネイアがロイヤルチャージャー系なので、頭に入れておいてください。
騎手別
騎手名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
和田竜二 | 2 | 25.0 | 37.5 | 37.5 | 143 | 136 |
岩田望来 | 2 | 33.3 | 33.3 | 33.3 | 170 | 68 |
岩田康誠 | 1 | 20.0 | 40.0 | 40.0 | 118 | 80 |
C.ルメール | 1 | 33.3 | 66.7 | 66.7 | 103 | 113 |
鮫島克駿 | 1 | 16.7 | 16.7 | 33.3 | 1080 | 265 |
戸崎圭太 | 1 | 50.0 | 50.0 | 100.0 | 110 | 305 |
横山武史 | 1 | 50.0 | 50.0 | 50.0 | 400 | 145 |
田辺裕信 | 1 | 50.0 | 50.0 | 50.0 | 205 | 80 |
川田将雅 | 0 | 0.0 | 20.0 | 40.0 | 0 | 60 |
吉田隼人 | 0 | 0.0 | 25.0 | 25.0 | 0 | 72 |
騎手はサンプルが少ないので参考程度に見ておいてください。和田竜二騎手は前述したようにディープボンドとのコンビで2勝。岩田望来騎手は京都の代替で行われた古都Sと相性が良かったようで同レースで2勝をマークしました。
また、岩田望来騎手の父である岩田康誠騎手も当コースで良績を残しています。迷ったら岩田親子狙いがいいかもしれません。
調教師別
調教師名 | 1着 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
大久保龍志 | 2 | 50.0 | 50.0 | 50.0 | 287 | 232 |
友道康夫 | 1 | 16.7 | 33.3 | 33.3 | 98 | 161 |
角居勝彦 | 1 | 33.3 | 66.7 | 66.7 | 73 | 190 |
杉山晴紀 | 1 | 20.0 | 20.0 | 60.0 | 62 | 610 |
森田直行 | 1 | 33.3 | 33.3 | 33.3 | 176 | 66 |
堀宣行 | 1 | 50.0 | 50.0 | 50.0 | 3240 | 630 |
奥村豊 | 1 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 490 | 210 |
栗田徹 | 1 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 800 | 290 |
田村康仁 | 1 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 410 | 160 |
宮本博 | 0 | 0.0 | 66.7 | 66.7 | 0 | 133 |
調教師もサンプルが少ないので参考程度に。最も勝ち星が多いのは大久保龍志調教師です。堀宣行調教師の単勝回収率3240%は、2023年の松籟Sで管理馬のゼーゲンが12番人気で勝利。数字が大きく跳ね上がったものです。
騎手データにも言えることですが、サンプルが少ないとはいえ上位メンバーに上振れがある印象はありません。一流どころは参戦回数の多少にかかわらず結果を出すということなのでしょう。
東西別
所属トレセン | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 10.3 | 17.2 | 17.2 | 265 | 72 |
栗東 | 6.7 | 14.3 | 23.8 | 31 | 101 |
関東馬が勝率で関西馬を上回っています。阪神競馬場芝3000mは関東馬にとってアウェーという形なので大健闘と言えます。ただ、この数字に関しては後の項目で深堀りしていますので、そちらも合わせてご覧ください。
阪神競馬場芝3000mの傾向・データまとめ
ここまでデータを使って阪神競馬場芝3000mの傾向を紹介してきました。
特に重要だと感じたポイントは以下の通りです。
- 勝ち馬は例外1つ除いて4番人気以内
- 7番人気まで連対実績があり、ヒモ荒れに注意
- 3枠の勝率がナンバーワン
- 1枠が苦戦
- 先行馬が優位
- 捲りがハマりやすい
- 追い込み馬は買えない
- 種牡馬ではキズナに注目
- 父系統別で選ぶならロイヤルチャージャー系
- 騎手では岩田康誠、望来親子をマーク
- トレーナーでは大久保龍志調教師に良績
- 関東馬が健闘
阪神競馬場芝3000mの攻略方法
ここからは阪神競馬場芝3000mの傾向とデータを深堀りし、買うべき馬、割り引きが必要な馬のタイプを紹介していきます。
データから見るここが買い
阪神競馬場芝3000mの軸馬は先行馬か逃げ馬でいいでしょう。長丁場のレースですが、傾向を見ると序盤のペースはそれほど緩やかとは言えません。前半が速く流れると先行勢には展開が厳しそうですが、差し、追い込み勢にとっても追走が楽にならないと、3000mという距離で脚をためることは至難の業。結局、ゴール前の瞬発力を欠いてしまい、前残りを許してしまうケースも多々あるようです。
捲りがハマりやすいコースでもあり、そちらも警戒する必要はありますが、早めに動ける馬を含んだ先行勢を中心視するのが良さそうです。
データから見るここが割引
阪神競馬場芝3000mでは7歳以上の馬を割り引いて考えた方がいいでしょう。京都競馬場改修で代替開催された3歳限定のGI菊花賞などをのぞき、阪神大賞典に絞った過去5年の馬齢別データは以下の通りとなっています。
阪神大賞典馬齢別成績(過去5年間)
馬齢 | 着別成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|---|
4歳 | 2-2-1-5 | 20.0 | 40.0 | 50.0 | 134 | 182 |
5歳 | 2-1-1-11 | 13.3 | 20.0 | 26. | 47 | 58 |
6歳 | 1-2-3-12 | 5.6 | 16.7 | 33.3 | 12 | 270 |
7歳 | 0-0-0-9 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0 | 0 |
8歳 | 0-0-0-7 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0 | 0 |
7歳以上は3着にも入れていません。年齢的な因果関係はつかみきれませんが、スタミナ勝負の芝3000mでは、やはり脂の乗った4~6歳を狙うのが妥当ということかもしれません。
データの裏を狙う
阪神競馬場芝3000m所属トレセン別の項目では関東馬が大健闘している数字を紹介しました。ただ、データは年に京都競馬場改修工事のため阪神競馬場で代替開催され、関東馬が勝った2021、22年GI菊花賞の数字を含んでいたもの。京都分の代替開催を除いた数字、つまりGⅡ阪神大賞典のみの所属トレセン別データは以下の通りとなります。
阪神大賞典の東西別成績(過去5年間)
所属トレセン | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
美浦 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0 | 0 |
栗東 | 9.6 | 19.2 | 28.8 | 43 | 145 |
関東馬は過去5年、馬券圏内に入っていません。阪神大賞典で関東馬が勝ったのは1987年のスダホーク(古山良司厩舎)までさかのぼります。阪神大賞典はGI天皇賞・春のステップとしての位置付けですが、関東馬にとっては同時期に中山競馬場で日経賞もありますし、今後も勝負気配プンプンで遠征してくる機会は多くはないかもしれません。阪神競馬場芝3000m、つまり阪神大賞典では関東馬を見つけても重視する必要はないと思います。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
阪神競馬場芝3000mでは1枠の馬を狙うのは危険です。過去5年で1着がなく、連対も1回のみ。長距離戦なのでコースロスなくレースが運べそうな1枠は有利に向きそうですが、データでは逆の結果が出ています。
阪神競馬場芝3000mは基本的にGⅡ阪神大賞典の専用コースで開催は例年、1回阪神競馬の最終日。JRA競馬場の芝コースはA、B、Cなど3つほどのコース設定で、内側の芝の劣化に応じて仮柵を設け、特に内を通る馬が不利にならないように配慮しています。ただ、阪神競馬場芝コースはA、Bの2コースのみ。開催が進むにつれての芝劣化の影響は他場よりも大きいと言われており、そのあたりが1枠の弱さに出ているのかもしれません。
阪神競馬場芝3000mまとめ
阪神競馬場芝3000mの攻略ポイントのまとめは以下の通りです。
- 勝ち馬は例外1つ除いて4番人気以内
- 7番人気まで連対実績があり、ヒモ荒れに注意
- 3枠の勝率がナンバーワン
- 1枠が苦戦
- 先行馬が優位
- 捲りがハマりやすい
- 追い込み馬は買えない
- 7歳以上は割り引き
- 種牡馬ではキズナに注目
- 父系統別で選ぶならロイヤルチャージャー系
- 騎手では岩田康誠、望来親子をマーク
- トレーナーで狙うなら大久保龍志調教師
- 阪神大賞典は圧倒的に関西馬優勢
この記事が馬券検討の材料になればうれしいです。
それでは、よき競馬ライフを!
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