- 新潟競馬場芝1600mがどんなコースか分かる!
- 8つの傾向データを紹介
- 新潟競馬場芝1600mで買うべき馬・消すべき馬が分かる!
今回紹介するのは、新潟競馬場芝1600mの特徴と傾向です。新潟芝1600mと言えば次年のクラシックを占う新潟2歳ステークスや、夏のマイル王者を決める関屋記念など注目レースの舞台として知られています。
最後の直線が長く、差し馬や追い込み馬の出番が多いイメージを持っているファンは多いと思いますが、データを調べると逃げ、先行有利の数字が出ました。そのあたりのギャップについても解説していきますので、予想の参考にしてください。
新潟競馬場芝1600mの概要・特徴
新潟競馬場芝1600mのコース概要や特徴は以下の通りです。
コース概要
新潟競馬場は内回りコースと外回りコースがあり、芝1600mは外回りを使用します。スタートは向正面直線の中心からやや右寄り。馬たちはまず3コーナーまで548mの直線を走ります。
3コーナーから4コーナーまではスパイラルカーブで緩やかな下り坂。4コーナーを通過した後には、国内競馬場では最長となる659mにも及ぶ最後の直線が待ち受けています。その直線は起伏がなく平坦。スピードが出やすいと言われる野芝100%のコースでもあり、高速決着になりやすいのも特徴です。
レコードタイム
新潟芝1600mのレコードタイムを見てみましょう。
新潟芝1600m | タイム | 性齢 | 馬名 | 記録年月日 |
---|---|---|---|---|
2歳レコード | 1:33.3 | 牡2 | プルパレイ | 2021年7月25日 |
3歳以上レコード | 1:31.5 | 牝4 | ドナウブルー | 2012年8月12日 |
2歳レコードは2021年にプルパレイが未勝利戦でマークしました。その年にはGI朝日フューチュリティに出走して8着に敗れましたが、翌年のGⅢ中スポ賞ファルコンSを勝ち、重賞制覇を成し遂げています。
3歳以上の記録を保持しているのはドナウブルー。2012年8月に行われたGⅢ関屋記念で達成しました。同馬はこの年の5月にGIヴィクトリアマイルで2着。11月のGIマイルチャンピオンシップでは3着に入っており、力量的に新潟GⅢでの快走は十分うなづけます。
平均タイムとラップ
次に新潟競馬場芝1600mの過去5年間の平均タイムです。
格 | R数 | タイム | 前3F | 後3F | 後/前 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 36 | 1:36.2 | 37.7 | 35.1 | 93 |
未勝利 | 47 | 1:35.2 | 36.7 | 35.3 | 96 |
1勝 | 31 | 1:34:5 | 36.5 | 34.6 | 95 |
2勝 | 13 | 1:34:1 | 36.3 | 34.4 | 95 |
3勝 | 5 | 1:34.1 | 36.5 | 33.0 | 93 |
重賞・OP | 15 | 1:33:8 | 36.2 | 34.2 | 95 |
前半と後半のタイムにかなりの開きがあり、ハイペースでなることはほとんどない、と言えるレベルです。これは騎手たちが長い長い最後の直線を意識しているからこそでしょう。馬群は一団のままでレースは流れ、勝負どころ、仕掛けどころは最後の直線に入ってから。これが新潟競馬場芝1600mのレース傾向と言えます。
新潟競馬場芝1600mで行われる重賞レース一覧
レース名(グレード) | 1着賞金 | 開催時期 |
---|---|---|
関屋記念(GⅢ) | 4100万円 | 8月(サマーマイルシリーズ第3戦) |
新潟2歳ステークス(GⅢ) | 3100万円 | 8月下旬 |
新潟競馬場芝1600mで重賞は2レース組まれています。真夏のマイル王を決める関屋記念は1966年に創設された歴史ある一戦です。レース名は旧新潟競馬場が新潟市関屋にあったことが由来。2012年からは4戦あるサマーマイルシリーズの一つに指定され、注目度は上がっています。
新潟2歳ステークスは2歳世代にとって初めてマイル以上の距離で行われる重賞戦となります。2001年までは1200mや1400mで行われていましたが、2002年から1600mに延長されたことで、次年のクラシックを占う一戦として位置づけされるようになりました。
新潟競馬場芝1600mの傾向データ
ここからは新潟競馬場芝1600m過去5年間のデータを紹介します。
8項目にわたって分析しているので、馬券の参考にしてください。
人気別
人気 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 39.5 | 55.1 | 66.0 | 104 | 88 |
2 | 13.6 | 29.3 | 46.9 | 57 | 72 |
3 | 15.0 | 29.3 | 43.5 | 90 | 80 |
4 | 10.2 | 22.4 | 37.4 | 86 | 89 |
5 | 4.8 | 13.6 | 23.1 | 49 | 66 |
6 | 2.7 | 13.6 | 22.4 | 49 | 91 |
7 | 6.2 | 13.7 | 17.8 | 111 | 75 |
8 | 0.7 | 4.1 | 8.2 | 16 | 43 |
9 | 2.8 | 6.3 | 9.1 | 77 | 61 |
10~ | 0.8 | 2.1 | 4.2 | 39 | 52 |
1番人気は勝率、連対率、複勝率ともに信頼度はまずまず。単勝回収率も100%を超えています。
新潟競馬場芝1600mは人気が割れるケースも多いですが、素直に1番人気を狙った方が好結果につながると言えます。
枠順別
枠 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4.8 | 10.5 | 14.8 | 73 | 58 |
2 | 6.7 | 11.7 | 16.7 | 62 | 47 |
3 | 6.0 | 11.6 | 18.7 | 46 | 49 |
4 | 4.3 | 10.5 | 17.1 | 63 | 75 |
5 | 5.9 | 14.9 | 22.7 | 42 | 73 |
6 | 6.7 | 13.3 | 24.6 | 35 | 78 |
7 | 9.1 | 17.9 | 22.9 | 96 | 65 |
8 | 8.0 | 13.4 | 19.1 | 45 | 70 |
外枠の良績が目立ちます。新潟競馬場芝1600mはスタートから最初のコーナーまでの距離が長いですし、おおむねスローペースで進みますから、ポジション獲りなどで内、外枠の有利不利は考えられません。ただ、GⅢ関屋記念のデータを見ても2004年から2022年まで19年連続で、7、8枠のどちらかは必ず連にからんでいます。
同じくワンターンで2回長い直線を走る芝1800mの枠順別成績はフラットと言える範囲に収まっているので、芝1600mの偏りの理由ははっきりつかめませんが、数字的に無視はできません。芝1600mにおける外枠の好走データは頭に入れて置く必要があります。
脚質別
脚質 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 12.2 | 23.1 | 32.7 | 135 | 126 |
先行 | 11.0 | 20.5 | 27.3 | 98 | 91 |
差し | 6.1 | 13.1 | 21.5 | 55 | 67 |
追込 | 2.5 | 5.1 | 8.4 | 12 | 27 |
最も勝率がいいのは逃げ馬。新潟競馬場は直線が長いので、差し馬や追い込み馬に出番が回ってきやすいイメージを持ちやすい条件ですが、数字的には前々で立ち回れる逃げ馬、先行馬が優位と出ました。
追い込み馬は消していいレベルです。ただ、注意してほしいのが、関屋記念、新潟2歳ステークスの重賞2戦に限ってのデータです。
関屋記念と新潟2歳ステークスの脚質別データ
脚質 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 0.0 | 20.0 | 40.0 | 0 | 180 |
先行 | 5.4 | 10.8 | 18.9 | 36 | 52 |
追込 | 9.5 | 17.5 | 25.4 | 40 | 43 |
差し | 6.3 | 9.4 | 9.4 | 35 | 21 |
過去5年間に新潟で行われた重賞戦では逃げ切り勝ちのケースが一度もありません。中団から後方で立ち回る差し、追い込み馬の勝率が先行馬を上回っています。
重賞戦は目につきやすいので、新潟芝1600mは差し、追い込みが届きやすいイメージが浮かびがちになるのかもしれません。とにかく重賞戦とそれ以外のレースは傾向を分けて考える必要があります。
種牡馬別
種牡馬 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ノヴェリスト | 20.0 | 26.7 | 33.3 | 159 | 81 |
ハーツクライ | 15.4 | 23.1 | 32.1 | 114 | 102 |
エピファネイア | 13.2 | 23.5 | 27.9 | 43 | 49 |
スクリーンヒーロー | 11.6 | 37.2 | 46.5 | 40 | 112 |
ロードカナロア | 11.1 | 17.9 | 26.5 | 52 | 62 |
ドゥラメンテ | 9.3 | 20.9 | 25.6 | 18 | 37 |
ディープインパクト | 9.0 | 18.8 | 25.0 | 33 | 61 |
キズナ | 9.0 | 16.4 | 22.4 | 42 | 54 |
モーリス | 8.8 | 19.3 | 26.3 | 37 | 45 |
ヴィクトワールピサ | 6.7 | 13.3 | 22.2 | 48 | 60 |
ディープインパクトやロードカナロアなど、リーディング上位種牡馬の産駒成績は悪くないですが、人気になりやすいため配当的な妙味はありません。勝率や単勝回収率を見るとノヴェリスト産駒のコスパが良さそうです。ノヴェリストは現役時代の2013年に12ハロン戦の英GI、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス賞で従来のレコードを2秒以上更新して優勝。高速決着となりやすい新潟の馬場は向いているのでしょう。
父系統別
系統 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
ロベルト系 | 9.6 | 22.4 | 27.6 | 86 | 92 |
ノーザンダンサー系 | 8.4 | 12.6 | 16.1 | 117 | 81 |
サンデーサイレンス系 | 6.4 | 12.9 | 20.5 | 76 | 79 |
ロベルト系の成績が優秀。新潟競馬場では芝1800m、芝2200m、芝2400mでもロベルト系の快走が目立っているので、常にマークする必要があります。
騎手別
騎手名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
川田将雅 | 42.1 | 47.4 | 73.7 | 133 | 106 |
池添謙一 | 40.0 | 60.0 | 70.0 | 203 | 114 |
C.ルメール | 35.7 | 71.4 | 78.6 | 90 | 99 |
佐々木大輔 | 28.6 | 28.6 | 28.6 | 1094 | 268 |
戸崎圭太 | 24.1 | 29.3 | 37.9 | 113 | 66 |
秋山真一郎 | 21.4 | 28.6 | 28.6 | 66 | 39 |
今村聖奈 | 18.2 | 18.2 | 27.3 | 439 | 141 |
坂井瑠星 | 18.2 | 18.2 | 18.2 | 55 | 23 |
柴山雄一 | 15.4 | 23.1 | 23.1 | 53 | 66 |
三浦皇成 | 12.2 | 18.9 | 25.7 | 67 | 73 |
川田将雅騎手と池添謙一騎手の勝率が4割超えです。名手のルメール騎手も35%と高い数値をマーク。3人とも新潟に登場する頻度の少ない騎手ですが、参戦してくれば必勝態勢と考えていいかもしれません。
調教師別
調教師名 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
奥村豊 | 33.3 | 33.3 | 50.0 | 183 | 80 |
武井亮 | 28.6 | 35.7 | 57.1 | 323 | 142 |
藤岡健一 | 28.6 | 35.7 | 42.9 | 164 | 93 |
岩戸孝樹 | 26.7 | 26.7 | 40.0 | 95 | 72 |
小島茂之 | 26.7 | 26.7 | 33.3 | 186 | 86 |
友道康夫 | 22.2 | 33.3 | 33.3 | 53 | 56 |
平田修 | 21.4 | 28.6 | 35.7 | 85 | 65 |
加藤征弘 | 20.0 | 33.3 | 40.0 | 118 | 90 |
斉藤崇史 | 20.0 | 40.0 | 40.0 | 89 | 73 |
蛯名利弘 | 20.0 | 20.0 | 20.0 | 223 | 52 |
奥村豊調教師の管理馬が勝率3割を超えています。狙いやすいのは武井亮調教師。過去5年間で新馬戦の芝マイルは【2110】と馬券圏を外しておらず、3歳未勝利の芝マイルでも【1021】と良績を残しています。新馬戦や3歳未勝利は出走馬の比較も難しさを極めますが、そこで頼もしさを発揮する武井亮調教師の名前は覚えておきましょう。
厩舎別
厩舎 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
栗東 | 8.3 | 17.3 | 24.4 | 70 | 85 |
美浦 | 5.8 | 11.2 | 17.5 | 52 | 55 |
栗東組が美浦組を勝率、連対率、複勝率ともに引き離しています。新潟は関東色の強い開催場で、栗東組としては遠征の意味合いとなる分、勝負態勢がマシマシの状態で参戦しているのかもしれません。
新潟競馬場芝1600mの傾向・データまとめ
ここまでデータを使って新潟競馬場芝1600mの傾向を紹介してきました。
特に重要だと感じたポイントは以下の通りです。
- 1番人気の信頼度はまずまず。単勝回収率も100%超え
- 目立つ外枠の好走歴
- 脚質は条件によってギャップ。重賞は差し、追い込み。それ以外は逃げ、先行
- ノヴェリスト産駒のコスパ良し
- 川田将雅、池添謙一、ルメール騎手の参戦は要注意
- 新馬、3歳未勝利は武井亮調教師をマーク
- 関東馬は苦戦
新潟競馬場芝1600mの攻略方法
ここからは新潟競馬場芝1400mの傾向とデータを深堀りし、買うべき馬、割り引きが必要な馬のタイプを紹介していきます。
データから見るここが買い
出走歴の乏しい新馬戦や3歳未勝利は予想も困難を極めますし、一本調子のスピードで押し切れないマイル戦ならなおさらのこと。迷うくらいならその条件に強い武井亮調教師買いがいいでしょう。
武井亮調教師は新潟全体の成績を見ても勝率9.8%。連対率は20.7%、複勝率は32.6%あり、芝1600mの新馬、3歳未勝利ではなくても新潟では積極的に狙える調教師です。
データから見るここが割引
美浦組が栗東組に勝率、連対率、複勝率とも水を空けられています。回収率の差からも関東馬は人気を裏切るケースが多く、軸馬に指名するにはリスクを伴いそうです。新潟では関東馬の出走が圧倒的に多いので、勝ち星の数自体は関東馬が上ですが、勝つ確率は関西馬の方が優勢。
厩舎 | 勝率 | 出走 | 勝利数 |
---|---|---|---|
栗東 | 8.3 | 8027 | 735 |
美浦 | 5.8 | 16030 | 951 |
もちろん前述した武井亮調教師のように新潟で強い美浦組もいますが、栗東組の存在は常に注意を払いましょう。
データの裏をかく
新潟芝1600mのデータでは逃げ、先行馬有利ですが、重賞の関屋記念、新潟2歳Sに限ったデータを見ると差し、追い込み勢の方が数値は上。しかも、逃げ切りが決まったケースはありませんでした。これは重賞で強力メンバーが揃うと、直線の長い新潟コースでの逃げ切りは極めて難しいからと思われます。
重賞では差し、追い込み勢を重視して、その他では逃げ、先行狙いがいいでしょう。新潟芝1600mの場合は条件によって真逆のデータが出ているのを知っておく必要があります。
開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬
新潟競馬場芝1600mで、天候により馬場状態が悪化するとどうなるのかを見てみました。
新潟芝1600mの重、不良馬場での脚質別データ
脚質 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 |
---|---|---|---|---|---|
逃げ | 0.0 | 40.0 | 40.0 | 0 | 132 |
先行 | 13.6 | 13.6 | 22.7 | 130 | 99 |
追込 | 5.7 | 8.6 | 20.9 | 22 | 74 |
差し | 0.0 | 0.0 | 4.0 | 0 | 122 |
重賞で思うような結果を残せていない逃げ馬ですが、重馬場、不良馬場も勝った例がありません。連対率は高いので、馬連や複勝は買いやすいかもしれませんが、単勝や馬単の軸としては危険な匂いがします。追い込み勢に至っては連下でも手が出せない数値。重、不良馬場では先行馬、差し馬で予想をまとめるのがいいでしょう。
新潟競馬場芝1600mまとめ
新潟競馬場芝1600mの攻略ポイントのまとめは以下の通りです。
- 1番人気の信頼度はまずまず。単勝回収率も100%超えで素直に狙える
- 好走例の多い外枠に注目
- 重賞では差し、追い込み馬が有利。重賞以外では逃げ、先行馬を重視。
- 重、不良での逃げ馬は割り引き。追い込み勢は消し
- ノヴェリスト産駒のコスパ良し
- 川田将雅、池添謙一、ルメール騎手の参戦は要注意
- 新馬、3歳未勝利は武井亮調教師をマーク
- 関西馬が活躍。関東馬と勝率に差あり
この記事が馬券検討の材料になればうれしいです。
それでは、よき競馬ライフを!
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